「保護者支援を兼ねた保育者支援」

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心理 ---------------------------- 2024-54 宮井 研治 教授 「保護者支援を兼ねた保育者支援」 総合心理学部総合心理学科 ■研究業績等 【著書】 ・著書『子ども・家族支援に役立つ面接の技とコツ』明石書店(編者(編著者)):2009/06 ・著書『発達相談と援助~新版K式発達検査2001を用いた心理臨床~』ミネルヴァ書房(共著):2005/09 ・著書『発達相談と新版K式発達検査~子ども・家庭支援に役立つ知恵と工夫』福村出版(共著):2013/11 【論文】 ・ブリーフセラピー型対応のバリエーション(日本ブリーフサイコセラピー学会主催第5回地方研修会(岩手大会)):2007/12 ・リスクのみに偏らず安全も視野に入れた援助(日本心理臨床学会第25回大会):2006/09 ・新版K式発達検査2001を用いた心理臨床の実際(日本心理臨床学会心理臨床ワークショップ第25回大会):2006/09 近年、虐待通告が右肩上がりの増加(H30 年度 児童相談所虐待対応件数159,850 件 速報値)を示し、死亡事件がセンセーショナルに扱われることが日常茶飯事なってきています。厚生労働省主導による啓蒙活動が、国民の認識に変化を起こしたという点では、一定の成果であるといえます。しかしながら、子ども、保護者への支援あるいは家族再統合への取り組みはまだ十分であるとは言えません。加えて、支援する側の人材育成も大きな問題です。  これらの問題を解決すべく、児童相談所や市町村の子育て支援課における研修講師としての参加(現場への支援)や、将来有用な人材となりうる学生と福祉現場の橋渡しを行っています。 一方、児童虐待予防という観点から子育て支援を考えると、妊産婦段階~保育機関所属時点~就学後のすべてのステージに対し、支援者の切れ目ない関わりが必要とされます。これは、虐待予防の効果とコストの両面から有用であると考えます。特に、保護者に密に関わる保育士は、保護者を傍で支えていく支援者であることはもとより、虐待の早期発見者となる可能性もあります。このような背景から、大学が実施している地域連携事業をベースとして、保育者への支援活動を行っています。 【地方自治体等との連携実績】 ・奈良県、堺市等の児童相談所における任用前・任用後研修講師 ・高槻市、茨木市等の要保護児童対策協議会主催のスキルアップ研修講師 ・本学が地域連携の一環として行っている「草津市就学前教育サポート事業」での草津市内の認定こども園等における保育者へのコンサルテーション(2017 年~) ・「京都市保育園連盟巡回保育相談事業」での京都市内の私立保育園における巡回相談等(2017 年~) 子どもを巡る問題、子育て支援に関わることについて、興味ある学生に向け、現場のリアルな状況と情報提供ができる。 児童福祉臨床、児童相談所、児童虐待、解決志向、サインズ・オブ・セーフティーアプローチ、新版K式発達検査、対応のバリエーション