テーブルの全周から観察できる裸眼3Dディスプレイ技術

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情報・通信 ---------------------------- 2024-21 吉田 俊介 教授 テーブルの全周から観察できる裸眼3Dディスプレイ技術 工学部情報工学科 ■研究業績等 【著書】 ・著書『空間立体表示とユーザインタフェース』S&T出版(共著):2019/05 ・著書『空中ディスプレイの開発と応用展開』シーエムシー出版(共著):2018/07 ・著書『Human-Harmonized Information Technology, Volume2(人間に調和した情報技術 第2巻)』Springer(共著):2017/04 【論文】 ・学術論文「ホログラフィック光学素子と複数の小型プロジェクタを用いたAR-3Dディスプレイシステムの実装」映像情報メディア学会誌 映像情報メディア学会 77(4):546-551(共著):2023/07 ・学術論文「Virtual multiplication of light sources for a 360°-viewable tabletop 3D display」Optics Express OSA 28(22):32517-32528(単著):2020/10 ・学術論文「従来の1/12のプロジェクタ台数で構成した360度観察可能な光線像再生式テーブル型3Dディスプレイ」日本バーチャルリアリティ学会論文誌 25(3):284-289(単著):2020/09 【学会発表】 ・写実的な鮭の切り身を表現するシェーダの簡便な実装(情報処理学会第86回全国大会):2024/03/17 ・テーブル型3Dディスプレイにおけるプロジェクタ配列と光線再生像に関する考察(情報処理学会第86回全国大会):2024/03/16 ・ゲーミフィケーションの手法を用いたゴミの分別を促すゴミ箱の設計(情報処理学会第86回全国大会):2024/03/15 【受賞学術賞】 ・日本バーチャルリアリティ学会 日本バーチャルリアリティ学会第23回論文賞:2021/09 ・経済産業省 Innovative Technologies 2016(「fVisiOn:テーブル型メガネなし3Dディスプレイ」単独):2016/10 ・画像電子学会 画像電子技術賞(「メガネなしテーブル型3Dディスプレイ技術 fVisiOn」単独):2016/06 テーブルは普段の作業の場としてよく使われるツールです。そこに、紙の資料などと同様に電子的な3Dモデルが扱えるようになれば、複数人でのコミュニケーションにとってとても有用です。本技術は、普段の生活に現れるテーブルを囲んだ対話や協同作業において、3D情報を「そこにある」かのようにテーブル上に加えることで、ヒトとヒトあるいはヒトとコンピュータが自然にコミュニケーションできる場の創出を目指しています。 「fVisiOn」と名付けたこのテーブル型3Dディスプレイ技術は、一見すると何もないラウンドテーブルの中央に、人数を問わず全周360°から裸眼で観察可能な3D映像を再生するものです。最新の成果では、直径90cm高さ70cmの円卓の形で実装し、高さ5cm程度の3D映像をインタラクティブに操作できる環境を提供できます。着座した状態やその背後に立つ人々が、テーブルの上で動く3Dコンテンツを共有するように観察することができます。 全周型の3Dディスプレイはそこにモノがあるという感覚(実在感)を得やすく、手に取ってみたくなるようなインタラクションの創発が期待できます。他の既存の全周型方式は、ケースの内部に3D映像を再生するものが主流で、手を伸ばしてもケースに邪魔され触れることができません。一方で我々の提案する方式では、何もないテーブル面上にモノが置かれているかのように3D映像を再生するという原理であり、ケースに邪魔されないインタラクション環境が達成できるという利点があります。また、提案手法では多数のプロジェクタを並列に動作させて、フルカラーの動きのある3D映像をインタラクティブに再現することができ、コンテンツをUnityなどの汎用的な3D制作ツールで用意することが可能です。 アミューズメント(カードゲームバトルの現実世界での3D映像化、キャラクタコンテンツの再生)や、ビジネス(テレワークにおける3D映像での情報共有、3Dプリンタに代わる試作検討と議論)の場面での利用が想定されます。 3Dディスプレイ 立体映像 コンピュータグラフィックス VR インタフェース