学びを支える「組織」と「人」を創出する

人文・歴史・教育 ---------------------------- 2024-82 多田 泰紘 准教授 学びを支える「組織」と「人」を創出する 経営学部経営学科 ■ 研究業績等 【著書】 ・著書『大学におけるライティング支援 : どのように〈書く力〉を伸ばすか』東信堂 (共著):2019/03 【論文】 ・学術論文「ライティングセンターと教員の連携がプロセスに沿った継続的なライティング学習に与える効果」大学教育学会誌 40(2):46-53 (共著):2019/01 ・学術論文「ライティングセンターに蓄積された相談カルテの分析と共有が学習支援へ与える効果ー初年次学生の個別相談の傾向と学生個々の状況の把握ー」初年次教育学会誌12(1):42-50 (共著):2020/03 ・学術論文「The E.ects of Using E-portfolio Data at KansaiUniversity Writing Center」2018 International Symposium on Educational Technology 188-190 (共著):2018/07  現在は、全国の大学定員総数が入学希望者数を上回る「大学全入時代」です。このような状況のなか、多様な学習目的と学力を持った学生が大学へ入学し、大学に求められる役割も、一方向的な教育から学生主体の学習の場となっています。 大学のカリキュラムに、グループワークや口頭発表、問題解決型学習といった授業が多く取り入れられています。しかしながら、学問的な思考や判断、表現能力やグループ活動は、授業内で解決するものではありません。授業外でレポートを書く、プレゼンの準備をする、グループで議論するといった活動を通して養われます。 このようなカリキュラムと連動しながら、授業外で行われる学習を支援するのが、学習支援の役割になります。具体的には、コモンズ等の学習空間の管理・運営や個別学習指導、授業連携講座の実施があります。 これら学習支援組織を構築し、その効果を検証することが私の研究テーマです。さらに研究で得られた知見を、学習支援の改善につなげることを目指しています。  これまで私は、学習支援の現場に参加し、レポート作成やプレゼン発表等の個別学習指導や授業連 携講座を行ってきました。そこで得られた利用データやアンケート結果をもとに、学習支援の効果を 分析、検証する方法が私の主たる研究アプローチになります。また、レポートやプレゼンといった質 的なパフォーマンスを評価する指標としてルーブリックの開発、運用も行っています。 これまでの研究として、スポーツ推薦型入試で入学した初年次学生の授業外レポート作成講座と個別学習指導の効果を検証しました。その結果、授業外講座だけでも効果があるものの、個別学習指導により文章作成能力がより向上することが確認されています。現在は、指導方法の違い(対面・遠隔)や、過年度の学習支援がその後の学習へどのような影響を与えているか、調査・分析を進めています。 ・カリキュラムと連携した学習指導や連携講座の企画・運営を行っています。 ・ルーブリックの開発、導入に関する講演・研修を行っています。 高等教育、学習支援、アカデミック・ライティング