企業が町に与える影響と果たすべき責任を考える

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経済・経営 ---------------------------- 2024-74 松石 泰彦 教授 企業が町に与える影響と果たすべき責任を考える 経営学部経営学科 ■ 研究業績等 【著書】 ・ 著書『「現代の山科 1 20世紀の山科」『山科の歴史と現代』』山科経済同友会 (共著) :2020/03 ・著書『企業城下町の形成と日本的経営』 同成社 (単著):2010/07 【論文】 ・学術論文「典型的企業城下町・釜石の栄枯盛衰とこれから」地理古今書院 64:34-41 (単著):2019/01 ・学術論文 「現代の CSR論における社会貢献活動の位置と展望」京都橘大学大学院文化政策学研究科研究論集(12):27-44 (単著):2018/03 ・学術論文「戦前期釜石製鉄所の経営状況.「眞板資料」を中心に.」 岩手県立大学宮古短期大学部研究紀要第25巻(第2号):1-11 (単著):2014/12 【学会発表】 ・「眞板資料」にみる 20世紀前半の釜石製鉄所の経営(第 68回東北経済学会大会): 2014/09 ・ 釜石製鉄所真道会の特質と 1919年労働争議(岩手史学会大会報告):2009/07/05 ・企業城下町形成における工場委員会ー戦間期釜石製鉄所の真道会をめぐって(岩手史学会大会報告):2007/12/09  企業はそれ単体で存在・持続できるわけではなく、多くのステークホルダーとの関係性の中で存続していく社会的な存在です。企業が立地する地域や町は、直接的に大きな影響を受けやすく、雇用や税などの経済面のみならず、文化や意識においても、企業との関係性が顕在化し、町の様相を大きく左右します。特に「企業城下町」においては、企業の影響と役割、それにともなう責任はより大きなものとなります。 また最近では、SDGsをはじめ CSRへの社会的要請が強まって、企業は CSRを戦略やマーケティングに組み込んで自社と社会の両方のサステイナビリティを追求するという動きが増えています。 当研究では、特に立地地域・町と企業の関係を中心に、企業の果たすべき社会的役割の事例研究やそれをベースとしたとるべき方法論について探求しています。  主に「企業城下町」とよばれる町を中心に、企業と地域社会の関係性を歴史的事例から明らかにしてきました。そこには立地企業が地域にもたらす経済的恩恵と、環境的悪影響や事業縮小・撤退による悪影響という「光と影」の問題だけでなく、企業側・地域側それぞれの意識や社会・文化的な影響があり、それらの側面が将来的に町をどのように魅力的でサステイナブルなものにするかの重要な要素となります。 今日の企業行動の中では改めてフィランソロピーに注目しています。ステークホルダーとして株主・経営者・従業員だけではなくコミュニティも大きな存在である今、寄付、プロボノやボランティアなどを通じたコミュニティとの関わりを中心に、フィランソロピーの実践とその方法の探究が重要でしょう。またその実践を実現するための方法として、企業文化とコーズリレーテッドマーケティング(CRM)の事例を研究しています。 SDGsの多様な目標のなかで、コミュニティへの対応のあり方についての情報提供 企業論、企業城下町、CSR、フィランソロピー、サステイナビリティ、SDGs