日本語教師を目指す人へ

 

ひとくちに「日本語教育を目指す人」といっても、日本語教師を目指して橘に入学した人、短期留学がきっかけで日本語教育に興味を抱くようになった人、将来ボランティアの日本語教師になりたい人など、さまざまでしょう。そんなみなさんに必見なのがこのページ。以下には、日本語教育の世界で活躍する橘の先輩から寄せられた体験談、近況報告が掲載されています。本学を卒業後、大学院へ進学して日本語学・日本語教育学等を学んでいる人や、本学のTA(ティーチング・アシスタント)派遣留学制度で台湾の淡江大学大学院に在籍しながら日本語教育経験を積んだり中国語学習をしたりしている人、海外の大学や国内外の日本語学校で講師として日本語を教えている人などの話に耳を傾けてみましょう。生の日本語教育が見えてきます。

なお、これらは本学の日本語教育関連メーリング・リストに寄せられたメールからの転載という形で今後も随時更新していきます。本メーリング・リストに興味のある人は、外国語教育研究センターまでお問い合わせください。

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台湾、銘伝大学日本語講師 河村静江(2004.1.14)
桜美林大学大学院 日本語教育研究 金澤菜穂(2004.1.14)
昇達大学 日本語講師 四本康子(2004.1.14)
2003年度卒業、現TA派遣留学生 吉塚絵里(2004.1.14)
山中理恵(台湾の日本語学校非常勤講師、TA第3期生)(2004.1.13)
張 艶萍(西北大学日本語学科講師、元本学大学院留学生)(2004.1.13)
柳田純子(TA派遣留学2期生、現在台湾の科剣日本語学校専任講師)(2004.1.14)
西野 藍(大阪大学大学院生、本学「海外に日本語教材を送る会」会員)(2003.8.23)
天満沙矢香(本学日本語日本文学科4回生、「海外に日本語教材を送る会」会員)(2003.8.23)
広木里枝(本学大学院修士課程2年生、TA第1期生)(2003.06.13)
柳田純子(本卒業生、TA1期生、台湾在住、科剣日語専任講師)(2003.7.9)
TA第3期生 石橋美香(2002.12.06)
TA第3期生 生田奈津子(2002.12.13)
TA第3期生 四本康子(2002.12.17)
TA第3期生 池田早紀(2003.1.3)
2001年度卒業生(英コミ) 現在桜美林大学大学院M1 金澤菜穂(2002.5.10)
日語日文院生M1 広木里枝(2002.7.13)
2001年度卒業生(書道科)、現在東京にある日本語学校の専任講師  圷 貴子 (2002.5.28)


台湾、銘伝大学日本語講師 河村静江(2004.1.14)

こんにちは。卒論を提出してホッとしているところでしょう。台湾の銘伝大学の日本語学科にいる卒業生の河村です。台湾の状況は赤堀先生の方がお詳しいとは思うのですが、台湾に四年半いる私の経験とアドバイスを一言だけ書かせていただくことにします。

台湾の大学はこの4年半で、大きく変わりました。私が台湾で働きたい、と言ったとき、現地の人の反応は「日本からわざわざ来たいなんて珍しい人もいるもんだ。」でした。日本人がこちらで働くにはビザが必要です。修士の資格があれば、大学で非常勤講師として働くことができるのですが、非常勤ではビザが下りない、というのが私の一番の問題でした。「専任」でとってくれる学校でないと、台湾にいることさえできません。幸い、私は専任として受け入れてもらえましたが、最近は日本から博士をもった先生が続々と台湾に就職してくるようになり、雰囲気としては、博士じゃないと専任としてとらない、という感じになってきました。これは北部であろうと南部であろうと変わらないと思います。ですので、台湾の大学で働きたい、という場合、博士がないとたぶん無理だということは知っていたほうがいいと思います。専科学院のようなところであれば、修士でも採用してくれるようです。この博士傾向は、日本で博士を取りやすくなったということと、博士をとったけど、日本で仕事がない、という状況を反映していて、これからも続くものと思われます。

また、高校での日本語教育が盛んになっていますが、こちらも日本人を専任でとる、というのはまだまだ先だと思います。高校がどこかの学校にお願いして、非常勤として来てもらう、というのが一般的です(私も近くの高校に非常勤として通っていました)。高校での日本語の授業はまだまだ不安定で(学生数が確定しない第3外国語なので)専任をとるほどではないということです。

卒業される人で、台湾で働きたい、という場合、安定した収入を得たいのであれば、やはり修士の資格があったほうがいいと思います。一度日本語を教えてみたい、という程度であれば、いくらでも仕事はあります。ただ、ビザが取れる学校かどうか確認してから来たほうがいいと思います。
それでは、みなさまのこれからのご活躍を心よりお祈りしております!


