市民と自治体の保全の意思に基づいて可能となる住環境の保全策

法・社会・社会福祉 ---------------------------- 2023-80 山岸 達矢 准教授 市民と自治体の保全の意思に基づいて可能となる住環境の保全策 経済学部経済学科 ■研究業績等 【著書】 ・著書『都市・地域政策研究の現在』地域開発研究所(共著):2019 ・著書『住環境保全の公共政策―都市景観とまちづくり条例の観点から―』法政大学出版局(単著):2016 ・著書『環境総合年表―日本と世界―』すいれん舎(共著):2010 【論文】 ・学術論文「地域自立の社会学「地方創生」時代の地域の持続可能性」地域社会学会年報32(共著):2020 ・学術論文「まちづくり条例の協議手続きに基づく都市景観の保全策」法政大学大学院(単著):2015 ・学術論文「エネルギー政策の転換と夜の都市景観形成」『地域開発』(単著):2011 【学会発表】 ・都市空間形成の公共性を支える事業性―再開発の論理とリノベーションの論理―(共同発表者:矢部拓也)(地域社会学会):2019 ・まちづくり事業の実践と地域社会学の接点―第1回研究例会・名古屋市長者町での事例を受けて―(地域社会学会):2018 ・住み心地のよい住環境の形成に向けて(大阪大学エリアマネジメント研究会):2018 まちづくり条例が備える協議手続きは、開発計画が判明する前後を対象としているため、地域住民の問題意識を持ちやすい時期と重なります。そのため、通常の日常生活の中では困難であったとしても、地域の景観保全や住環境保全に関する地域住民による話し合いが促されやすくなります。また、地権者にとっても開発計画を大幅に変更可能な時期に、地域の住環境を模索する機会を条例に規定することが可能です。この協議手続きによって、土地の売買の直前から売主と買主を交えて、地域に調和した開発計画を促す機会を条例に定めることが可能になります。今後は、協議手続きでの協議結果を一過性の出来事として完了するのではなく、将来の地域の住環境の保全策に繋げることが重要になります。条例を制定したことに満足することなく、また運用過程で手続きを形骸化させずに、条例を活用した積極的な住環境の保全策が求められています。 このテーマに関する研究成果は、著書にまとめました。そのため、詳細については、拙著の『住環境保全の公共政策―都市景観とまちづくり条例の観点から―』を参照して下さい。事例として国立市、狛江市、逗子市、国分寺市での紛争事例とまちづくり条例の運用状況を分析し考察しています。 まちづくり条例、協議手続き、住環境 景観、地区計画