健康科学研究科では、こころとからだに心理学、理学療法学、脳科学の視点から科学的にアプローチし、横断的統合的に教育研究を推進します。これにより、現代社会に生きるさまざまな人々の心身の健康の向上と、健康に対する概念の変化がもたらした、疾患や障害を抱えながらも心豊かに積極的に社会生活を送ることのできる、新たな充実した生き方の創出をめざします。
健康科学研究科では、高度化と同時に多様化する臨床心理士をはじめとする心理職や理学療法士などが働く保健医療福祉などの職場環境の変化に対応し、心身問題や脳科学に専門的な知識を有し、心理職や医療職などとの協働が高度に実践できる高度専門職業人を養成します。こうした人材養成目標を達成するため、健康科学の名のもとに1研究科1専攻として開設します。
健康科学研究科では、学生が自立して研究する基礎的能力を身につけ、自らの実践経験を検証し、改善につなげることができるように「理学療法学コース」「臨床心理学コース」「心理学コース」の3コースを設定します。これにより、こころとからだに関する多角的視点に加え、系統的な学修を促し、高い専門性を身につけます。
生活機能障害系理学療法、運動器障害系理学療法、脳機能障害系理学療法の各分野における高度な専門知識や技能を有し、その知見を自ら検証できる人材を養成します。そのために、自ら研究を進めることのできる能力を身につけ、チームにおいて指導的役割を担うことができる理学療法士をめざします。
臨床心理士資格を取得して、人々の心身の健康を支援する人材を養成します。障害を持つ子どもの療育、子どもの学校適応と家族支援、精神科をはじめさまざまな医療分野における患者支援、高齢者福祉の場での心理面や生活の支援、企業内での心理相談など、多様な現場で活躍できる臨床心理士をめざします。
行動神経科学や行動分析学による健康科学の基礎的実証的研究を担う研究者、就労場面での心身の健康管理や、心理学のスキル・知識を応用した商品開発や広報に貢献できる企業人、幼児・児童・生徒の心理面への深い理解と学校適応への支援に優れた教員など、高度な専門性を持つ職業人を養成します。
臨床心理学コースでは、公益財団法人日本臨床心理士資格認定協会が認定する臨床心理士受験資格(第1種指定)が取得できる予定です。そのため、同コースでは、受験資格を取得するのに必要な講義・演習科目を配置します。また、学内に設置する「心理臨床センター」や学外の病院、学校、児童福祉施設などで実習を行い、臨床心理活動に必要な能力を実践的に身につけます。
健康科学研究科では、理学療法学コースを中心に、仕事を持つ社会人の学生などが勤務を継続しながら、大学院で学修することのできる環境を提供するため、平日の5・6講時や土曜日、長期休暇中を利用した集中的な授業など、柔軟な対応を行います。また、研究指導の時間についても、できる限り弾力的に運用します。