桜美林大学大学院 日本語教育研究 金澤菜穂(2004.1.14)

私は桜美林大学大学院で日本語教育を研究している金澤を申します。3月終了予定なので、修論におわれていて、今頃になってしまいました。大したことは書けませんが、大学院のことと、日本語学校の現状などについて書きたいと思います。

大学院は研究がメインになります。修論を書くのは本当に大変です。授業でも理論が中心で、どうやって教えるかなどという実践的なことはあまりしません。ただ、最近、大学院が養成講座のように実践重視になってきているという傾向はありますが。

次に日本語学校のことですが、非常勤の教師は基本的には担任がたてた予定に従って、授業します。学校によっては教え方まで決まっている所もあります。うちの学校は小さいので授業以外の仕事(試験の作成、イベントの企画準備、授業の内容、進め方、教材などについて一緒に考えるなど)もしています。学校によってかなり違うと思いますが。

日本語学校の求人はインターネット(日本語オンラインや日本村)などに出ています。1月以降、4月から求人がたくさん出るはずです。ただし、最近、入管の政策が変わって日本へ来る学生(特に中国人)が減ると考えらてれます。日本語学校がかなりつぶれるだろうとも言われています。そうなると、氷河期が再来ということになるかもしれません。

入管の政策が変わったことなど考えると、修士をとっておいた方がいいというのが一般的な声です。でも、日本語学校に就職する分には大卒でも大丈夫です。色々考えて、一番いいと思う道を選んでください。もし、質問などがありましたら、メールください。


昇達大学 日本語講師 四本康子(2004.1.14)

中国、河南省の昇達大学に今年度から赴任した四本です。今回はこちらでの近況と、西安で起きたデモについてご報告申し上げます。

昇達大学は今年10周年を迎えました。1日には10周年記念式典が行われました。日本語学科は各学年100名ほどで、2学年在籍しています。一クラス約25名で、授業を行っています。学生たちは熱心に勉強しており、たとえ停電になろうと、勉強への姿勢は忘れません。教材不足など改善点はありますが、学生と共に頑張っています。

今回はもう一つ、西安市の西北大学で起きた「寸劇問題」について。先月末に西北大学で日本人留学生が寸劇を行いました。その内容が中国人の学生に「侮辱」だと捉えられ、1000人を越すデモにつながりました。結局、寸劇を行った3名の留学生は除籍、日本人教師は解雇となり謝罪文を提出するという形で、3日間にわたるデモは終息へむかいました。報道内容に食い違いがあるため、ここでは寸劇内容を省略させていただきます。当人は侮辱する気持ちはなかったようですが、軽い気持ちで行った内容が受け止める側に不快感を与えたことは事実のようです。

私が住む鄭州では今回の影響は出ていませんが、ちょっとした行動が国際問題にまでつながることがあります。特に海外に住む日本人は日本代表として見られているということを自覚することが大切だと思いました。

長くなりましたが、今回の報告を終わらせていただきます。


2003年度卒業、現TA派遣留学生 吉塚絵里(2004.1.14)

あけましておめでとうございます。

日本は、とても寒くなったと思いますがいかがお過ごしでしょうか。こちらでは、やっとTAの授業も終わり今までとても忙しかった分、気が抜けてしまいます。
先生からTAに行こうか迷っている人もいるというメールを頂いたので個人的に技術学院のことをお知らせします。

技術学院と淡水キャンパスは、学生の様子もずいぶん違うようです。TAが受け持つクラスは以前日本語を専攻していなかった学生なのでほとんどが塾や独学で勉強していた人たちです。そのためレベル差が大きいのも事実です。しかし、みんな自分の専門を変えてまで日本語学科を選んでいるので日本語や日本に関する目的意識や興味が高く授業もやりがいがあるのかもしれません。

