伝える――思いを、言葉と行動で
第6期2026年1月29日(木)19:00~20:30
未来に向けられた問い
稲泉 連(ノンフィクション作家)

スタッフレビュー

スタッフレビュー

どこに光を当てるのか?

6期も終盤です!
ノンフィクション作家の稲泉連さんをお迎えしました。

冒頭、自らの来し方を語っていただきましたが、その印象は「嘘のない人」だと感じました。

高校で不登校になった理由を、言葉にすることによって咀嚼し、消化していくという経験から作家の道へ。
23歳で竹内浩三の『ぼくもいくさに征くのだけれど』という詩に出会い、共感しながらももう一方ではその自分に疑問を抱いたということですが、そこから竹内氏の作品に関係する人々に会いに行くという行動が、並の人ではないですよね!
記録や記憶の片鱗をあつめながら、自分が伝えていかなくてはいけないという想いが、そのままノンフィクション作品という形になったのだそう。

今回は「ノンフィクション作品のイメージは?」という事前課題がありました。
「ノンフィクション=事実に基づいた作品」というのはみなさん概ね共通した理解だと思います。

けれども稲泉さんは、誰かに聞いたことを
「漫然と並べているわけではなくて、どこに光を当てて、どう書くかを考えている」
と言います。
事実は、人は、多面的であるがゆえに、光を当てる方向によって変わるということですね。

「放課後」でちらっと出てきたトピックスで、
「同じ場所で同じ出来事を見たはずなのに、あの人と自分では記憶に違いがあるみたい(笑)」
というのも、なるほど、そういうことかと腑に落ちました。
(「放課後」ではノンフィクションとジャーナリズムの役割の違いについて、予想外に深〜い話も展開されました!
オンデマンド配信には含まれないので、今後もぜひご参加くださいね)

同じ対象を書いたとしても、書き手が違えば全く異なる作品ができるというのは、人間のおもしろさのひとつだなと感じました。
稲泉さんも、
「いかに現場を見て、“社会にとって意味のあるもの” を伝えられるか」が
AIにできないことであり、今後のテーマだとおっしゃいました。

もしかすると、フィクションよりも眼の前にあるものを自分の見方で表現するというノンフィクションの方が書きやすいこともあるかもしれません。
自分だけの光の方向を探ってみましょう。

それではみなさん、次回もUkonでお待ちしています!

講師からのメッセージ

今回はありがとうございました。「どんなテーマか」「どんな取材・調査がなされているか」ということに加え、著者がそれらの素材をどのように調理し、一つの文章表現として作品にしているか――。その点にも注目しながら、たくさんのノンフィクション作品の魅力に触れてほしいと思っています。

受講者の声

稲泉さんのお話には、その実直で誠実なお人柄がそのままにじんでいて、取材を重ねてきた方だからこそ引き出せる言葉がたくさんありました。丁寧に耳を傾け、相手の奥にある思いをすくい上げていく姿勢に触れ、「私もこんなふうに“耳のいい人”になりたい」と感じました。

これまでノンフィクションにはあまり馴染みがありませんでしたが、今日のお話はすっと胸に入ってきて、思わず聞き入ってしまいました。人の思いを言葉にして届けることの大切さや、その裏にある繊細な難しさを強く感じました。

稲泉さんが19歳のとき、高校時代の経験を書いたことで「書くってすごいことなんだ」と感じられたというお話が、まず心に強く響きました。自分の記憶や感情を言葉にすることの力と、その奥にある難しさをあらためて思いました。私自身は、自分の内側を文章にすることがとても難しく感じています。

『ぼくもいくさに征くのだけれど』は、冒頭から物語に吸い込まれてしまい、気づけばページをめくる手が止まらなくなりました。人の話を聞いて書くとき、「どこに光を当て、どう言葉にするかがすべて」という稲泉さんの言葉の意味が、読んでいくほどに実感として腑に落ちていきます。

戦争を知らない自分が竹内浩三の詩に「共感していいのかな」とためらう気持ち。その一方で、それでも知りたい、感じたいという思いが相手に伝わることで、初めて語ってもらえるのだということ。「この人には本気で話したい」と思わせる関係性が生まれることのすごさを、「大変な耳を持った人だな」という河野さんの言葉から強く感じました。

概要

「たちばな教養学校 Ukon」は、「生きる」をもっと深く味わうための対話の場です。学ぼう、楽しもうという意欲があれば、どなたでも参加できます。第6期では「伝える――思いを、言葉と行動で」をテーマに、全8回の授業を実施します。
※ 学校教育法第107条に定める公開講座

受講料

全8回一括申し込み
15,000円/8回
各回申し込み
2,500円/1回

会場

QUESTION(クエスチョン)7F「クリエイティブ・コモンズ」
〒604-8006京都市中京区河原町通御池下る下丸屋町390-2
https://question.kyoto-shinkin.co.jp

定員

各回100名

申し込みから受講までの流れ

たちばな教養学校Ukonの申し込みから受講までの流れは、以下のとおりです。

1申し込みについて

お申し込みは、イベント管理サイトPeatix(ピーティックス)から「チケット」を購入していただくことで完了します。Peatix以外のお申し込みの方法はご用意しておりませんので、ご了承ください。

Peatixお申し込み方法[PDF]

