心理的安全性を醸成し強化するチームマネジメント
心理
----------------------------
2024-55
山口 裕幸 教授
心理的安全性を醸成し強化するチームマネジメント
総合心理学部 総合心理学科
■ 研究業績等
【著書】
・著書 『新版・チームワークの心理学ー持続可能性の高い集団づくりを目指して』サイエンス社（単著）：2024/07
・著書『チーム・ダイナミックスの行動科学ー組織の生産性・安全性・創造性を高める鍵はどこにあるのか』 ナカニシヤ出版（編者（編著者））：2024/03
・著書『そうだったんだ !! 心理的安全性』 永岡書店 （監修）：2023/09
【論文】
・学術論文「組織におけるチームワークの影響過程に関する統合モデル .チームレベルの分析による検討」 心理学研究日本心理学会 94（6）:462.472 （共著）：2024/02
・学術論文 「Watching Eyes"Do Not Strengthen the Behavioral Intention of Donating Blood: A High-Powered Pre-registeredReplication Study.」Letters onEvolutionary Behavioral Science 行動進化学会 14（1）:26-31（共著）： 2023/12
・学術論文「チームワークにおけるチーム・バーチャリティ 2側面の相反する関連性：職場のテレワークはチームワークにどのように影響するか」 社会心理学研究日本社会心理学会 39（2）:76-78（共著）：2023/11
【学会発表】
・Validation of a short-term program for managers to prevent power harassment and improvework engagement （Joint Congress of ICOH-WOPS andAPA-PFAW,）:2023/09/20
・Does mortality salience intensifyunconscious ethnic bias amongthe Japanese? （The 15th Biennial Conference of the Asian Association of Social Psychology.Hong Kong, China.）:2023/07/14
・How virtual business meetingsaffect psychological safety and voicing behavior? （The 18th European Congress of Psychology2023, Brighton, UK.）:2023/07/05
【科研費・外部資金等】
・リーダーとメンバーとの地理的距離を克服するセキュアベース・リーダーシップ論の構築 基盤研究（B）（キーワード：セキュアーベース・リーダーシップ、愛着理論、安全基地、リーダーとメンバーとの関係性、地理的距離）： 2023/04.
・チームのバーチャリティ水準がチームワーク・プロセスに及ぼす影響特性の解明 基盤研究（C）（キーワード： team processes, team virtuality,teamwork, team communication,hybrid teams, psychologicalsafety, shared mental model）： 2022/04.
・職場の改善的発言及び協働的工夫を促進する研修の開発：フィードバック場面を活用して 基盤研究（C）（キーワード：フィードバック、プロアクティブ行動、チーム、リーダー、研修）： 2020/04. 2024/03
【受賞学術賞】
・日本社会心理学会優秀論文賞（チームの振り返りで促進される暗黙の協調：協調課題による実験的検討）： 2019/11
・日本グループ・ダイナミックス学会優秀論文賞（印象管理戦略としての偽りの実効化：多元的無知のプロセスにおける社会的機能）：2019/09
・日本学術振興会日本学術振興会特別研究員等審査会専門員表彰： 2019/04
【委員会・協会等】
・日本学術振興会 科学研究費審査委員・特別研究員審査委員： 2006/04/01. 2023/03/31
・大学評価・学位授与機構 大学機関別認証評価委員：2014/04/01. 2016/03/31
・JR西日本安全研究所安全研究推進委員会 委員、委員長：2016/04/01
社会の変動が大きく予測不能な環境にあっても、組織は目標を達成し、存続していかねばなりません。そのためには、変動する環境に適応することが必須の課題です。しかし、外圧による変化の強要は、
「受け身」の姿勢でやる気にかけた取り組みに繋がることが多く、効果的とは言えません。大切なのは、変化を自分たちで作り出す「攻め」の姿勢で持続可能性を高めていく取り組みを促進することです。 これまで様々な組織の研究協力を得ながら、社会心理学や組織心理学の研究アプローチを生かして、チームワークやリーダーシップ、チーム・コミュニケーション、心理的安全性等の要素と、チームの目標達成との関係性を統計学的データ解析に基づいて検討してきました。その結果、チームや組織の環境適応力の鍵を握る変数は心理的安全性であることがわかり、それを受けて、現在、心理的安全性の醸成と強化につながるチーム・マネジメント方略について科学的検討を続けています。
数多くの組織の研究協力を得て現場で質問紙調査を行い、チーム・パフォーマンスに影響を及ぼすチームワーク・プロセスを明らかにする実証的研究を行いました。その結果、チーム・コミュニケーション変数が目標達成のための協働を促進し、その結果、メンバー一人当たりの経常利益や販売数、目標達成率に影響を及ぼす関係にあることを明らかにしました。また、数多く行った研究成果を統合的に分析して、組織のどんな変数がチームワークに影響し、そしてチームワークはどのような組織変数に影響するのか可視化する理論的モデルを提示しました。そうした研究成果は、学会が刊行する学術誌に掲載されるとともに、専門的な書籍として刊行してきました。
長年にわたり、様々な組織（医療、行政、企業、輸送・運輸、電力等々）の方々と一緒に問題解決に悩んで得た現実感と、社会心理学・組織心理学の専門的な理論的思考を融合させて、問題を捉える視点を持ち合わせています。
チームワーク,リーダーシップ.コミュニケーション.心理的安全性
コメント