和室の海外展開と異文化理解

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建築・土木 ---------------------------- 2024-57 鈴木 あるの 教授 和室の海外展開と異文化理解 工学部 建築デザイン学科 ■ 研究業績等 【所属学会】 ・日本建築学会 2008/04 .建築・空間ストック活用小委員会主査 : 2024/4. ・ 日本民俗建築学会2011/04 .理事・代議員 2016/10. ・全国重文民家の集い(学術会員)2018/04 . 【著書】 ・ あこがれの住まいとカタチ 2022/12 ・和室礼讃「ふるまい」の空間学 2022/12 【論文】 ・The Future of Tatami Outside Japan, 2024(in print) ・外国人にとっての和室 . 畳の実用性と持続性 . , 2024/3 【その他(解説・一般記事)】 ・外国人の日本の住環境への適応プロセス , 2020/11 ・留学生の住まいにおける変化と格差, 2019/11 【学会発表】 ・Tatami mats and other organic housing materials misused by Japanese people, 2018/09 ・Materiality and religion in Japanese gardens, 2018/08 ・Disappearing Japanese houses: their contribution to protect the environment, 2017/02 【講師・講演】 ・The Utility of Tatami and Other Organic Housing Materials, 2023/4 ・外国人から見た「和」の住まい, 2021/7 【科研費・外部資金等】 ・外国人にとっての和室:「あこがれ」の合理性と実用性(主査) 住総研研究助成:2020/07. 2023/10  和室が海外で静かに脚光を浴びています。一方、国内では、国産のイグサの畳表が絶滅の危機に瀕しており、伝統的な職人がその腕を振るう機会も激減しているという状況です。そのような中、かつては世界に絶賛された日本の職人技術の維持継承に資するべく、和室の海外ビジネス展開を試行錯誤する事業者様が全国にいらっしゃいます。私は過去30年近くにわたり、居住空間の異文化理解を研究してきました。しかし地域性のある文化の、何をどこまで伝えれば良いのかは、いまだに解明されていない難しいテーマです。本研究においては、海外の方が和室をどのように理解し評価しているのか、その変容と要因を含めて把握することを目的としています。さらに、価値ある職人技術を守るために最も効果的かつ現実的なビジネス展開とはどのようなものかを探っていきます。 和紙ワークショッフ畳品質比べ 実験スペ インの畳販売店  2023年には民家好きの外国人の集会においてワークショップや比較実験を行い、さらにアンケート調査では外国人約 500名を含む 700名以上から回答を集めました。その結果、外国人の多くが畳の品質の違いを見分け、手触り、匂い、自然素材であることとその持続性にこだわりをもっていることを発見しました。また過密化するヨーロッパ都市部においては、空間を自由かつ効率的に使える点も理解され評価されていることが、2022年と 2023年の 2度にわたる海外調査において確認できました。このように和室の需要の理由が異国趣味や一過性の流行とは無関係の実用的なものであるため、畳の海外展開にはまだまだ可能性があると考えられます。自然素材や持続性への要求が高いため、畳は天然のイグサと藁床で作られていることが重要ですが、それらの生産は日本国内においては激減しており絶滅の危機にあります。現在日本の市場に流通している天然イグサの畳表の生産の8割以上を担っている中国も経済発展を続けており、安価な労働力を供給できなくなれば撤退していくでしょう。高品質かつ天然材料の畳をいかにして供給し続けられるのか、引き続き探ってまいります。 過去20年以上にわたって国際教育市場における日本広報や異文化間教育を行ってきた経験を活かします。 国際教育,日本建築,日本庭園,畳,生活様式,輸出入,ジャポニズム