本学取組が文部科学省の2009年度「大学教育・学生支援推進事業【テーマA】」に選定
文部科学省が募集した2009(平成21)年度「大学教育・学生支援推進事業」において、本学の取組「オリターが養成する学習コミュニティの形成」が、「【テーマA】大学教育推進プログラム」に選定されました。7月に発表された「【テーマB】学生支援推進プログラム」の本学取組「教職父母連携で学生の“個”を徹底的に支援する相談体制の充実」の選定に続き、本学は両テーマでの選定を受けました。
文部科学省の「大学教育・学生支援推進事業」は、各大学・短期大学・高等専門学校から申請された、各大学等における学士力の確保や教育力向上のための取組の中から、達成目標を明確にした効果が見込まれる取組を選定し、広く社会に情報提供するとともに、重点的な財政支援を行うことにより、我が国の高等教育の質保証の強化に資することを目的として、本年度から3年間で実施されるものです。「【テーマA】大学教育推進プログラム」と「【テーマB】学生支援推進プログラム」の2つのプログラムがあります。
今回選定された本学取組の概要は、以下の表のとおり。
取組名称 |
オリターが養成する学習コミュニティの形成 |
取組期間 |
2009(平成21)年度〜2011(平成23)年度 〈2009年度は文学部、2010年度からは文学部と人間発達学部で実施〉 |
取組概要 |
【取組の目的】 本取組の目的は、「コミュニケーション力」を基礎に、学生の受動性を能動性に転換するための〈仕掛け〉を意識的に作ることにある。大学教育には、学生を、高校までの教育における、所与の〈知〉を教えられ、受容する側から、社会人として、自らが新たな〈知〉を生産し、発信する側へと転換させることが求められている。そのような能動性への転換こそが、「中央教育審議会答申」にいう「学士力」の形成、特に問題解決能力・課題探求能力・創造的思考力などの中心課題であり、FD活動の鍵であると考える。
【取組の計画】 本取組は、上記の目的達成のために、各学科の取組を縦系列に、学部共通の取組を横系列にした教育課程の体系化をはかり、特に以下の3点を重視する。
1)学生自身が教える側になる上回生「オリター*」の系統的な育成。
2)学生が相互に学び合い、論議しあう「学習コミュニティ」の形成。
3)「オリター」自身もより高い能動性を獲得していくサイクルの構築。
【期待される取組の成果】 学生自身が下回生に対して教える側に立つ、上回生「オリター」の養成が鍵となる。現在、新入生キャンプの「オリター」経験者は各学年学生の10%余であるが、様々な取組により教える側に立つ学生の比率を30%に上げることを成果達成の一つの指標としたい。学生の3人に1人がそうした能動性を身につけると、ゼミのみならず、文学部全体の教育と学生の雰囲気は質的に変化すると考えられるからである。
*「オリター」とは、「自らが学んできた経験をふまえて、自らも試行錯誤しつつ、他者にその経験を伝え、あらたな学問や経験への入門の導きをする、手助けをする役割」といった意味である。 |
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