脳機能研究を基盤として心と体の健康を探求し、健康寿命延伸の実現を目指す

リハビリテーション ---------------------------- 2024-38 中野 英樹 准教授 脳機能研究を基盤として心と体の健康を探求し、健康寿命延伸の実現を目指す 健康科学部理学療法学科 ■研究業績等 【著書】 ・著書『ApplicationofAttentionFocusinRehabilitationtoPromoteMotorPerformanceandMotorLearning.NeurorehabilitationandPhysicalTherapy』(共著):2022/06 ・著書『ClinicalApplicationofRepetitivePeripheralMagneticStimulationinRehabilitation.NeurorehabilitationandPhysicalTherapy』(共著):2022/06 ・著書『PotentialApplicationsofMotorImageryforImprovingStandingPostureBalanceinRehabilitation.NeurorehabilitationandPhysicalTheraphy』(共著):2022/06 【論文】 ・学術論文「Dominanceofattentionfocusanditselectroencephalogramactivityinstandingposturalcontrolinhealthyyoungadults」BrainSciences12(5):538(共著):2022/04 ・その他論文「脳卒中後の運動機能回復に関わる脳内神経機構とリハビリテーション」理学療法京都(51):36-39(単著):2022/03 ・その他論文「Brain-MachineInterfaceを用いたリハビリテーション治療」PrecisionMedicine5(1):93-95(単著):2022/01 ヒトの脳・体・心には密接な関係性があり、これらのバランスが崩れると日常生活に様々な問題が生じることがわかっています。したがって、ヒトの健康の維持・向上のためには脳・体・心の状態を「見える化」し、トレーニングすることが重要になります。そこで本研究では、脳機能研究を基盤として、ヒトの脳機能を可視化・操作する手法を用いたリハビリテーション評価・治療法の開発を行っています。 具体的には、脳波や経頭蓋磁気刺激、経頭蓋直流電気刺激などの非侵襲脳機能計測・脳刺激法や実験心理学的手法などをツールとして、健常脳や障害脳、高齢脳の神経メカニズムを解明し、新しいリハビリテーション評価・治療法を確立させることを目指しています。さらに、要支援・要介護認定要因の上位を占める脳卒中、高齢による衰弱(フレイル)、認知症などのリハビリテーションに臨床応用し、健康寿命の延伸と健康長寿社会の実現に貢献することを目指しています。 これまでの研究成果として、運動イメージ中の脳活動を可視化・操作するニューロフィードバックシステムを開発し、それを用いたトレーニングが脳卒中者の運動機能を改善させることに成功しました(NakanoH,etal.IntJClinResTrials.2018;BrainSci.2018)。また、実運動と運動イメージの時間的誤差計測を用いて脳機能を可視化する評価法を開発し、虚弱高齢者や転倒ハイリスク高齢者では脳内における運動イメージ能力が低下していること(NakanoH,etal.AgingClinExpRes.2018;BrainSci.2020)、そして定期的な身体運動活動は運動イメージ能力の低下を改善させることを明らかにしました(NakanoH,etal.inpreparation)。 上記に加え、非侵襲的な脳機能計測や脳刺激法による脳機能の可視化・操作手法を用いて、基礎研究を臨床研究に活かすトランスレーショナルリサーチにも力を注いでいます。 ニューロリハビリテーション、脳機能計測、非侵襲脳刺激、運動制御、運動学習