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入試情報サイト

京都橘の入試「科目別解説講座」

 

国語−古文

島先生写真
関西文理学院 国語科講師

島 洋子 先生

受験生へのメッセージ
 そこのあなた! 「雰囲気」を「ふいんき」と読んでいませんか? 「御無沙汰」を「ごぶたさ」と読んでいませんか? 「袖ふれあうも多少の縁」だと思っていませんか? 大間違いですよ! 正しくは「ふんいき」「ごぶさた」「袖ふれあうも多生の縁」です! たしかに言葉は変化するもので、「山茶花(さざんか)」も古くは「さんざか」と読むのが正しかったそう。「うざい」「やばい」を多用するのもいいけれど、その前に繊細で豊穣な日本語Worldもぜひ知ってください!


科目別解説講座−国語
 

 公募制推薦入試は、英語・国語・数学から2分野を選択して解答する「基礎テスト」です。配点は各分野100点の合計200点、試験時間は80分となります。(詳細は2006入試ガイド参照)

推薦入試

【出題傾向】
 2006年度の出題は『俊頼髄脳』という歌論からであった。昨年度までの『沙石集』『宇治拾遺物語』といった説話物語とは趣を異にするジャンルではあったが、例年通り、ストーリー性のある箇所から出題されていた。本文量は600字前後で、変化は見られず、また設問もまた選択形式を中心として6問(そのうち1問のみ記述形式)という体裁には特に変化は見られない。
 その内容は、読解力の有無を問う内容判定や敬語の用法に関する設問を中心に、接続助詞「ば」の用法と「陳述の副詞」の訳出を問う現代語訳、さらに係り結びを絡めた空欄補充や文学史などの知識を問う設問をまじえて出題が構成されている。いずれも基本的な知識を踏まえて解答できる設問であり、標準的な出題であったといえよう。ただ、昨年度に見られた和歌解釈に関する設問は、それ自体出題されてなかったものの、出典が歌論という和歌に関する内容の作品であり、本文中に付け句の形で和歌が登場していることから、和歌の学習を怠っていた受験生には問題文の読解がなかなか困難なものであったと想像される。全体的にこれまでと本文、設問において大幅な変化は認められず、内容の展開を正確に押さえつつ場面を理解する読解力の養成はきわめて重要であるといえよう。くれぐれも人物の行動を整理しつつ丁寧に読む習慣を身につけておこう。他分野を含めて80分という試験時間は、解答する上で決して余裕のある時間とは言い難く、知識系の設問、たとえば文学史や文法などから設問を確実に解いていくことをお薦めする。

【学習対策】
 京都橘大学の古文は、基本的知識を踏まえた標準的な出題である。したがって、普段の古文に取り組む学習姿勢が、確実に正解にたどりつけるか否かに大きく影響する。2006年度は、前年度と同様に読解に関する設問や形容詞の語意を問う設問が見受けられ、この対策としてまず古文単語の習得を念頭において学習してほしい。特に形容詞などは、文脈中でのより適切な意味の選択ができるように練習しておこう。また、敬語、係り結びや陳述の副詞は設問でも直接に問われていることから、確実に習得する必要がある。これらの文法的知識を問う設問は、決して失点してはならない設問であり、文構造を正確に理解する上でも必要不可欠といえるだろう。避けることなく教科書などを利用して覚えておこう。
 さて、正確に内容の展開を把握するための読解力の養成は、継続的な学習の上にのみ形成されるものである。そこで、動作の主体や話者に留意しつつ丁寧に読む姿勢が大事となる。そのためには、選択形式の設問を中心とする解説のくわしい問題集を用意して、二度三度と反復して取り組むとよいだろう。また、解釈例を参照した上で本文を音読してみるのも、読解力や速読力を向上させるのに効果的である。問題集などを利用する際の注意点として、いたずらに得点にばかり目を奪われるのではなく、間違えた設問に対してきちんとその解法の手順を確認し、本文中のどの箇所に着目するのかを意識して見直してほしい。最後に、推薦入試では2005年度には和歌の解釈を問う設問が出題されており、2006年度も和歌に関連する作品であったことから、和歌に対して是非習熟しておいてほしい。

一般入試

【出題傾向】
 2006年度の出題は歌物語の『伊勢物語』、説話物語の『古本説話集』と随筆の『枕草子』といういずれも著名な作品からであった。2005年度までの近世作品を1題含む配分とは異なったが、おおむねストーリー性のある箇所からの出題であった点では従来となんら変化は認められない。『古本説話集』が1000字程度の長文であったこと、他の2作品はいずれも600字程度の本文量であったが、『伊勢物語』では和歌が3首盛り込まれ、『枕草子』は随筆というジャンルでなかなか読みづらかったのではないかと思われる。現代文を含めて60分という試験時間を考慮するならば、決して余裕のある時間であったとは言い難い。
 さて、設問形式は、選択形式を中心として、その設問数は2005年度と変わらず6〜7題(そのうち1題は記述形式)で構成されている。その内容は、内容判定、指示内容を問う説明、文脈上適切な形容詞を選択させる空欄補充、和歌解釈などの読解力の有無を測定する設問を中心に、文学史、古典常識と動詞の活用、「に」の識別、格助詞「の」の用法など基本的な文法的事項を問う設問から構成されている。 2005年度に見られた掛詞の指摘、解釈という和歌に関する設問は、『伊勢物語』の中において解釈の形で踏襲され、定着してきた気配がうかがえる。
 また、敬語や陳述の副詞、さらに撥音便などのやや踏み込んだ文法事項が現代語訳において問われており、しっかりと文法を学習する必要があろう。十分に対策を講じておきたいところである。基本的な事項を記述の形式で問う文学史は、2006年度は一部で見られなかったが、これは例年必出ともいえるものであり、軽視しないように。全体的に読解力を必要とするバラエティーに富んだ標準的な出題であるといえよう。

【学習対策】
 京都橘大学の古文は、中古の有名出典から出題され、そのバラエティーに富んだ設問の構成から、総合的な学力の有無が試されているといえる。したがって、普段の幅広い関心を持った古文への学習姿勢が、その得点を大きく左右するといえるだろう。正確な内容把握に関係する設問が大きな比重を占めていることから、まずは正確な読解力の養成を心懸けてほしい。したがって、その基盤として古文単語と文法的知識の習得が不可欠となる。
 古文単語の学習は、入試直前までの反復学習が効果的であり、難解な古語は出題されにくい傾向にあることから、形容詞を中心に形容動詞、動詞などの重要語を正確に習得しよう。次に、古典文法は敬語、助動詞、助詞を中心に陳述の副詞まで正確に確認しておこう。これらは、現代語訳を判定する上での重要な着眼点となる。特に文法に苦手意識を持つ人は、薄手のものでよいので、問題集を二度、三度と反復して取り組んでほしい。その上で、これらの学習と併行して正確な読解力養成のために、くわしい解説のついた問題集か参考書を用意し、取り組むことが必要である。この際に、正解するための着眼点やこれに伴う読解上のポイントを常に意識して読まなければならない。敬語の存在に注意を払いながら、主体客体を確認して文意を積み重ねて読む習慣を身につけよう。2006年度の出題傾向を踏まえると、これらの問題演習を通じて、その問題文中に登場する和歌の解釈にも注意を払って知識を深めておく必要があるといえる。
 最後に、文学史に関する出題はほぼ必出といえる。作品と作者の丸暗記に終始するのではなく、文学史の流れの中で作品の概要、時代背景などもこれまでに出題されているので、国語便覧などを通じて確認しておくことが望ましい。