伝える――思いを、言葉と行動で
第6期2025年11月21日(金)19:00~20:30
シェイクスピア劇を現代に
木村 龍之介(演出家・作家・AIディレクター)

スタッフレビュー

スタッフレビュー

今日、今、ここが舞台!

いよいよ第6期が幕を開けました。
「伝える――思いを、言葉と行動で」をテーマにした今期、第1回にお迎えしたのは、シェイクスピア演劇を現代によみがえらせる演出家、木村龍之介さん。
来場した方はまず、「おや?」と思ったのではないでしょうか。
座席の配置がいつもと違う、と。
木村さんのご意向で、演劇がたのしまれた400年前と同じ形、つまり民衆の中に役者が分け入っていくように配置していたんです。

そこへ全37作品をバックパックに入れて登場した木村さん。
口を開かれた瞬間から、シェイクスピアへの情熱が凄まじかったですね。
こんなにも魅了されるのは、シェイクスピア演劇が過去に留まる古典ではなく、400年の時を超え、現在進行系で「人間がどう生きていけばいいかのヒントが詰まっているから」だと言います。

その意味が、私たちの身体を使うことでわかってきました。
「ああ、ロミオ、ロミオ、どうしてあなたはロミオなの?」
あの名場面を全員で朗読してみて(みなさんの声量と体温が徐々に上がっていきましたね!)、自分の内側から湧いてくる “何か” を感じたと思います。

手と足、声と心を駆使して「伝えるために生まれた」という演劇。
台詞という形式でなければ、これほど赤裸々に自分の胸の内を誰かに伝えるということを私たちはほとんどしません。
けれど、木村さんは「怖がらずに伝えれば、必ず伝わる。」のだそう。
それが400年以上、形を変えながら残ってきた証なんですね。

最後に岩崎MARK雄大さんと柳本璃音さんが迫真のロミオとジュリエットを演じてくださいました。
なんと贅沢な夜になったことでしょう!
(見逃した方はぜひオンデマンド配信を)

“All the world’s a stage.”――「人生が舞台」だと、シェイクスピアが言っています。
今この瞬間も一度きり。眼の前の人に気持ちを伝えるために、言葉と身体を使ってみようではないですか!

それではまた次回、Ukonでお会いしましょう。

講師からのメッセージ

シェイクスピアはどこにいるのだろう?
例えば、画家は死んだ後も「絵」の中にいるだろう。同じように作家なら「本」。俳優なら「映画」。

では、シェイクスピアは戯曲、つまり「本(言葉)」の中にいるのだろうか。
しかしここで疑問が生じる。シェイクスピアの作品の本を手に取って読んでいるだけではシェイクスピアは出てきてくれないのだ。「本」や「言葉」は引き金でしかない。

Ukonの授業を受けたみなさんならわかるはずだ。
あの時、あの教室にこそ、シェイクスピアがいたことを。

みなさんがシェイクスピアの言葉に触発されて、シェイクスピアを引っ張り出してくれた。
どこから?あの時、僕は確信した。
みなさんの中からだ、と。

シェイクスピアはどこにいるのだろう?私たちの恋心の中に。怒りの中に。絶望の中に。私たちの生活、つまり、私たちの人生の中に。シェイクスピアが400年も残っている理由だ。

難しくなんかない。
シェイクスピアはシンプル。

あの時に堂々と読み上げたロミオやジュリエットのセリフ。
それは、他でもない、あなた自身だ。

受講者の声

言葉によって構成される演劇が、言葉では通じないものを表現するためのものだという学びは、とても面白かったです。そして、言葉でつながったこの空間が、別れがたいほど印象深く感じられました。

シェイクスピアを声に出して読むことで、自分自身の中にいろいろな感情が沸き起こる感覚がとても新鮮でした。そして、表現してみたい!との気持ちも。
『14歳のためのシェイクスピア』を拝読している最中ですが、これまたとても面白い!

なんといっても、ロミオとジュリエット のセリフを参加者同士が対峙して読むというのがとても良かった。参加者全員が関わることで生まれる、あの一体感!スマホで何でも完結できてしまう時代にあって、演劇 は他人の息遣いや感情を生で感じられる、貴重な体験だと知った。

ライブ感あふれる講義と俳優さんの演技に圧倒され、「この時間がもっと続いて欲しい!」と心から願った名講義!数えきれない名台詞を書き残した シェイクスピア の感性と表現力、洞察力。木村龍之介 さんのシェイクスピア愛に乗って、その存在が一気に私の中になだれ込む!

シェイクスピア の時代が、機械・資本主義・国家が成立する前のギリギリの時代だったというのは、新しい発見でした。だからこそ、AIも参加できるというのはとても面白いことで、来週の講座にもつながりそう!

概要

「たちばな教養学校 Ukon」は、「生きる」をもっと深く味わうための対話の場です。学ぼう、楽しもうという意欲があれば、どなたでも参加できます。第6期では「伝える――思いを、言葉と行動で」をテーマに、全8回の授業を実施します。
※ 学校教育法第107条に定める公開講座

受講料

全8回一括申し込み
15,000円/8回
各回申し込み
2,500円/1回

会場

QUESTION(クエスチョン)7F「クリエイティブ・コモンズ」
〒604-8006京都市中京区河原町通御池下る下丸屋町390-2
https://question.kyoto-shinkin.co.jp

定員

各回100名

申し込みから受講までの流れ

たちばな教養学校Ukonの申し込みから受講までの流れは、以下のとおりです。

1申し込みについて

お申し込みは、イベント管理サイトPeatix(ピーティックス)から「チケット」を購入していただくことで完了します。Peatix以外のお申し込みの方法はご用意しておりませんので、ご了承ください。

