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過去の講座(オンデマンド配信)

第1期(2023年度前期)

テーマ

自分をひらくケア――「つながる」ことへのレッスン

身はひとつ、1日は24時間なのに、情報量は激増の一途をたどっています。コスパ、タイパを意識し、効率を重視したくなるのも当然です。仕事も家事もスピーディにこなし、余暇も娯楽もコンパクトに! 人づきあいも恋愛も、ムダをしているヒマはない!

その一方で、「ネガティブ・ケイパビリティ(消極的な受容力)」――すぐに答えが見つからなくても、拙速な結論や解決法には飛びつかず、急がず焦らず、問いをかかえた状態で持ちこたえる力や態度が注目されます。

目まぐるしく変化する現代社会だからこそ、「人の話をじっくり聞く」「立ち止まって自分に問いかけ、借りものでない自分の言葉で考える」「性急な答えを求めない」――そんな時間を大切にするのがUkonです。「ゆるやかなつながりを取り戻す」「変化を楽しむ学びの場」――それが、Ukonのめざすところです。

学頭の一言

Ukonの考える教養とは、物質的なしあわせを得るための手段ではなく、心をゆたかにし、世界との新たな結びつきを見つけるための作法です。日々の営みや自らの心や身体と丁寧に向き合い、自己解像度を高め、他者への想像力を育んでいく、その第一歩になればと願っています。

授業一覧全8回

  • 第1回

    2023520日(土) 実施

    永井 玲衣(哲学研究者) 「はじめまして、哲学対話」

    街場や学校で「哲学対話」をひらいている永井玲衣さん。ひとりで難しいことを考え続けるイメージのある哲学とは異なり、日常の中のささいな「問い」を “誰かと一緒に” 育てる時間は、とても創造的だと言います。目の前の「問い」を通して、他者と繋がることができる哲学対話。そもそも、対話そのものを私たちはできているか?ということも同時に考えさせられる、とても丁寧な時間をご一緒しましょう。

  • 第2回

    202362日(金) 実施

    日比野 英子(京都橘大学学長) 「ネガティブ・ケイパビリティとは――私にとっての学び」

    「ネガティブ・ケイパビリティ」という言葉を知っていますか?ある疑問に対して、早く答えを出すという合理的な手法とは異なり、知りたいという興味を持ちながら分からないままの状態を耐え抜く力のこと。京都橘大学の学長の日比野英子さんは、50年間、心理学という分野に身を置きながら、自分なりの問いに向き合い続けてきました。そんな日比野さん自身が辿ってきた道と、時間をかけて得た「気づき」についてじっくり伺います。

  • 第3回

    2023616日(金) 実施

    大野 裕之(脚本家/演出家/映画プロデューサー/日本チャップリン協会会長) 「笑いの力――喜劇王チャップリンに学ぶ」

    世紀を超えて広く愛されるチャップリン。ワンシーンを撮るのに膨大なテイクを重ねる彼のNGフィルムは、世界で3人しか見られておらず、大野裕之さんがその一人です。なぜそんなにもNGを出したのか?それは、差別や嘲笑を含むような安易な笑いではなく、世界中の人を笑わせたいと願うチャップリンが試行錯誤の末に体得した“ヒューマニズム”だと言います。現代の私たちのケアにこそ必要な、その「笑いの力」とは?

  • 第4回

    2023630日(金) 実施

    平賀 緑(京都橘大学経済学部准教授) 「つながりの回復を求めて――食べものから考える」

    食べ物から経済を考える、「食料経済」について、京都橘大学・経済学部准教授の平賀緑さんに教えていただきます。私たちが毎日食べている食品を、経済の枠組みの中の「商品」と捉えることで、見えてくるものがあると言います。ショッキングな真実をはらんだ農業・食料システムの現状。けれども最近、“コモンズ(共有財)”をキーワードに、「人も自然も壊さない経済」という明るい動きが世界で活発化してきているそうです。

