社会で発生したあらゆる事象の自動検出に向けて
情報・通信
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2024-09
加藤 諒 専任講師
社会で発生したあらゆる事象の自動検出に向けて
工学部情報工学科
■研究業績等
【著書】
・著書『C言語教科書―「言語仕様」から「データ構造」「アルゴリズム」の実装まで』工学社(共著):2013
【論文】
・学術論文「SLAM技術を用いた3次元GISデータのマーカレスAR表現に関する研究」土木学会論文集F3(土木情報学)土木学会78(2):I_1-I_9(共著):2022/03
・学術論文「災害状況把握としてのソーシャルメディアの活用可能性の検討」京都橘大学研究紀要京都橘大学研究紀要編集委員会(48):133-136(単著):2022/02
・学術論文「UAV空撮画像におけるピンボケ画像の自動抽出に関する研究」土木学会論文集F3(土木情報学)土木学会75(2):I_106-I_113(共著):2020/04
【学会発表】
・SLAMを用いた3次元GISデータのAR表現に関する研究(第46回土木情報学シンポジウム):2021/09
・2D/3Dハイブリッド型オブジェクト輪郭線抽出に関する研究開発(第44回土木情報学シンポジウム):2019/09
・UAV撮影の特性を用いたピンボケ画像の抽出に関する研究(第44回土木情報学シンポジウム):2019/09
ソーシャルメディアに投稿されるデータを活用し、社会動向の計測のみならず、大規模災害など多様な現象を計測するソーシャルセンシングが注目されています。ソーシャルセンシングの技術により、素早く社会で発生した事象を検出でき、状況の把握や今後の対応方針の決定に役立てることが可能です。ソーシャルセンシングに関する研究では、即時性と拡散性に優れたマイクロブログを用いて、特定のキーワードの出現数や文脈を解析し、あらゆる事象の発生を検知する手法が提案されています。しかし、キーワードを事前に指定する必要があり、関連性の低い事象を検出できません。
そのため、本研究では、ユーザの習慣行動の変化と反応する属性の特徴に着目し、実世界で発生した事象を検出する新しい手法の実現可能性について検証しました。
本研究では、「平時と異なる行動を起こすユーザ群を特定することで、その異常行動から何らかの大きな社会現象が発生している」という仮説を設定し、マイクロブログへの投稿内容だけでなく、投稿時間帯の特徴も用いてユーザの行動を推定する手法を開発しました。しかし、平時と異なる行動を抽出するだけでは、ミクロな事象の分析が難しいという結果になりました。そこで、性別や年代、職業といったユーザの属性を推定
する手法を開発し、属性ごとの行動の変化を抽出可能にしました。これにより、事象の発生による平時の習慣行動との詳細な変化が取得できるようになりました。今後は、マイクロブログだけでなく、センシング機器から得られたデータも含めて人工知能を用いて変化のパターンを学習し、自動的に社会で発生したあらゆる事象を検出することに取り組みます。
ソーシャルセンシング、マイクロブログ、習慣行動推定、属性推定
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