バッテリレスでメンテナンスフリーなIoTデバイスの普及
情報・通信
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2024-17
東野 輝夫 教授
バッテリレスでメンテナンスフリーなIoTデバイスの普及
工学部情報工学科
■研究業績等
【著書】
・著書(翻訳)『AndrewS.TanenbaumandWetherallDavid著『コンピュータネットワーク』第5版』日経BP社(共著):2013/09
・著書『AutomatedTechnologyforVerificationandAnalysis(検証と分析のための自動化技法)』(共著):2007/10
・著書(翻訳)『HarryD.Foster,AdamC.KrolnikandDavidJ.Lacey著『アサーションベース設計』原書2版』丸善出版(共著):2004/09
【論文】
・学術論文「LTE-LAAcellselectionthroughoperatordatalearningandnumerosityreduction」PervasiveandMobileComputingelsevier83(101586):1-18(共著):2022/07
・学術論文「ContextRecognitionbyWirelessSensing:AComprehensiveSurvey」JournalofInformationProcessingInformationProcessingSocietyofJapan29:46-57(共著):2021/01
・学術論文「ApplicationofIEEE802.11ac/nLinkThroughputEstimationModelinHoldingAccess-PointAssignmentAlgorithmforWirelessLocal-AreaNetwork」JournalofCommunications15(1):81-87(共著):2020/01
【学会発表】
・Combiningathermalcameraandawristbandsensorforthermalcomfortestimation(熱快適性推定のためのサーマルカメラとリストバンドセンサーの組み合わせ)(査読付)
(Proceedingsofthe2019ACMInternationalJointConferenceonPervasiveandUbiquitousComputing,UbiCompAdjuct):2019/09
・Occlusion-basedtrajectoryestimationforpedestriansusingLiDARsensors(Proceedingsofthe10thInternationalConferenceonIndoorPositioningandIndoorNavigation(IPIN2019)):2019/09
・AutomaticLocalizationofPassiveInfra-RedBinarySensorsinHome:fromDensetoScatteredNetwork(家庭でのパッシブ赤外線バイナリセンサーの自動位置推定:密なネットワークから疎なネットワークへ)(査読付)(ProceedingsoftheThe17thIEEEInternationalConferenceonPervasiveIntelligenceandComputing(PICom2019)):2019/08
近年IoTや無線通信、AI・ビッグデータを活用した「超スマート社会」の実現を目指した様々な研究開発が進められています。IoTの活用には、バッテリレスでメンテナンスフリーなIoTデバイス(以下、「受動型IoTデバイス」と呼ぶ)の普及が重要です。一般にIoTデバイスにおけるセンシング、計算、通信の処理の中で通信に要する電力が非常に高く(センシングは数十μWオーダ、無線通信は数mW~数百mWオーダの電力を消費する)、IoTデバイスのインターネット接続のキーとなる技術は超低消費電力の通信方式の普及です。近年、数Mbpsで数十メートルの距離で送受信可能なWi-Fiベースのバックスキャッター通信技術(十μW程度の消費電力)や、数メートルの距離からデータの送受信が可能なRFID通信技術が開発されつつあります。
本研究では、環境に存在する電波を利用して起電・通信が可能なWiFiやRFIDベースのバックスキャッター通信技術をベースに、ヒトやモノの状況認識に適用可能なバッテリレスの受動型IoTセンシングデバイスを作製し、それらの受動型IoTデバイス網を用いた状況認識システムの設計開発支援環境を開発することを目指しています。
バックスキャッター通信は、既存のWiFiなどの搬送波に対して、バックスキャッターデバイス上で搬送波を周波数⊿fで反射・吸収させ変調をかけることで、0/1のビットを送る無線通信方式です。
本研究ではそのためのバックスキャッターデバイスを開発すると共に、バックスキャッター通信で得られた情報を既存IEEE802.11互換フレームとして送受信可能なソフトウェア無線機(通常のWiFiとバックスキャッター通信を仲介する無線アクセスポイント)を開発しています。
さらに、2本のアンテナで同じ信号を受信することで位相差が取得可能になり、バックスキャッターデバイスの相対的な動きがリアルタイムに分かるようになっています。また、通信パケット全体の生信号を取得することができるため、位相を用いた高精度な測距が実現可能です。従って、開発したソフトウェア無線機を対象領域に複数設置し、バックスキャッターデバイスまでの距離を推定することで、デバイスの位置を高精度に判定できるようになっています。
IoT、状況認識技術、センシング、エナジーハーベスト、無線通信
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