| 開催にあたって
金銭的な価値の偏重−これが、現代の最大の病です。
しかし、バブル崩壊以降、激変が起こっています。とくに、阪神大震災は、ボランティアとNPOを、現代社会の合い言葉とし、また、構造不況下で、文化や環境の要因が企業活動に大きな影響を与えています。いま、世界や日本では、創造都市の建設、文化によるまちづくり、企業文化の発展など、文化をキーワードとした営みが、注目されています。
さらに、芸術的なデザイン、生活の質の実現、個性、創造性、環境の重視など、多様な文化的要素なしには、財やサービス供給のシステムは意味をなさず、企業や自治体、教育組織、大学も生き残れない時代が到来しました。
ここで、各地のコミュニティや企業組織をめぐって、多様な文化と創造の営みをサポートしあう市民やNPOが登場し、地域における大学の重要性もかつてなく高まり、その教育力、研究力は、革新的企業、創造的公共政策などを生み出す鍵となりました。
これらの多様な主体の合意と協力によって、文化と創造の社会的環境をつくりだす政策−この新たな政策こそが「文化政策」であると、私たちは考えてきました。
文化政策は、この社会的合意を基礎に、新たな技術や国際関係を踏まえた空間設計を提案します。この設計と実行によって、社会の人々は、自己の人生の質を高めようとする情熱を呼び覚まされ、地域の固有性を活かして、かけがえのない産業や技術や芸術を興すでしょう。そして、その成果を基礎に世界の人々と交流します。
いま、日本の各地で、活躍する文化政策を積極的に担う人々から何を学び、研究し、教育に活かして行くかが最大の課題となっています。京都橘女子大学「文化政策研究センター」が集約した、これらの人々の生き方を中心に、これからの文化政策の研究と教育のありかたを提起し、企業や市民社会の実態との関係を踏まえつつ、展望を模索しようではありませんか。 |