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研究/産学公地域連携

特別増刊号
「ハンガリーの女性問題専門家グループによる訪問記」

鎌田明子/京都橘女子大学教授

 ハンガリーの社会学者、法律家、NGO活動家、ジャーナリストなどの女性問題の専門家9名(代表:レーバイ・カタリン・バージニア氏/エルテ大学教授)が、京都橘女子大学女性歴史文化研究所を訪問した。この訪問は、平成12年度の国際交流基金による文化交流強化事業(草の根交流)による招聘事業によるもので、関東では城西国際大学と横浜市女性協会など、関西では当大学が選ばれた。日本側の女性問題研究者や団体との意見交換や現場視察によって、双方の相互理解ができるとともに将来の発展に寄与したいというこの事業目的は、当研究所でもたれた有意義な交流で十分に達せられたと思う。
 当研究所は新しい建物への移転最中でまだ環境は整っていなかったが、昨年12月に行われた、当研究所開設8周年記念シンポジュウム「おんなの身体と装飾――近代中国と日本」に使用された絵や画像パネルや、CD−ROMなどのヴィジュアルな参考資料を活用しての、小野和子所長による説明は大変興味深いものになったようだ。

 質問は、研究所の運営機構と方法についてから始められたが、なかでも、研究所が1994年度から1996年度にかけて枚方市から委託を受けておこなった聞き取り調査とその出版事業『伝えたい想い−枚方の女性史』に大きな関心が寄せられ、調査人員や資金などの運営体制に関する質問が多く出た。わたしはそこに、「埋もれたままの女の歴史」を草の根から掘り起こす活動への熱意を感じとった。
 図書館では、「女性学コーナー」の書籍閲覧とともに、幸いなことに江戸時代の「草双紙」が購入されていたので、それらを見てもらった。これは、女性の生活などをつまびらかに描いた色鮮やかな版画が数多く掲載されており、文字が読めなくても楽しく理解できるものである。江戸時代の寺子屋での男女共学について知りたいという要望があがり、急遽、日本史の横田冬彦教授による説明も行われた。

 ハンガリーからの参加者の主目的は、広くは日本の女性学関連の歴史と具体的な活動内容などを知ることであった。わたしたちは、戦後の女性をめぐる社会的背景や女性学の流れにあって、京都橘女子大学が開学以来「女性の自立」をモットーとした教育をめざしてきたからこそ、「女性歴史文化研究所」設立という実りの場をえて、現在のさまざまな特色ある研究活動ができることなどを話した。このように研究所の具体的な活動を知ってもらうことにより、ハンガリーでの女性学の振興と、研究所設立などの社会的活動を促進する一助になればと思った。ハンガリーの歴史と女性について知りたかったが、半日の訪問時間はあまりにも短く、今後の交流に期待することにした。