第5回「個性が輝くひと・まち・文化」コンテスト選考を振りかえって
田端 泰子(京都橘女子大学学長・第5回コンテスト審査委員長)
京都橘女子大学文化政策研究センターによる「個性が輝くひと・まち・文化」コンテストも、おかげさまを持ちまして回を重ね、今回第5回目を迎えることができました。全国から、高校生を中心に、大学生や社会人も含めて、15〜19才の方々(高校生世代)から、両部門を併せて合計で201件の創作作品を寄せていただきました。応募いただきました方々、仲介の労を執っていただきました先生方にも厚くお礼申し上げます。
一方では平等な社会を築くためや弱者の権利の確立のために、きわめて理念的な問題からの提案、他方では生活の次元から我が町の現状をとらえ将来への展望を提言しているものなど、様々な立場からの各種の次元での記述の広がりが今回の特徴でした。イラストレーションでも、鉛筆(単色)のものから色彩溢れるものまで、写真のように克明なものから高度に抽象的なものまでありました。時間をかけて、丁寧に創作した努力の跡が見られるものが、やや少ないようにも思いました。
若い皆さんの感性から発せられた作品は、日頃見慣れている、当たり前のこと、普通のこととして見過ごしたり、気にも留めなかったようなことに、改めて注意を引き、関心を高めるきっかけを与えてくれるとともに、こういう風に表現できるのか、思いを伝えることができるのか、と忘れかけていたようなみずみずしい気持と熱意を呼び起こしてくれました。これらの作品が、本学の教育や研究の発展にとっても大きな財産になるものと、深く確信しております。
本学に文化政策学部が開設された2001年に、文化芸術振興基本法が制定され、その後活発に文化政策の展開が図られています。文化に関する社会の関心も、自分らしさ、個性の発揮、生きがいの充実に始まって、地域の個性化、文化によるまちづくりなどへと、大きく広がり始めています。こうした背景の中で、将来を担う高校生世代を中心に、さらには中学生世代をも視野に入れて、文化へのまなざし、文化の視点を根付かせようとする本コンテストが、「文化力」を担う役割の一環を果たすことができれば幸いであると考えています。 |