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過去の講座(オンデマンド配信)

第2期(2023年度後期)

テーマ

自分をひらくケア――「つながる」ことへのレッスン

身はひとつ、1日は24時間なのに、情報量は激増の一途をたどっています。コスパ、タイパを意識し、効率を重視したくなるのも当然です。仕事も家事もスピーディにこなし、余暇も娯楽もコンパクトに! 人づきあいも恋愛も、ムダをしているヒマはない!

その一方で、「ネガティブ・ケイパビリティ(消極的な受容力)」――すぐに答えが見つからなくても、拙速な結論や解決法には飛びつかず、急がず焦らず、問いをかかえた状態で持ちこたえる力や態度が注目されます。

目まぐるしく変化する現代社会だからこそ、「人の話をじっくり聞く」「立ち止まって自分に問いかけ、借りものでない自分の言葉で考える」「性急な答えを求めない」――そんな時間を大切にするのがUkonです。「ゆるやかなつながりを取り戻す」「変化を楽しむ学びの場」――それが、Ukonのめざすところです。

学頭の一言

人生の岐路に立った時、自分の〝弱さ〟を思い知らされた時、大切な人やかけがえのない何かをうしなった時、ひとの力になりたいと願う時……めぐり合わせで出会った誰かのひと言に、思いがけない気づきやヒント、勇気を与えられることがしばしばあります。

未来に向かって「生きる」をもっと深く味わいませんか? それがUkonのテーマです。

授業一覧全8回

  • 第1回

    2023114日(土) 実施

    コロン えりか(ソプラノ歌手/ホワイトハンドコーラスNIPPON芸術監督) 「ホワイトハンドコーラス――音楽でつなぐインクルーシブな未来」

    阪神大震災で被災し、音楽に救われたことから音楽の道を目指したコロンさん。大学時代、ろう学校での教育実習の場で得た「聞こえない人と音楽を楽しむ方法はないか」という問いから、「エル・システマ」という音楽教育プログラムに出会います。コロンさんが注目するのは、「置かれた環境や身体的特徴に関係なく、人と人が対等に関わり合える手段」としての側面。そこには、すべての人がケアし合える社会のヒントが見えてきます。

  • 第2回

    20231117日(金) 実施

    柳瀬 博一(東京工業大学リベラルアーツ研究教育院教授) 「エンゼルケアに学ぶ――コロナ下で父を弔う」

    人類が文明化するにつれ外部化してきた、医療や介護、福祉などのケア。コロナ禍で父を亡くした柳瀬さんは、納棺師さんの誘いから、亡くなった人に対して行う「エンゼルケア」を自ら手伝うことに。それは、遺体に「さわる」のではなく、コミュニケーションの手段として「ふれる」ことで心を込めて見送ることができる体験だと言います。誰もがいつか当事者になるそのとき、何ができるのか? 貴重な体験をシェアしていただきます。

  • 第3回

    2023121日(金)19:00-20:30 実施

    元村 有希子(毎日新聞社 論説委員) 「脳とこころに効く科学」

    気候変動、天然資源危機、脱炭素。現代を生きる私たちが直面するさまざまな課題を、科学は解決できるのか? 科学ジャーナリストの元村さんは、その問いの鍵になるのが「科学におけるケアの倫理」だと考えています。オーバースペックにNOと言い、特定の誰かの利益でなく、みんなで分かち合えるものを! 実は一般生活者の私たちも、科学・技術の主たるスポンサーとして影響を及ぼすことのできる存在です。

  • 第4回

    20231215日(金) 実施

    荻田 泰永(北極冒険家) 「極地冒険家の帰還――いま、子どもたちに」

    大学時代に芽生えた「一つのことに打算のないエネルギーを注ぎたい」という想いから、北極探検家として活動をはじめた荻田さん。「なぜそんな危険なことを?」と思ってしまう私たちに、冒険に必要で、醍醐味でもあるのは、「主体性」だと言います。そしてそれは意外にも、「読書」にも共通しているそうです。どういうことなのでしょうか?質疑応答に至るまで、学校では教えてくれない、育児のための教育論もつまっています!

