看護師のクリニカルリーズニングによって看護が変わる!?

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看護 ---------------------------- 2024-41 岡田 純子 准教授 看護師のクリニカルリーズニングによって看護が変わる!? 看護学部看護学科 ■研究業績等 【専門分野】 ・ 基礎看護学, 看護管理学, 臨床看護学 (キーワード:clinical reasoning, 臨床的論証、臨床判断、シミュレーション教育) 【著書】 ・ 教科書 『看護実践のための根拠がわかる基礎看護技術(第3 版)』メヂカ ルフレンド社(共著):2020/12 ・ 著書 『京都橘大学看護学部のカリキュラム・ワーキング「人によりそう看護」が実践できる看護職の育成を目指して』メヂカルフレンド社(共著):2019/07 ・ 著書 『よくわかる大学での学び方 第2 版』金芳堂 (共著):2018/12 【論文】 ・ 学術論文 「初めての病院実習を経験する学生に対して教員が必要と感じ る実習前の学習内容と方法」 京都橘大学研究紀要 (49)(共著):2023/02 ・ 学術論文 「経験2 ~ 3 年を有する看護師のクリニカルリーズニング向上支援プログラムの開発」 大阪府立大学大学院 博士論文(単著):2022/09 ・ 学術論文 「一般病院に勤務するエキスパートナースの臨床的論証プロセス」 日本医学看護学教育学会誌 30(3):23-32(共著):2022/03 【学会発表】 ・ 初めて病院実習を体験した学生に対して教員が必要と感じる実習前学習 (日本看護学教育学会第32 回学術集会):2022/08 ・ V a l i d i t y , P r a c t i c a l i t y , a n d Usefulness of a Support Program to Improve Clinical Reasoning of Nurses with Two to Three Years of Work Experience(The 25th East Asian Forum of Nursing Scholars Conference):2022/04 ・ 急性期病院に勤務するエキスパートナースが実践する臨床的論証(日本 看護学教育学会第31 回学術集会):2021/08 研究の概要 クリニカルリーズニングは、臨床家が臨床判断プロセスに対して用いる用語で、臨床推論や臨床的論証ともいわれており、患者の状態の変化を通じて、特定の事柄について経時的に論証することです。看護師は、患者のニーズ、関心ごと、健康問題をとらえて解釈し、患者を多面的に理解する中で、看護行為を行うか行わないか、行うとしたらどのような行為を行うかということを判断し、実施します。経験年数2 ~ 3 年を経た看護師は、プリセプターやリーダー業務など複数の役割を担うようになり、組織全体の看護の質に影響を及ぼす存在です。しかし彼らは、多様で複雑な患者のケアを計画したり調整したりするには至らないと言われています。そこで、経験2 ~ 3 年を有する看護師のクリニカルリーズニングを向上させることによって、患者にとっての最良の看護を判断することができるようになると考え、クリニカルリーズニング向上支援プログラムを開発しました。 研究の詳細 文献検討をもとにプログラム案を作成し、専門家会議とパイロットスタディを経て、プログラムを完成させました。プログラムは、事前学習およびシミュレーションとオリジナルワークシートを用いたデブリーフィングからなる2 日間の研修とし、2 日目の研修では、臨床での活用状況についての振り返りを行う内容としました。準実験研究デザインを採用しており、コントロール群との比較によって、効果を確認しています。 プログラムの開発において、国内外の文献を精読し、臨床看護師を対象としたクリニカルリーズニングにおけるリーズニングパターンの活用を目指した教育プログラムはないことを確認しており、新規性が高いプログラムと言えます。また、本プログラムは学習の積み上げができる構成であること、ワークシートを用いて思考の整理と活発な意見交換を促すことができることから、有用性が高く、院内研修に組み入れて実施することが望まれます。 クリニカルリーズニング、臨床判断、臨床看護師