技術学院の授業は、会話の授業が週に2時間しかなくほとんどの授業がNHKの聞き取り新聞読解のようなものなので頭で理解できているのに会話ができない人が多いようです。また、他の授業がかたい内容ばかりなのでTAの授業では、リラックスできる内容が期待されているようです。学生が興味を持っている内容は、マンガ、ドラマ、J−POP、食、温泉と娯楽に偏っています。

TAの授業はこのようなものが期待されますが、宿題などの質問を受ける時は、物理やイラク戦争についてのことなので勉強が必要だと思いました。半年、日本語を教えた感想としては、日本語を教えることにこれほどまでに人間関係が大切だということを知りませんでした。特に上級では話したい内容がなければいくら日本語が話せても話が続かないでしょうし、やっぱり、先生も話をしたいと思わせるような何かが必要だと思いました。去年は、まだまだ物足りないものだったので今年は気持ちを入れ替えてなにか新しいアイディアを考えたいです。

では、長くなりましたが今度のTAの参考になればと思いメールしました。


台湾の日本語学校非常勤講師、TA第3期生 山中理恵(2004.01.13)

はじめまして、卒業生の山中理恵と申します。現在、台湾の補習班で日本語を教えています。

在学中の方の中でも、海外で日本語を教えたいと思っている方も多いと思います。中には随分悩まれている方もいるのではないでしょうか。私の場合も、特に4回生になってから進路については随分悩みました。悩みに悩んだ末の決断というと少し大げさですが、やはり海外で働くということには、もちろん不安もありましたし家族の理解も必要で、それ程の決断が私には必要でした。特に私のように海外で生活したことの無い方は、状況が分からないだけに不安な点も多いかと思います。そこで、たった半年間ではありますが、ここでの生活や出来事などから感じたことなどを簡単に報告させていただきたいと思います。同じように今悩まれている方々の何か参考になればと思っています。

早速ではありますが、台湾での生活で不自由をするのはやはり言葉の問題です。私は中国語ができないので、一番の問題になります。どこの国へ行っても同じですが、言葉が分からないことによって、お互いに嫌な思いをしたり、誤解を招いてしまったり。旅行であれば、指差しで切り抜けられることも多いですが、やはり、生活するのであれば自分のためにも、その国の言葉を勉強したほうが、より快適に過ごせると感じています。

台湾では日本料理店も多く、特に台北市では日本の商品も簡単に手に入ります。つまり、ここは日本だ、と錯覚しやすいということです。それゆえ、台湾を日本の文化に当てはめてしまい不満に思ったり、日本だったら、こうなのに・・・、どうしてこうじゃないの?といった具合に、腑に落ちない、というふうに捕らえてしまうのは良くないし、何より自分のためにもならないということを感じています。例えば横断歩道で渡る人がいれば、車やバイクは止まるというのが日本ではルールですが、同じような感覚で横断歩道を渡れば、ひかれてしまいます。実際に目の前で人がひかれました。自分がひかれそうになったとき、初めは驚きと怒りが先に来ました。どうして止まらないのか!しばらくは横断歩道を渡るたびに怒っていましたが、2,3ヵ月後にはひかれるから、注意しようというように気持ちが変わりました。そのほうがうまく生活できたからです。

例が少しよくなかったかもしれませんが、文化の違いは他にもありますから、これらの違い一つ一つに神経質になり過ぎてイライラしてては、生活全部が嫌になってしまいます。私は非常勤なので、給料が安定していないということからくる不安や、仕事面でのこと、それに加えて毎日の生活で不満に思ってばかりでは、本当にめいってしまうだろうし、仕事にも影響が出てきてしまうと思うので、何でもプラスに楽しむようにし、なるべく台湾の文化を見るよう心掛けています。よく海外で生活する適任者として”順応できる人”と言われますが、まさにこういうことなのかと、私自身順応性があるほうなのかどうかは分からないのですが、私は留学経験も無かったので、今このようなことを実感しながら、毎日を過ごしています。

最後になりますが、約半年こちらで働いて、授業がうまくいかなかったり自分の勉強不足に焦ったり、教師としてまだまだですがこれから少しずつ経験を積みたいと思っています。台湾に限らず海外生活にはトラブルがつきものです。あらかじめトラブルの対処方法を知っておくことも大切ですが、トラブルが起きたときに、それを冷静に対処する冷静さも必要だと思います。 私からはこの程度のことしかお伝えできませんが、何となく台湾での生活の一部を知っていただけたでしょうか。それでは、失礼します。