※初めてPeatixを利用される方は「Peatix利用の流れ 」もご参考ください。

チケットの種類

「チケット」は、全8回分をまとめて購入する方法(全8回一括申し込み)と、1回ずつ購入する方法(各回申し込み)があります。受付は、全8回一括申し込みから開始します。お申し込みいただいた順に受け付けますので、ご希望の方はお早めにお申し込みください。

全8回一括申し込み
2025年9月24日(水)から受付開始
各回申し込み
2025年10月24日(金)から受付開始
  • 一度に購入できるチケットは1枚です。グループでご参加の場合もお一人ずつお申し込みください。
  • チケットは授業当日の開始時刻まで購入できますが、定員になり次第、締め切らせていただきます。
  • チケットのキャンセル・返金の取り扱いは次のとおりです。
    • 主催者側の都合によりやむを得ず授業を中止する場合は、チケット代金を返金いたします。ただし、チケット購入・返金に伴う手数料はご負担いただきますのでご了承ください。
      • 全8回一括お申し込みの場合は、実施できなかった授業回数に相当する金額を返金いたします。
      • 各回申し込みの場合は、購入されたチケット代金を返金いたします。
    • 参加者都合によるキャンセル・返金はお受けできませんので、あらかじめご了承ください。

2受講について

受講当日は、以下のものをご持参ください。

  • Peatixアプリあるいは印刷したチケット(受付にてQRコードを確認します)
  • 筆記用具
  • 上記以外にお持ちいただく物がある場合は別途ご案内します。

お申し込み後の授業に関するご連絡

  • お申し込み後の授業に関するご連絡は、Peatixにご登録のメールへ行います。「@peatix.com」「@tachibana-u.ac.jp」からのメールを受信できるよう設定してください。
  • イベント参加にあたってご不明な点がありましたら、お気軽にお問い合わせください。

受講時の注意事項

  • 各回開始時刻の30分前に開場する予定です。それ以前のご入場・受付はできませんのでご了承ください。
  • 座席は全席自由席です。
  • 会場にクロークやロッカーはありません。手荷物は少なめでご来場の上、ご自身での管理をお願いいたします。
  • Ukonの授業は、オンデマンド配信用に収録します。ご出席の方はカメラに映る可能性がありますので、ご了承のうえご参加ください。
  • 会場内の飲食については「ふたの閉まる飲み物」に限りお持ち込みいただけます。
よくある質問

Peatixを利用したことがありません。電話での申し込みや、現地支払いで参加できないでしょうか。

恐れ入りますが、お申し込みはPeatixサイトからのみ受け付けています。以下のページを参考に、お手続きをお願いします。

Peatixお申し込み方法[PDF]

PC操作が苦手な方は、周りの方にお尋ねいただくなどの方法をご検討ください。Ukon事務局にご相談いただければ、できる限りお手伝いさせていただきます。お気軽にご連絡ください。

グループで参加します。チケットをまとめて購入することはできますか?

複数人分をまとめてお申し込みいただくことはできません。恐れ入りますが、お一人ずつお申し込みください。

申し込み後にキャンセルはできますか?

原則として申し込み者の都合によるキャンセルはお受けできません(返金は致しかねます)。やむをえない事情がある場合は、 Ukon事務局までご相談ください。

学生割引などはありますか?

学生割引などの割引制度はご用意していません。なお、京都橘大学 通信教育課程(たちばなエクール) に在籍する学生さんには、Ukonのオンデマンド授業を正課授業のひとつとして開講しています。

「オンデマンド授業」とは何ですか。

Ukonで開講する対面授業は、収録・編集した上で別途オンデマンド配信を行っています。これを「オンデマンド授業」(有料)と呼んでいます。オンデマンド授業は、各期すべての授業が終了した後に配信を開始します。オンデマンド授業は、こちら[オンデマンド授業一覧]からお申し込みください。

対面授業に申し込みをした場合、オンデマンド授業を視聴することはできますか。

恐れ入りますが、オンデマンド授業の視聴を希望される場合は、別途お申し込みください(有料)。なお、対面授業を「全8回一括申し込み」でお申し込みいただいた方には、オンデマンド授業を無料で視聴いただけます(対面授業がすべて終了してから、約半年後の配信を予定しています。視聴できる期間は、半年間です。)。

子ども連れでの参加も大丈夫でしょうか。

中学生以下のお子さまは無料で受講できます。その場合、保護者の同伴が必要です。
また、静穏な環境の保持にご協力をお願いします。

授業日までに準備しておくことはありますか?

事前課題が出されることもあります。提出は任意ですが、取り組んでいただくとより一層授業を楽しめることと思います。

授業を録音・録画・撮影することはできますか。

授業を録音・録画・撮影することはご遠慮ください。

講師プロフィール

稲泉 連(ノンフィクション作家)

1979年東京生まれ。早稲田大学第二文学部卒。2005年『ぼくもいくさに征くのだけれど――竹内浩三の詩と死』で第36回大宅壮一ノンフィクション賞を史上最年少で受賞。主な著書に『復興の書店』『サーカスの子』など。2025年『パラリンピックと日本人』でミズノスポーツライター賞最優秀賞を受賞。

学頭コメント

学頭・河野通和

フィリピン・ルソン島で戦死した23歳の若者が遺した詩は、彼を愛する人たちの手から手へと受け渡され、伝えられます。その作品に戦争を知らない稲泉さんが出会い、今度は自らが伝え手となって言葉を紡ぎます。その清新な筆致とひたむきな探求は、いまも強く心を打ちます。