
スタッフレビュー
体験することの価値
穏やかな口調ながら激流のようだった長谷川さんの語り。
みなさん、どこまで流されましたか(笑)?
長谷川さんがアートディレクターを務めた
「森の芸術祭 晴れの国・岡山2024」の記録を収めたカタログ
『Tuning in to the forest 誘う森』を昨日購入して閲覧された方はとくにお分かりになったかと思いますが、とても90分には収まらない内容でしたね!
最終的に「公共圏を作る」ということを目指しながら、展覧会を作る、美術館を作る、芸術祭を作るためにどういったことをしてきたのか紹介いただきました。
現代アートはとっつきにくいとか、よく分からないから嫌い! と思われがちな部分を
「よく分からなくてかっこいい」と感じさせる仕掛けを、一貫して作ってこられたんですね。
その中で長谷川さんが意識されたのは“体験をデザインする” ということ。
そのために何をしたかと言うと、
「もう既に存在しているものの姿を、別の形でもう一度見せるだけでいい」
と、飄々と語られたのには驚きでした。
(それがすごいことなんですけどね!!)
では、それを見る側の私たちはどう受け取るのが正解なのよ?
と思ったところでしたが、
「アートの価値はそれ自体というよりも
アートを通じて一人ひとりが体験することにある」
と言われたのが印象的でしたね!
つまり、自由に受け取っていいということ。
その点が他のエンターテイメントと違ってアートが持つ固有のおもしろさだと聞いて、どこか安心して、アートが近づいて来たように感じませんでしたか?
硬くて冷たくて、内側に重力が向かっているイメージだった現代アートが、やわらかく外に開かれて見えた瞬間でした。
そして「公共圏を作る」という中には、アートをみんながみんなものとして創造・消化・再生し、サスティナブルな営みとしての「新資本」を仕掛けようという長谷川さんの願いのようなものが感じられて、その壮大さに圧倒されました。
「こうであったらいいのに」という理想は、政治でも経済だけでもなく、アートなら実現可能なのかと感じて、とてもうれしくなりました!
最後に復習がてら、
『Tuning in to the forest 誘う森』から長谷川さんの言葉を引用させてください。
〜
アートは本来、あらゆるものから自由な位置にあり、
化学、社会学、人類学、デザイン、建築、映画など、
様々な分野を横断する交流の触媒として機能してきた。
情報世界が拡張され、専門性が高度に細分化される現在、
各領域とつながりこれらを翻訳する多様なメディウムをもった現代アートの、
媒介としての役割はますます高まっている。
(P10「はじめに」より)
〜
そうか、アートは遠くから鑑賞するだけのものではなくて、私たちがよく生きるために用いることのできる一つの手段だったんですね。
そう思うと、いろんなものの見方が変わります‥‥。
もう少し暖かくなったら、しばらく行っていなかった21世紀美術館へ足を運びたいと思います!
それではみなさん、次回はいよいよ6期の最終回。
会場でお会いしましょう!
受講者の声
アートが好きで各地の美術館を巡り、美術史の本も読んできましたが、今回の講座で新たに多くの重要なキーワードを得ました。とくに「3Msから3Csへ」という視点に強く共感しました。アートは一人で楽しむだけでなく、語り合い、共感し合い、違いを楽しむ“共生のツール”だと改めて実感しました。
モダンアートについて、これまでうまく言葉にできなかった感覚に、そっと名前をつけてもらえたような気がします。「概念を遊ぶ」という楽しみ方も新鮮で、とても面白かったです。世界の見え方が少し変わって、自分のキャパシティもふわっと広がったように感じています。
(いい意味で)とても軽やかで、スケールの大きな話も不思議なくらいフラットに、ニュートラルに語ってくださるのが印象的でした。うっかり聞き逃しそうになるほど自然で、心地よかったです。
作品を見て「なにこれ?」と思っても、そこで拒まずに面白がって探っていくと、少しずつ理解に近づき、自分のキャパシティも広がっていく——そんなお話が心に残りました。アートに限らず、いろいろな場面で応用できそうだなと感じました。
短い言葉が次々と腑に落ちて、「なるほど」の連続でした。観るヒントをたくさんいただき、景色が一段明るくなった気がします。昨年『フィシスの波紋』で惹かれて以来、今日のお話で胸が震えるほど—本当に“すごい方だ”と何度も思いました。
概要
「たちばな教養学校 Ukon」は、「生きる」をもっと深く味わうための対話の場※です。学ぼう、楽しもうという意欲があれば、どなたでも参加できます。第6期では「伝える――思いを、言葉と行動で」をテーマに、全8回の授業を実施します。
※ 学校教育法第107条に定める公開講座
受講料
- 全8回一括申し込み
- 15,000円/8回
- 各回申し込み
- 2,500円/1回
会場
QUESTION(クエスチョン)7F「クリエイティブ・コモンズ」
〒604-8006京都市中京区河原町通御池下る下丸屋町390-2
https://question.kyoto-shinkin.co.jp
定員
各回100名
申し込みから受講までの流れ
たちばな教養学校Ukonの申し込みから受講までの流れは、以下のとおりです。
1申し込みについて
お申し込みは、イベント管理サイトPeatix(ピーティックス)から「チケット」を購入していただくことで完了します。Peatix以外のお申し込みの方法はご用意しておりませんので、ご了承ください。
※初めてPeatixを利用される方は「Peatix利用の流れ 」もご参考ください。
チケットの種類
