腰痛に苦しんでいる人を助けたい
健康科学・医療
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2024-33
安彦 鉄平 准教授
腰痛に苦しんでいる人を助けたい
健康科学部理学療法学科
■研究業績等
【著書】
・教科書『臨床評価ガイド』医学書院(共著):2022/01
・著書『歩行獲得に向けた理学療法学的治療アプローチ』医歯薬出版株式会社(共著):2021/10
・著書『イラストでわかる装具療法』医歯薬出版株式会社(共著):2021/09
【論文】
・学術論文「Reliabilityofmusclethicknessandechointensitymeasurementsofthequadriceps:Anoviceexaminer」JBodywMovTher31:164-168(共著):2022/05
・学術論文「Dominanceofattentionfocusanditselectroencephalogramactivityinstandingposturalcontrolinhealthyyoungadults」BrainSciences12(5):538(共著):2022/04
・学術論文「RelationshipBetweenAge-RelatedChangesinSkeletalMuscleMassandPhysicalFunction:ACross-SectionalStudyofanElderlyJapanesePopulation」Cureus14(4):e24260(共著):2022/04
子どもから高齢者まで、腰痛はQOLの低下および医療費増大の原因となり、解決すべき社会問題のひとつとされています。医療が進歩している現在でさえ、腰痛の患者数は減少しておらず、適切な治療方法が確立されていません。そこで、子ども、成人、高齢者に区分し、それぞれの腰痛の原因を調査し、各世代に対する効果的なプログラムの創出を目指しています。
本研究では、成人や高齢者に対しては、身体的および心理的側面を評価し、身体的問題の影響が強い場合のエクササイズの方法(図1)や、心理的問題に影響が強い場合にはPainNeuroscienceEducation(PNE)の実施や腰痛改善予防日誌(図2)を検討しています。また、高齢者においては四肢筋群の加齢性骨格筋量の減少であるサルコペニアに注目し、背筋群に加えて四肢筋群に対するアプローチについても効果検証を行っています。図2
これまでの取り組みの中で、慢性腰痛者にとって一般化されている腰痛体操の効果は少なく、悪影響を及ぼす可能性があることを明らかにしました。また、慢性腰痛者に対して、痛みの生理学的機序や痛みを抑制する脳内のメカニズムを教育するPNEを用いることで、痛みの程度と心理機能が改善することを示しました。今後は、筋電図、超音波画像診断装置および体組成計を用いて体幹筋や四肢筋などの筋を中心とした身体的特徴と心理的特徴の関連性を明らかにし、腰痛の対する効果的な治療方法のエビデンスの確立を目指します。
疼痛学、エクササイズ、骨格筋量、電気生理学
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