文化芸術による教育支援・地域創生

法・社会・社会福祉 ---------------------------- 2023-75 木下 達文 教授 文化芸術による教育支援・地域創生 経営学部経営学科 ■研究業績等 【著書】 ・著書『『現代博物館学入門』「博物館経営論」の項担当』株式会社ミネルヴァ書房(共著):2019/04 ・著書『『博物館学史研究事典』』株式会社雄山閣(共著):2017/12 ・著書『ミュージアム・マネージメント学事典「ミュージアム・ボランティア」の項担当』株式会社学文社(共著):2015/06 【論文】 ・学術論文「『文化面から捉えた東日本大震災の教訓』について」京都橘大学文化政策学研究科研究論集第10号:1-21(単独):2016/03 ・学術論文「自治体・地域住民と大学との連携事業の可能性について」大学創造高等教育研究会(第30号):74(単著):2015/05 ・学術論文「『方丈記』と『陰翳礼賛』から読み解く東日本大震災の教訓」京都橘大学文化政策学研究科研究論集京都橘大学(第9号):1(単著):2015/03 【学会発表】 ・「目に見えない展示を考える-オリジナル・ディフューザーの開発と香りの展示-」(日本展示学会第37回研究大会):2018/07/01 ・「企業と大学が連携した商品開発-オリジナルアイスクリームの研究開発を例に-」(産業・組織心理学会、第127回部門別研究会―消費者行動部門―「産学連携に基づく消費者行動研究-大学教育への活用事例の紹介-」):2017/12/09 ・「まちを結ぶ灯りの展示-やましな駅前陶灯路(とうとうろ)事業について-」(日本展示学会第36回研究大会):2017/06/18 かつて総合的学習の時間という教育モデルが提起され、その後「ゆとり教育」の名の下に全国的には収束していましたが、滋賀県の文教事業においてはとくに文化施設同士が連携し、それらがもつ多様な資源を学校教育等に活かすプログラム開発が発展しました。滋賀次世代文化芸術センター※という中間支援組織が中心となり、施設と学校等を仲介する仕組み(連携授業滋賀モデル)を構築し、これまで子どもの感性を引き出し、生きる力を醸成する数多くの成果を出すに至っています。近年では一般の学校だけでなく、大津いじめ事件を契機とした県との共同事業である不登校児童学校の支援を行う事業「美ココロ・プログラム」での成果を出しているほか、東日本大震災における文化・芸術資源を応用した被災地支援事業(福島県いわき市)、音楽という芸術資源を応用した文化によるまちづくり支援事業(滋賀県守山市)にまでその応用範囲を広げています。 ※当該教員が理事を務めている 近年、文化施設における経営問題は深刻化しており、新たな仕組みを構築することが急務となっています。一方で、子どもの教育環境についても課題が多く、滋賀県では不登校児童が増え続けている状況です。また、少子高齢化や産業空洞化、災害等により国内の地域環境はますます衰退する危険性があります。本モデルは、国内においては先進的取組で滋賀県内の文化施設のもつ資源を有効活用し、主として学校教育の正規授業に組み込んだ形で、しかも県の事業という形をとり、中間支援組織を媒体としながら機能させています。「連携授業」は、国内では他に例のない事業実践であり、すでに19年の実績を有しています。最近では、「大津いじめ事件」から始まった不登校児童対策事業においても成果を上げつつあり、本研究・実践の成果が新たな文化・教育政策あるいは地域振興等に少なからず寄与できると考えます。 文化施設、文化資源、アート、地域振興、地域創生、連携授業、教育支援、災害支援