近年、さまざまな危機を迅速かつ柔軟に乗り越え、より強靭になっていく都市(レジリエント・シティ)に注目が集まっています。超高齢社会に直面し、人口減少社会に突入した今日のわが国では、コミュニティの希薄化・衰退により住民の孤立が進み、災害に脆弱な地域を生み出しています。特に、広範な通勤・通学圏を含む京都都市圏(京都市へ一定割合以上の通勤・通学者がいる自治体を含む圏域)のベッドタウンでは、通勤・通学による自治体間の人口移動が著しいだけでなく、新人口のめまぐるしい流出入によるコミュニティの希薄化・高齢化とともに、過去の無計画な都市開発による空き家や空き店舗の増加が課題となってきています。
そこで、総合研究センターでは、京都都市圏における自治体の枠を越えた地域連携の実績をもとに、これらの課題を克服して、しなやかで粘り強さをもつレジリエンスな社会※を創造するため、2018年、「レジリエンス・プロジェクト」を立ち上げました。
地域住民一人ひとりの自立と、自立した住民が支えあう共生が両立する新しいスキームを構築することで、広く社会に貢献することを目指しています。
※レジリエンスな社会:
自然災害などの外的ショック、人口減少や地域コミュニティの希薄化のような忍び寄る内的ストレスに耐え、可能な限り早急に復旧し、強靭になっていく社会
プロジェクト名 | プロジェクトリーダー |
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レジリエンス・プロジェクト 「レジリエンスな社会を創造する学際的研究拠点 ―京都都市圏におけるしなやかで強靭なコミュニティの構築―」 |
統括 :阪本 崇/総合研究センター長・経済学科教授 副統括:平尾 毅 /経営学科教授 |
レジリエンス・プロジェクトでは、以下の2テーマ・4研究と、その地域実践から得られる「臨床の知」のフィードバックを通じて「レジリエンスな社会を創造する学際的研究拠点」を形成します。
これらの研究は、京都市が推進するレジリエント・シティや関連自治体と連携しながら、京都都市圏における健康・環境・まちづくり・防災といった多様な領域にまたがる課題を、地域の皆様とともに「自立」と「共生」のアプローチを通して克服・適応することで、サスティナブルな社会の創造に貢献することを目指します。
(50音順・敬称略)
※は、各テーマ研究代表者
プロジェクト①「生活環境の多様性を配慮した子育て支援システム研究」 | |
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看護学科 | 上澤 悦子、川野 友花、川村 晃右、神崎 光子、清水 彩、※テーマ①常田 裕子、十倉 絵美、前田 恵、松本 賢哉、松葉 綾乃 |
心理学科 | ※テーマ②大久保 千惠 |
理学療法学科 | ※テーマ③安彦 鉄平、甲斐 義浩、木村 智子、合田 明生、宮﨑 純弥、宮地 諒、村田 伸、横山 茂樹 |
臨床検査学科 | 内堀 恵美、米田 孝司 |
学外研究者 | 岩瀬 弘明(神戸国際大学)、工藤 里香(富山県立大学)、谷口 光代(博士後期課程)、野中 紘士(奈良学園大学)、宗 由里子(音羽病院) |
プロジェクト②「客観的指標に基づいた健康寿命延伸研究」 | |
看護学科 | 伊藤 弘子、川村 晃右、竹中 友希、十倉 絵美、堀 妙子、※テーマ⑦松本 賢哉 |
理学療法学科 | ※テーマ⑤安彦 鉄平、白岩 加代子、堀江 淳、宮﨑 純弥、宮地 諒、村田 伸、横山 茂樹 |
臨床検査学科 | 池田 哲也、内堀 恵美、岡田 光貴、竹下 仁、※テーマ⑥米田 孝司 |
学外研究者 | 岩瀬 弘明(神戸国際大学)、植松 寿志(東京都リハビリテーション病院)、島村 亮太(東京都リハビリテーション病院) |
プロジェクト③「地域性を考慮したコモンスペース活用研究」 | |
児童教育学科 | 口野 隆史、森 枝美 |
経済学科 | ※テーマ⑨阪本 崇 |
経営学科 | ※テーマ⑧大田 雅之、平尾 毅 |
情報工学科 | 片岡 裕介、杉浦 昌 |
心理学科 | 石山 裕菜、※テーマ④大久保 千惠 |
学外研究者 | 小辻 寿規(立命館大学) |
プロジェクト④「地域社会のレジリエンスを高める地域防災・減災研究」 | |
看護学科 | 河原 宣子、黒瀧 安紀子、野島 敬祐、松本 賢哉 |
救急救命学科 | 北小屋 裕、久保山 一敏、黒崎 久則、※テーマ⑩関根 和弘、福岡 範恭 |
学外研究者 | 北村 大樹(鯖江丹生消防組合)、窪田 直美(丹南病院) |
レジリエンス・プロジェクトは、自治体(京都市、大津市、草津市、野洲市、守山市など)や、地域包括支援センター、社会福祉協議会、教育委員会、小学校、児童館、放課後等児童デイサービスセンター、青少年活動センター、自治会、企業、医療機関、NPOなどと連携・協力しながら、研究活動を進めています。