「チケット」は、全8回分をまとめて購入する方法(全8回一括申し込み)と、1回ずつ購入する方法(各回申し込み)があります。受付は、全8回一括申し込みから開始します。お申し込みいただいた順に受け付けますので、ご希望の方はお早めにお申し込みください。
- 全8回一括申し込み
- 2025年9月24日(水)から受付開始
- 各回申し込み
- 2025年10月24日(金)から受付開始
- 一度に購入できるチケットは1枚です。グループでご参加の場合もお一人ずつお申し込みください。
- チケットは授業当日の開始時刻まで購入できますが、定員になり次第、締め切らせていただきます。
- チケットのキャンセル・返金の取り扱いは次のとおりです。
- 主催者側の都合によりやむを得ず授業を中止する場合は、チケット代金を返金いたします。ただし、チケット購入・返金に伴う手数料はご負担いただきますのでご了承ください。
- 全8回一括お申し込みの場合は、実施できなかった授業回数に相当する金額を返金いたします。
- 各回申し込みの場合は、購入されたチケット代金を返金いたします。
- 参加者都合によるキャンセル・返金はお受けできませんので、あらかじめご了承ください。
- 主催者側の都合によりやむを得ず授業を中止する場合は、チケット代金を返金いたします。ただし、チケット購入・返金に伴う手数料はご負担いただきますのでご了承ください。
2受講について
受講当日は、以下のものをご持参ください。
- Peatixアプリあるいは印刷したチケット(受付にてQRコードを確認します)
- 筆記用具
- 上記以外にお持ちいただく物がある場合は別途ご案内します。
お申し込み後の授業に関するご連絡
- お申し込み後の授業に関するご連絡は、Peatixにご登録のメールへ行います。「@peatix.com」「@tachibana-u.ac.jp」からのメールを受信できるよう設定してください。
- イベント参加にあたってご不明な点がありましたら、お気軽にお問い合わせください。
受講時の注意事項
- 各回開始時刻の30分前に開場する予定です。それ以前のご入場・受付はできませんのでご了承ください。
- 座席は全席自由席です。
- 会場にクロークやロッカーはありません。手荷物は少なめでご来場の上、ご自身での管理をお願いいたします。
- Ukonの授業は、オンデマンド配信用に収録します。ご出席の方はカメラに映る可能性がありますので、ご了承のうえご参加ください。
- 会場内の飲食については「ふたの閉まる飲み物」に限りお持ち込みいただけます。
よくある質問
Peatixを利用したことがありません。電話での申し込みや、現地支払いで参加できないでしょうか。
恐れ入りますが、お申し込みはPeatixサイトからのみ受け付けています。以下のページを参考に、お手続きをお願いします。
PC操作が苦手な方は、周りの方にお尋ねいただくなどの方法をご検討ください。Ukon事務局にご相談いただければ、できる限りお手伝いさせていただきます。お気軽にご連絡ください。
グループで参加します。チケットをまとめて購入することはできますか?
複数人分をまとめてお申し込みいただくことはできません。恐れ入りますが、お一人ずつお申し込みください。
申し込み後にキャンセルはできますか?
原則として申し込み者の都合によるキャンセルはお受けできません(返金は致しかねます)。やむをえない事情がある場合は、 Ukon事務局までご相談ください。
学生割引などはありますか?
学生割引などの割引制度はご用意していません。なお、京都橘大学 通信教育課程(たちばなエクール) に在籍する学生さんには、Ukonのオンデマンド授業を正課授業のひとつとして開講しています。
「オンデマンド授業」とは何ですか。
Ukonで開講する対面授業は、収録・編集した上で別途オンデマンド配信を行っています。これを「オンデマンド授業」(有料)と呼んでいます。オンデマンド授業は、各期すべての授業が終了した後に配信を開始します。オンデマンド授業は、こちら[オンデマンド授業一覧]からお申し込みください。
対面授業に申し込みをした場合、オンデマンド授業を視聴することはできますか。
恐れ入りますが、オンデマンド授業の視聴を希望される場合は、別途お申し込みください(有料)。なお、対面授業を「全8回一括申し込み」でお申し込みいただいた方には、オンデマンド授業を無料で視聴いただけます(対面授業がすべて終了してから、約半年後の配信を予定しています。視聴できる期間は、半年間です。)。
子ども連れでの参加も大丈夫でしょうか。
中学生以下のお子さまは無料で受講できます。その場合、保護者の同伴が必要です。
また、静穏な環境の保持にご協力をお願いします。
授業日までに準備しておくことはありますか?
事前課題が出されることもあります。提出は任意ですが、取り組んでいただくとより一層授業を楽しめることと思います。
授業を録音・録画・撮影することはできますか。
授業を録音・録画・撮影することはご遠慮ください。
講師プロフィール
京都大学法学部卒。東京藝術大学大学院美術研究科修士課程修了。同大学名誉教授、国際文化会館アートデザイン部門プログラムディレクター、前金沢21世紀美術館館長。これまで海外各地でのビエンナーレや日本文化を紹介する多数の国際展を企画。著書に『キュレーション 知と感性を揺さぶる力』など。
芸大在学中にヨーゼフ・ボイスの講演企画に関わり、現代アートのパワーを実感。作家と人びとをつなぐキュレーションの途を志し、さまざまな美術館で意欲的な企画を推進します。幅広い異分野を交差させ、既存の認識と感性を揺さぶり、身体を通した発見へと導く場を作ってきました。