西北大学日本語学科講師、元本学大学院留学生 張 艶萍(2004.01.13)

あけましておめでとうございます。

私は西北大学外国語学院日本語学科の張 艶萍と申します。はじめまして、どうぞよろしくお願いいたします。

宮島先生のおかげで、橘のMLに入っています。自己紹介をさせていただきます。1997年9月から1998年7月まで橘女子大学で一年間留学生として研修をしておりました。2001年4月から2003年3月まで橘女子大学大学院に入って、宮島先生が指導してくださいました。留学が終わってから、西北大学日本語学部に戻りまして、今、日本語教員として働いております。

二度の留学生活は私にとって宝物になっています。去年、日本語学部の二年生の精読を担当しておりました。今日、今学期の仕事は全部終わりまして、ほっとしております。 去年、河南師範大学(12月13、14日)と西安交通大学(12月27、28日)が行われたシンポジウムに参加しました。河南師範大学で宮島先生のお目にかかりまして、とても 嬉しかったです。そして、御講演もお聞きいたしまして、いい勉強になっております。

これから日本語教育について皆様と話し合いますが、よろしくお願いします。


TA派遣留学2期生、現在台湾の科剣日本語学校専任講師 柳田純子(2004.1.14)

あけましておめでとうございます。現在台湾の補習班で日本語を教えています柳田と申します。大学やTA留学のことはほかの方々が書いてくださっているので、私のほうからは、台湾の補習班(日本語で言う塾)についての現状などを知っている限りお伝えします。

台湾では相変わらず日本語がブームです。もちろん以前に比べれば、多少熱は冷めてきているように思えますが、まだまだ高いように感じます。日本の企業とも取引している会社も多いので、大学生のみならず社会人も勉強しようと思っている人が多いようです。もちろん趣味で学びたいという人や、教育熱心な親に言われて来たというような中高生もいます。

台湾(おそらく外国全般かも知れません)の、塾での日本語教育というのは、学生にとっても教師にとっても、国内の学校より楽しいようです。これは先輩から聞いた話ですが、日本の日本語学校は、大学(院)進学者が多い学校の場合、受験のための日本語教育になってしまい、試験に合格しなければ、即帰国になってしまうからだそうです。技術者の場合は、生活していくためにビザが必要だから、とりあえず授業に参加はしているが、学ぼうとする姿勢が低い人も少なくないそうです。もちろん日本国内の場合はすべてがそうだとは言い切れませんが、そういう学校もあると聞きました。

しかし海外の場合、特に塾などは、そういう深刻な状況はあまりないかと思います。
目的意識を持っている人はもちろん真剣に学びますが、普通は楽しく学んで話せるようになりたいと思う人が多いようです。ですから、授業も教師の思うように、自由に楽しくすることができるかと思います。中には日本人見たさに来るといった人もいますが(特に地方に多いようです)、そういった人でも、ちゃんと勉強してくれる人が多いようです。

また、台湾人の気質なのか、フレンドリーに接してくれる人が少なくありません。台湾人に対して悪い印象を持ってる日本人はほとんどいないと思います。いろいろと台湾での教育は楽しいように聞こえますが、いいことばかりではありません。慣れない生活で体を壊す人もいます。外国人の扱いが悪い学校もあったり、ビザを出してくれない学校もあるので、学校に行きながら仕事をする人もいます。中にはビザのために仕方なく学校に行ってる人もいます。でも、学生ビザで働くのは違法です。また非常勤(時給制)の場合、生活が不安定になりやすいこともあげられます。生活するのが大変なくらい、安い時給のところもあります。そのためいくつかの仕事を掛け持ちしたり、何十時間も授業したりして、体を壊してしまう人もいます。また、健康保険に加入していなければ、もし病院に行くことになったら、高くついてしまいます。

しかし、台湾での生活はなかなか面白いものです。ただ海外で働くことは、そういう危険性もあるということだけは分かっていただきたいと思います。いいところだけを見ていて、現実は違った・・・なんてことになった時、その国に、また日本語教師という仕事に対して、悪い印象を持ってしまうかもしれません。それだけは避けてもらいたいと思っています。
最終的に自身の進路は自身が決めるものですが、もしよければ台湾での日本語教師というのも候補の中に入れてもらえればいいかな、と思いますが、後輩の皆さんいかかでしょうか?

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