
スタッフレビュー
カタあっての「カタヤブリ」
憶良らは 今は罷らむ
子泣くらむ それその母も我を待つらむそ
――この歌を、万葉集を、
上野さんほどおもしろく語った文学者が他にいたでしょうか。
現代版の憶良がスピーチし、
植木等が歌い、鈴木大拙(禅を広めた宗教哲学者)が語るという名人芸に、
笑いが止まらない講義でしたね!
今回は事前課題の回答数が、いつもより少なかったんです。
きっと、年末の大掃除やおもちを食べすぎて忘れただけでなく、
山上憶良についてイメージが湧かなかった方もおられたのではないでしょうか。
でも、上野さんからお話をきくと、
「なぁんだ、憶良も私たちと変わらない人間、
それも子煩悩でいいお父さんじゃないの」
と思いましたよね。
けれども私たちが今この理解に至るまでの“経緯”を追うこと、
つまり当時の宗教観(カタ)を把握し、
その中での憶良の思考と表現(カタヤブリ)を理解することが、
今回の肝だったかと思います。
私たちが憶良を知るきっかけになったはずの教科書には、
「瓜食めば 子ども思ほゆ」
からはじまる長歌、または
「〜優れる宝 子に及かめやも」
でくくられる反歌しか載っていません。
しかし「序文から読むのが大事なんです!」と上野さんは言われましたね。
釈迦の説法、仏典(の当時の理解)を読んではじめて、
この歌の稀有さ、そして憶良という人の人間性に触れられた気がします。
それにしても、
「こういう自分の心情を込めた歌は後世に残りにくいんですよね」と聞くと、
さみしい気持ちになるとともに、
現代まで残して来られた先人たちに感謝の念と、
ぜひ触れてみなくてはと思わされました。
そして今回の講義を受けられた方は、
憶良の名を口にする機会が間違いなく増えますよね?
歓送迎会などの宴の席からちょっと早く抜けるときには、
そうです、「憶良らは‥‥」とつぶやくのです。
(言われた方はタクシーの手配を!笑)
それではみなさん、次回もUkonでお会いしましょう。
講師からのメッセージ
寒い中、たくさんの方々に集まっていただきました。光栄です。
思いはそれぞれ違っていても、学び合うことで結集した素晴らしい学習機会だったと思います。
山上憶良は、生きることを問うた最初の歌人です。だから、文学史の孤峰なのです。その作品を読み解くと、生きるヒントがたくさんあります。
皆さんと一緒に、そういう山上憶良について、語ることが出来たのは、僥倖です。
ありがとうございました。
受講者の声
上野さんの語りで山上憶良の人物像が一気に身近になり、笑いに包まれたあたたかい時間となりました。万葉集や仏教の背景が立体的に立ち上がり、自分の経験ともつながっていくような、学びの化学反応を感じる講座でした。
教科書の人物としてしか知らなかった山上憶良が、ユーモアに満ちた語りで鮮やかに息づきました。思いがけない話の連続に、新しい興味が次々と湧く時間。知識と経験が結びつく瞬間の面白さを味わえる講座でした。
仏教や六朝思想など、一見遠く感じていたテーマが、上野さんの言葉で驚くほど身近に感じられました。型にとらわれず、しかし型があるからこそ生まれる共感や気づき——その奥深さに触れ、視野が広がるひとときとなりました。
ユーモアと深い洞察が交錯する語りに引き込まれ、笑いと発見が絶えませんでした。人間・山上憶良が立ち現れるような講義で、「もっと聞きたい」と思わずにはいられない、ライブならではの躍動感に満ちていました。
意外な展開と豊かな知見が次々とつながり、「来てよかった」と素直に思える時間でした。難しく感じていたテーマも自然と理解が深まり、これからの学びや日常の経験とどこかで交わっていきそうな余韻が残りました。
概要
「たちばな教養学校 Ukon」は、「生きる」をもっと深く味わうための対話の場※です。学ぼう、楽しもうという意欲があれば、どなたでも参加できます。第6期では「伝える――思いを、言葉と行動で」をテーマに、全8回の授業を実施します。
※ 学校教育法第107条に定める公開講座
受講料
- 全8回一括申し込み
- 15,000円/8回
- 各回申し込み
- 2,500円/1回
会場
QUESTION(クエスチョン)7F「クリエイティブ・コモンズ」
〒604-8006京都市中京区河原町通御池下る下丸屋町390-2
https://question.kyoto-shinkin.co.jp
定員
各回100名
申し込みから受講までの流れ
たちばな教養学校Ukonの申し込みから受講までの流れは、以下のとおりです。
1申し込みについて
お申し込みは、イベント管理サイトPeatix(ピーティックス)から「チケット」を購入していただくことで完了します。Peatix以外のお申し込みの方法はご用意しておりませんので、ご了承ください。
※初めてPeatixを利用される方は「Peatix利用の流れ 」もご参考ください。
チケットの種類
「チケット」は、全8回分をまとめて購入する方法(全8回一括申し込み)と、1回ずつ購入する方法(各回申し込み)があります。受付は、全8回一括申し込みから開始します。お申し込みいただいた順に受け付けますので、ご希望の方はお早めにお申し込みください。
- 全8回一括申し込み
- 2025年9月24日(水)から受付開始
- 各回申し込み