  • 第5回

    2024112日(金) 実施

    安田 菜津紀(認定NPO法人Dialogue for People副代表/フォトジャーナリスト) 「ルーツをめぐる旅で見えたこと――在日コリアンの歴史から次世代へ」

    災害や紛争などの問題が起きている場所へ足を運び、写真によって実情を伝えている認定NPO法人Dialogue for Peopleの副代表でフォトジャーナリストの安田さん。戦争や差別など、世界中で起きている「断絶」から目を逸らしません。その強さを支えるのが、「人は断絶を超えて連帯ができる」という強い思い。自身の出自を知る過程からも改めて感じた、マイノリティーの人たちの声を次世代に渡すということの大切さについて伺います。足元の問題に、私たちが今、できることとは?

  • 第6回

    2024126日(金) 実施

    御代田 太一(文筆家/元救護施設生活支援員) 「よるべなき人たちとともに――救護施設での3年間」

    大学在学時にマイノリティの方たちの生き方に触れ、その可能性・底知れなさに衝撃を受けた御代田さん。家なし・職なし・身寄りなしの方を支援する救護施設で働くことを決めました。しかし、「もっと声が聞きたい」と飛び込んだ現場では、実務に追われる日々。理想との乖離に悩む中で出会ったのが、利用者に来し方をじっくり聞く「聞き書き」という手法。支援者から人生の後輩という立場に逆転して見出した、御代田さんの“ケア”とは?

  • 第7回

    202429日(金) 実施

    牟田 都子(校正者) 「文章に向き合い、耳をすます――校正者という仕事」

    ゲラ(校正刷り)に目を通し、間違っている箇所を正す。そんなイメージのある校正という仕事。しかし、それだけではない面に心を砕き続けるのが牟田さんです。「経験を積むほどに時間がかかるようになり、難しさを感じる」というその理由は、そこに書きたかったであろう著者の想いや表現を、漏らすことなくすくいあげるためです。本講義のための課題文を例に、校正のめざすところを伺いました。目の前の文章だけにとどまらず、ケアについて考える授業。

  • 第8回

    2024224日(土) 実施

    ピーター・J・マクミラン(翻訳家/詩人) 「いま、なぜ『万葉集』全英訳か?」

    時の天皇から市井の人までが詠んだ、約4500首の歌を収めた万葉集。10年をかけて全英訳に取り組みはじめたピーターさんは、「世界に誇るべき高水準の文学作品」だと言います。日本の精神性や言霊(ことだま)的世界観が読み取れる一方で、太平洋戦争当時、その詩句が国民の戦意高揚のために歪められ利用された経緯もあります。そんな壁を乗り越えても、世界中の人の“心”に届けたいと願うピーターさんに、万葉集の魅力を熱く語っていただきます。

概要・申し込み

「たちばな教養学校 Ukon」は、京都橘大学が2023年度からつくるあたらしい学びの場(学校教育法第107条に定める公開講座)です。半年ごとにテーマを定め、多彩な講師陣による全8回の授業を実施します。受講資格は特にありません。学ぼう、楽しもうという意欲があれば、どなたでも受講できます。

テーマ 自分をひらくケア――「つながる」ことへのレッスン
受講形態 2023年11月~2024年2月に実施した第2期授業をオンデマンド配信でご覧いただけます。
配信期間 お申し込み後~2024年10月31日(木)
※お申し込み後、すぐに授業をご覧いただけます。
受講料
  • 全8回一括申し込み10,000円/8回
  • 各回申し込み1,500円/1回
受講対象 学ぶ意欲のある方なら、どなたでも受講いただけます。
講師 授業一覧」からご確認ください。
申込方法 いずれも、申し込みボタンからお申込みください。
一括申込特典 「全8回一括申し込み」でお申し込みいただいた方のうち、ご希望の方に第2期授業をまとめた「Ukonノート」をプレゼントします!
定員 最大500名
その他 第2期対面授業に一括お申し込みいただいた方は、無料で視聴いただけます。

お問い合わせ先

たちばな教養学校 Ukon 事務局(京都橘大学 生涯教育・通信教育課)

〒607-8175 京都市山科区大宅山田町34
TEL: 075-574-4335 
e-mail:ukon@tachibana-u.ac.jp

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