  • 第5回

    2023714日(金) 実施

    鴻巣 友季子(翻訳家/文芸評論家) 「他者のことばを生きる――翻訳家の仕事場」

    翻訳家の鴻巣友季子さんは、翻訳するという行為について「圧倒的他者との出会いであり、ケアである」と言います。アマンダ・ゴーマンの詩を翻訳するという課題では、参加者から実に多様な訳文が登場!AIの翻訳例も取り上げながら、人にしか汲み取れないものは何か?人間の知性とは?創造力とは何か?を考えていきます。訳者の知識を総合的・複合的・有機的に繋げて紡ぐという翻訳の、難しさと面白さをお楽しみください。

  • 第6回

    2023728日(金) 実施

    河原 宣子(京都橘大学看護学部教授) 「非日常との出会い――ウズベキスタンで考えたこと」

    2005年、ひょんなきっかけからウズベキスタンに行くことになった河原宣子さん。その使命は、基礎看護学カリキュラムの導入支援。言語も文化も異なる場での技術提供という経験を経て気づいたことは、「大切なのは相手の言動だけを見るのではなく、その人が持つ価値観・世界観を尊重し、受け止めた上でどう行動するかを考えること」だと言います。看護という分野に限らず、今を生きる私たちに大切なことを教えていただきます。

  • 第7回

    2023818日(金) 実施

    野村 幸一郎(京都橘大学文学部教授) 「新しい居場所を求めて――京アニの世界から」

    日本のみならず、中国や韓国にも多くのファンを持つ京都アニメーションの作品。なぜこんなにも10代の心を掴むのか?野村さんはその理由を、現代の若者たちが感じている「居場所」について考察することで見えてくると言います。具体的な京アニ作品を例に上げながら、彼らが共感を覚えている要素、さらには時代とともに変化してきた社会のあり方などについてお話を伺います。「最近の若者は分からない」という方、必見です。

  • 第8回

    202392日(土) 実施

    渡辺 祐真(文筆家/書評家/書評系 YouTuber) 「物語する世界――文学・漫画・ゲームと生きる」

    スクウェア・エニックスでシナリオライターを経て、作家・書評家として活躍されている渡辺祐真さん。小説、新聞、ニュース、誰かが語る今日の出来事に至るまで、「世界は物語でできている」と言います。私たちは、日常生活の中で接するあらゆる事態を、因果関係のある“物語”として整理されることで、「分かった」気持ちになれます。そこから生まれる、他者への理解という「ケア」としての役割と、危険な側面についても伺います。

概要・申し込み

「たちばな教養学校 Ukon」は、京都橘大学が2023年度からつくるあたらしい学びの場(学校教育法第107条に定める公開講座)です。半年ごとにテーマを定め、多彩な講師陣による全8回の授業を実施します。受講資格は特にありません。学ぼう、楽しもうという意欲があれば、どなたでも受講できます。

テーマ 自分をひらくケア――「つながる」ことへのレッスン
受講形態 2023年5月~2023年9月に実施した第1期授業をオンデマンド配信でご覧いただけます。
配信期間 お申し込み後~2024年10月31日(木)
※お申し込み後、すぐに授業をご覧いただけます。
受講料
  • 全8回一括申し込み10,000円/8回
  • 各回申し込み1,500円/1回
受講対象 学ぶ意欲のある方なら、どなたでも受講いただけます。
講師 授業一覧」からご確認ください。
申込方法 いずれも、申し込みボタンからお申込みください。
一括申込特典 「全8回一括申し込み」でお申し込みいただいた方のうち、ご希望の方に第1期授業をまとめた「Ukonノート」をプレゼントします!
定員 最大500名
その他 第1期対面授業に一括お申し込みいただいた方は、無料で視聴いただけます。

お問い合わせ先

たちばな教養学校 Ukon 事務局(京都橘大学 生涯教育・通信教育課)

〒607-8175 京都市山科区大宅山田町34
TEL: 075-574-4335 
e-mail:ukon@tachibana-u.ac.jp

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