慢性疼痛有訴者自らが積極的に参画するマネジメント
リハビリテーション
----------------------------
2024-39
松尾 奈々 専任講師
慢性疼痛有訴者自らが積極的に参画するマネジメント
健康科学部理学療法学科
■研究業績等
【論文】
・学術論文「地域在住の難治性疼痛患者に対する聴覚ニューロフィードバックトレーニングの効果」理学療法科学第30巻(5号):759-764(共著):2015/10
・学術論文「高齢者のための新たな歩行能力評価法の開発-50ⅿ歩行テストの妥当性-」ヘルスプロモーション理学療法研究第4巻(第2号):83-86(共著):2014/07
・学術論文「最大努力下での8の字歩行テストの妥当性と信頼性」ヘルスプロモーション理学療法研究第4巻(第1号):1-6(共著):2014/04
慢性疼痛は治療を要する時間の枠組みを超えて持続する痛みであり、ストレス要因と連動して脳内神経回路のひずみや可塑的変化を引き起こすことが原因とされています。一方で、慢性疼痛に対する治療を受けても満足度が低く、治療を受けた者の半数が治療施設を変更するなど、慢性疼痛有訴者は器質的問題と精神心理的問題の両者を有することが明らかとなっています。このような中、慢性疼痛患者の脳機能に関する研究において、脳波周波数帯域に健常者とは異なる特性があることが報告されており、これらのことから、慢性疼痛には脳機能状態を変容させるような治療が有用であると考えられています。
本研究では、慢性疼痛患者の脳波周波数パターンの解明および聴覚刺激をフィードバック情報とするニューロフィードバックトレーニング実施による慢性疼痛への効果検証を行い、慢性疼痛患者に対する効果的なニューロフィードバックトレーニングの確立を目指しています
これまでの取り組みの中で、『慢性的に繰り返される疼痛への「対処方法の習得」と「自己管理」の指標』を明らかにしました。慢性的に繰り返される疼痛のリハビリテーションの考え方として、患者自身が積極的に実践することが有効とされて
います。
本研究に関し、慢性疼痛患者に対する聴覚ニューロフィードバックトレーニングの効果を研究成果として報告しています。今後は、慢性的に繰り返される疼痛を有する方々に対して脳波周波数のコントロール方法として呼吸法を取り入れた聴覚ニューロフィードバックトレーニング介入を行い、セルフケアを身につけるための「対処方法の習得」と「自己管理」の指標を明らかにし、新たな身体的および精神的症状に対する改善プログラムの創出を目指します。
脳波、ニューロフィードバックトレーニング、聴覚刺激、呼吸法
コメント