- 2025年10月24日(金)から受付開始
- 一度に購入できるチケットは1枚です。グループでご参加の場合もお一人ずつお申し込みください。
- チケットは授業当日の開始時刻まで購入できますが、定員になり次第、締め切らせていただきます。
- チケットのキャンセル・返金の取り扱いは次のとおりです。
- 主催者側の都合によりやむを得ず授業を中止する場合は、チケット代金を返金いたします。ただし、チケット購入・返金に伴う手数料はご負担いただきますのでご了承ください。
- 全8回一括お申し込みの場合は、実施できなかった授業回数に相当する金額を返金いたします。
- 各回申し込みの場合は、購入されたチケット代金を返金いたします。
- 参加者都合によるキャンセル・返金はお受けできませんので、あらかじめご了承ください。
- 主催者側の都合によりやむを得ず授業を中止する場合は、チケット代金を返金いたします。ただし、チケット購入・返金に伴う手数料はご負担いただきますのでご了承ください。
2受講について
受講当日は、以下のものをご持参ください。
- Peatixアプリあるいは印刷したチケット(受付にてQRコードを確認します)
- 筆記用具
- 上記以外にお持ちいただく物がある場合は別途ご案内します。
お申し込み後の授業に関するご連絡
- お申し込み後の授業に関するご連絡は、Peatixにご登録のメールへ行います。「@peatix.com」「@tachibana-u.ac.jp」からのメールを受信できるよう設定してください。
- イベント参加にあたってご不明な点がありましたら、お気軽にお問い合わせください。
受講時の注意事項
- 各回開始時刻の30分前に開場する予定です。それ以前のご入場・受付はできませんのでご了承ください。
- 座席は全席自由席です。
- 会場にクロークやロッカーはありません。手荷物は少なめでご来場の上、ご自身での管理をお願いいたします。
- Ukonの授業は、オンデマンド配信用に収録します。ご出席の方はカメラに映る可能性がありますので、ご了承のうえご参加ください。
- 会場内の飲食については「ふたの閉まる飲み物」に限りお持ち込みいただけます。
よくある質問
Peatixを利用したことがありません。電話での申し込みや、現地支払いで参加できないでしょうか。
恐れ入りますが、お申し込みはPeatixサイトからのみ受け付けています。以下のページを参考に、お手続きをお願いします。
PC操作が苦手な方は、周りの方にお尋ねいただくなどの方法をご検討ください。Ukon事務局にご相談いただければ、できる限りお手伝いさせていただきます。お気軽にご連絡ください。
グループで参加します。チケットをまとめて購入することはできますか?
複数人分をまとめてお申し込みいただくことはできません。恐れ入りますが、お一人ずつお申し込みください。
申し込み後にキャンセルはできますか?
原則として申し込み者の都合によるキャンセルはお受けできません(返金は致しかねます)。やむをえない事情がある場合は、 Ukon事務局までご相談ください。
学生割引などはありますか?
学生割引などの割引制度はご用意していません。なお、京都橘大学 通信教育課程(たちばなエクール) に在籍する学生さんには、Ukonのオンデマンド授業を正課授業のひとつとして開講しています。
「オンデマンド授業」とは何ですか。
Ukonで開講する対面授業は、収録・編集した上で別途オンデマンド配信を行っています。これを「オンデマンド授業」(有料)と呼んでいます。オンデマンド授業は、各期すべての授業が終了した後に配信を開始します。オンデマンド授業は、こちら[オンデマンド授業一覧]からお申し込みください。
対面授業に申し込みをした場合、オンデマンド授業を視聴することはできますか。
恐れ入りますが、オンデマンド授業の視聴を希望される場合は、別途お申し込みください(有料)。なお、対面授業を「全8回一括申し込み」でお申し込みいただいた方には、オンデマンド授業を無料で視聴いただけます(対面授業がすべて終了してから、約半年後の配信を予定しています。視聴できる期間は、半年間です。)。
子ども連れでの参加も大丈夫でしょうか。
中学生以下のお子さまは無料で受講できます。その場合、保護者の同伴が必要です。
また、静穏な環境の保持にご協力をお願いします。
授業日までに準備しておくことはありますか?
事前課題が出されることもあります。提出は任意ですが、取り組んでいただくとより一層授業を楽しめることと思います。
授業を録音・録画・撮影することはできますか。
授業を録音・録画・撮影することはご遠慮ください。
講師プロフィール
1960年福岡生まれ。奈良大学名誉教授。博士(文学)。万葉文化論の立場から歴史学・民俗学・考古学などの研究を応用した『万葉集』の新しい読み方を提唱。日本民俗学会研究奨励賞、上代文学会賞、角川財団学芸賞、立命館白川静記念東洋文字文化賞等受賞。著書多数。
上野さんとともに『万葉集』を読みながら、万葉びとたちが見上げたのと同じ月を奈良で眺め、同じ風に吹かれていることを実感しました。今回の主人公は山上憶良です。1300年余も昔の歌人がどんな相貌をして〝同時代人〟として現れてくるか、とても楽しみにしています。