人間のように自分自身で学習するロボット
情報・通信
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2024-14
西出 俊 准教授
人間のように自分自身で学習するロボット
工学部情報工学科
■研究業績等
【著書】
・著書(翻訳)『ニューラルネットワークとディープラーニング』学術図書出版社(共訳):2022/03
・著書(翻訳)『李德毅、杜鷁著『ArtificialIntelligencewithUncertainty』』エヌ・ティ・エス(共著):2017/04
【論文】
・学術論文「PredictionandGenerationofMultipleComplexDrawingFiguresFromPartialDrawingSequences」2021IEEEInternationalConferenceonHumanoid,Nanotechnology,InformationTechnology,CommunicationandControl,Environment,andManagementIEEE(共著):2021/11
・学術論文「GenerationofMusicalScoresfromChordSequencesUsingNeurodynamicModel」Proc.of2020InternationalConferenceonIndustrial,Engineering&OtherApplicationsofAppliedIntelligentSystemsSpringerLNAI12144:638-648(共著):2020/09
・学術論文「HierarchicalLearningofPrimitivesUsingNeurodynamicModel」Proc.of2020InternationalConferenceonIndustrial,Engineering&OtherApplicationsofAppliedIntelligentSystemsSpringerLNAI12144:722-731(共著):2020/09
【学会発表】
・ロボット教師における特定人物の音声の自動生成(情報処理学会第83回全国大会):2021/03/20
・ロボット教師における特定分野のQAシステムの構築(情報処理学会第83回全国大会):2021/03/19
・Tweet日本語感情コーパスに対するBERTの効果の検証(情報処理学会第83回全国大会):2021/03/18
近年、ロボットや人工知能に関する研究は目覚ましく、様々な事象の予測や行動生成において、人間以上の能力を発揮することが期待されています。その中でも人間の発達過程からロボットの発達機構を構築する認知発達ロボティクスの分野が近年注目されており、ロボット自身が発達的に知識を獲得すると共に、それらの知見をもとに人間を理解することが目標とされています。
以上のような背景を受け、本研究では、人間の乳幼児のように事前知識がほとんどない状態からロボット自身の行動経験や人間とのやり取りを通して知識や意味ある行動を獲得することを目的としています。具体的には、深層学習モデルの一種であるリカレントニューラルネットワークを用いて、ロボットのランダムな行動を学習し、環境内にある物体への働きかけや人間の行動模倣を通じて、物体の行動予測や描画動作を獲得する研究を行っています。
これまでの研究成果例として、ロボットの道具身体化や描画動作の学習について紹介します。
道具身体化とは、持っている道具をあたかも自身の身体が拡張したかのように扱える能力のことをいいます。ロボットの道具身体化では、把持している道具の形状によってロボットの身体モデルを補正し、目標志向動作の生成を行いました。実験の結果、未学習の道具(T字型道具)に対してもある程度の行動予測ができ、対象
物体を引き寄せることに成功しました。
人間の描画発達については多くの知見がありますが、本研究では特にLuquetが提案する5段階の描画発達過程をもとにロボットの学習モデルを構築しています。ロボットは、ランダムな描画動作であるなぐり描きから始め、教示者である人間が描画する動作を模倣することで、直線や曲線の描画方法から正方形や三角形の描画方法を発達的に獲得していきます。
人工知能、深層学習、ロボティクス、リカレントニューラルネットワーク
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