Peatixお申し込み方法[PDF]

※初めてPeatixを利用される方は「Peatix利用の流れ 」もご参考ください。

チケットの種類

「チケット」は、全8回分をまとめて購入する方法(全8回一括申し込み)と、1回ずつ購入する方法(各回申し込み)があります。受付は、全8回一括申し込みから開始します。お申し込みいただいた順に受け付けますので、ご希望の方はお早めにお申し込みください。

全8回一括申し込み
2025年9月24日(水)から受付開始
各回申し込み
2025年10月24日(金)から受付開始
  • 一度に購入できるチケットは1枚です。グループでご参加の場合もお一人ずつお申し込みください。
  • チケットは授業当日の開始時刻まで購入できますが、定員になり次第、締め切らせていただきます。
  • チケットのキャンセル・返金の取り扱いは次のとおりです。
    • 主催者側の都合によりやむを得ず授業を中止する場合は、チケット代金を返金いたします。ただし、チケット購入・返金に伴う手数料はご負担いただきますのでご了承ください。
      • 全8回一括お申し込みの場合は、実施できなかった授業回数に相当する金額を返金いたします。
      • 各回申し込みの場合は、購入されたチケット代金を返金いたします。
    • 参加者都合によるキャンセル・返金はお受けできませんので、あらかじめご了承ください。

2受講について

受講当日は、以下のものをご持参ください。

  • Peatixアプリあるいは印刷したチケット(受付にてQRコードを確認します)
  • 筆記用具
  • 上記以外にお持ちいただく物がある場合は別途ご案内します。

お申し込み後の授業に関するご連絡

  • お申し込み後の授業に関するご連絡は、Peatixにご登録のメールへ行います。「@peatix.com」「@tachibana-u.ac.jp」からのメールを受信できるよう設定してください。
  • イベント参加にあたってご不明な点がありましたら、お気軽にお問い合わせください。

受講時の注意事項

  • 各回開始時刻の30分前に開場する予定です。それ以前のご入場・受付はできませんのでご了承ください。
  • 座席は全席自由席です。
  • 会場にクロークやロッカーはありません。手荷物は少なめでご来場の上、ご自身での管理をお願いいたします。
  • Ukonの授業は、オンデマンド配信用に収録します。ご出席の方はカメラに映る可能性がありますので、ご了承のうえご参加ください。
  • 会場内の飲食については「ふたの閉まる飲み物」に限りお持ち込みいただけます。
よくある質問

Peatixを利用したことがありません。電話での申し込みや、現地支払いで参加できないでしょうか。

恐れ入りますが、お申し込みはPeatixサイトからのみ受け付けています。以下のページを参考に、お手続きをお願いします。

Peatixお申し込み方法[PDF]

PC操作が苦手な方は、周りの方にお尋ねいただくなどの方法をご検討ください。Ukon事務局にご相談いただければ、できる限りお手伝いさせていただきます。お気軽にご連絡ください。

グループで参加します。チケットをまとめて購入することはできますか?

複数人分をまとめてお申し込みいただくことはできません。恐れ入りますが、お一人ずつお申し込みください。

申し込み後にキャンセルはできますか?

原則として申し込み者の都合によるキャンセルはお受けできません(返金は致しかねます)。やむをえない事情がある場合は、 Ukon事務局までご相談ください。

学生割引などはありますか?

学生割引などの割引制度はご用意していません。なお、京都橘大学 通信教育課程(たちばなエクール) に在籍する学生さんには、Ukonのオンデマンド授業を正課授業のひとつとして開講しています。

「オンデマンド授業」とは何ですか。

Ukonで開講する対面授業は、収録・編集した上で別途オンデマンド配信を行っています。これを「オンデマンド授業」(有料)と呼んでいます。オンデマンド授業は、各期すべての授業が終了した後に配信を開始します。オンデマンド授業は、こちら[オンデマンド授業一覧]からお申し込みください。

対面授業に申し込みをした場合、オンデマンド授業を視聴することはできますか。

恐れ入りますが、オンデマンド授業の視聴を希望される場合は、別途お申し込みください(有料)。なお、対面授業を「全8回一括申し込み」でお申し込みいただいた方には、オンデマンド授業を無料で視聴いただけます(対面授業がすべて終了してから、約半年後の配信を予定しています。視聴できる期間は、半年間です。)。

子ども連れでの参加も大丈夫でしょうか。

中学生以下のお子さまは無料で受講できます。その場合、保護者の同伴が必要です。
また、静穏な環境の保持にご協力をお願いします。

授業日までに準備しておくことはありますか?

事前課題が出されることもあります。提出は任意ですが、取り組んでいただくとより一層授業を楽しめることと思います。

授業を録音・録画・撮影することはできますか。

授業を録音・録画・撮影することはご遠慮ください。

講師プロフィール

木村 龍之介(演出家・作家・AIディレクター)

1983年大分生まれ。東京大学でシェイクスピアを研究し、蜷川カンパニーなどで演技・演出を学ぶ。劇団カクシンハンを創設し全作品を演出。オリジナル作品がイギリス出版されるなど、海外にも活動の幅を広げている。誰でも通える「演劇の学校」校長。著書『14歳のためのシェイクスピア』。

学頭コメント

学頭・河野通和

シェイクスピア作品を賞味し尽くそうとする野心的グルマン、グルメ。俳優や美術、音楽の力を借り、最近は生成AIのテクノロジーをも取り込みながら、シェイクスピアの言葉に新たな生命とエネルギーを吹き込み、400年前の舞台を現在・未来につなごうとする仕掛け屋です。