
スタッフレビュー
差異は魅力
7期が幕を開けました!
「五感をみがくーー心を整え、「生きる」を手入れする」をテーマにした今期、
第1回にお迎えしたのは歌人の穂村弘さんです。
「微細な「差異」をたのしむ」という題目で、
ご自身の体験や市井の人々の短歌を例に挙げながら
そこに潜む差異を解説してくださいました。
地域によって違いすぎるジャンケンのかけ声、
西瓜に塩ありやなしや問題、パンツを共有する家族などなど。
ゆったりと核心を突く独特の語り口に、
声が出るほど(私は涙が出るほどでした)笑ってしまいましたね。
講義を終えた今、その笑いの正体について考えてみると、
・解説によって違う価値観が頭で理解できたこと
・なんとなく感じた違和感を言語化してもらえたこと
・違和感を持つ人が自分以外にもいたこと
などによる安心感からきているのかも、
と思い当たりました。
つまり冒頭で穂村さんが言われたように、
人はどこまでも「自分が中心」の世界を生きているんですね。
けれども面白かったのは、
差異が大きいすぎると変人と思われたり
長い時間を一緒に過ごすには居心地が悪いけれど、
自分とは見えている世界が違う人は魅力的でもあるということでした。
講義の後の「放課後」では実に様々な種類の話題が出ましたが、
今の世界の様相を悲観してしまう時にどうしているか?
という質問に対する穂村さんの答えに心を打たれました。
「恐ろしさ、悲しさを歌うときにも、
そこによろこびを感じられるようでありたい」
これはまさに今回の講義のテーマに繋がることであり、
人や世界を分断する「違いへの否定」に対する問いかけと、
歌人としての矜持を感じました
他者と違うことをおもしろがれる人、
そんなふうに世界を見られるようでいたいなと思いましたが、
みなさんは何を思われましたか?
ちなみにこのように毎回講義の後に
事務局からレビューをお送りしていますが、
これはみなさんに講義を振り返っていただくきっかけになるための
スタッフの個人的な感想です。
もし違いを感じられたら、その差異をたのしみながら
ご自身の捉え方を深めていただけたら
これほどうれしいことはありません。
それでは次回もUkonでお会いしましょう!
講師からのメッセージ
生まれたての仔猫にも性格や行動の違いがあるらしい。ばらばらに動く姿を見た時、なんだか安心した。その一方で、レストランのメニューから妻が注文したものに驚いたりする。まさかそれを選ぶとは。何十年も一緒に暮らして、ほとんどの食事を共にしているのに、私の予想はいつも外れる。それを云えば、昔、自分が書いた本も怖くて開けない。たぶん、今の自分とは別人のようなことが書いてある気がして。いや、読んでないからわからないけど。生きることの揺らぎは凄まじい。
受講者の声
短歌はハッとし、ドキッとし、ときにクスッと笑える刺激的な時間でした。どこか指圧のような心地よさもあります。自分や周囲の「邪魔くささ」も楽しんでいきたい。放課後の話にも唸り、これから穂村さんの言動を追いかけたいです。
ユーモアに共感しながら、あっという間の時間でした。言葉の表現による微細な違いを楽しむ視点を知りました。間に合うよう走ってきてよかったです。日本語の使い手でよかったと感じ、これからはその技も磨いていきたいです。
どの言葉を選ぶか。その人の見ている世界や大切にしていることがにじむのだと感じました。いろんな世界をのぞき見るような時間。穂村先生の「うっとりする」という言葉にも、思わずうっとりしました。
言葉への感受性や人との違いを、短歌を通して初めて実感しました。こだわりや習慣、地域性の違いをどう受け取るかが、それぞれの世界を形づくっていると感じます。「画一的な可愛さは読者をなめている」という言葉も心に残りました。
ものの見方や感じ方には、想像以上の広がりがあると気づきました。自分が見ている世界はほんの一部で、その先にまだ知らない魅力的な世界が広がっている。そう実感させてくれた穂村さんに出会えたことが、何よりの収穫でした。参加できてよかったです。
概要
「たちばな教養学校 Ukon」は、「生きる」をもっと深く味わうための対話の場※です。学ぼう、楽しもうという意欲があれば、どなたでも参加できます。第7期では「五感をみがく──心を整え、『生きる』を手入れする」をテーマに、全8回の授業を実施します。
※ 学校教育法第107条に定める公開講座
受講料
- 全8回一括申し込み
- 18,000円/8回
- 各回申し込み
- 3,000円/1回
会場
QUESTION(クエスチョン)7F「クリエイティブ・コモンズ」
〒604-8006京都市中京区河原町通御池下る下丸屋町390-2
https://question.kyoto-shinkin.co.jp
放課後として講師を交えた懇親会を実施する場合があります。
放課後の有無は、お申し込みいただいた方に別途ご案内します。
定員
各回100名
申し込みから受講までの流れ
たちばな教養学校Ukonの申し込みから受講までの流れは、以下のとおりです。
1申し込みについて
お申し込みは、イベント管理サイトPeatix(ピーティックス)から「チケット」を購入していただくことで完了します。Peatix以外のお申し込みの方法はご用意しておりませんので、ご了承ください。
※初めてPeatixを利用される方は「Peatix利用の流れ 」もご参考ください。
チケットの種類
「チケット」は、全8回分をまとめて購入する方法(全8回一括申し込み)と、1回ずつ購入する方法(各回申し込み)があります。受付は、全8回一括申し込みから開始します。お申し込みいただいた順に受け付けますので、ご希望の方はお早めにお申し込みください。
- 全8回一括申し込み
- 2026年3月11日(水)から受付開始
- 各回申し込み
- 2026年4月17日(金)から受付開始
- 一括申し込みの方には、後日オンデマンド授業の配信があります。
- 一度に購入できるチケットは1枚です。グループでご参加の場合もお一人ずつお申し込みください。
- チケットは授業当日の開始時刻まで購入できますが、定員になり次第、締め切らせていただきます。
- チケットのキャンセル・返金の取り扱いは次のとおりです。
- 主催者側の都合によりやむを得ず授業を中止する場合は、チケット代金を返金いたします。ただし、チケット購入・返金に伴う手数料はご負担いただきますのでご了承ください。
- 全8回一括お申し込みの場合は、実施できなかった授業回数に相当する金額を返金いたします。
- 各回申し込みの場合は、購入されたチケット代金を返金いたします。
- 参加者都合によるキャンセル・返金はお受けできませんので、あらかじめご了承ください。
- 主催者側の都合によりやむを得ず授業を中止する場合は、チケット代金を返金いたします。ただし、チケット購入・返金に伴う手数料はご負担いただきますのでご了承ください。
2受講について
受講当日は、以下のものをご持参ください。
- Peatixアプリあるいは印刷したチケット(受付にてQRコードを確認します)
- 筆記用具
- 上記以外にお持ちいただく物がある場合は別途ご案内します。
お申し込み後の授業に関するご連絡
- お申し込み後の授業に関するご連絡は、Peatixにご登録のメールへ行います。「@peatix.com」「@tachibana-u.ac.jp」からのメールを受信できるよう設定してください。
- イベント参加にあたってご不明な点がありましたら、お気軽にお問い合わせください。
受講時の注意事項
- 各回開始時刻の30分前に開場する予定です。それ以前のご入場・受付はできませんのでご了承ください。
- 座席は全席自由席です。
- 会場にクロークやロッカーはありません。手荷物は少なめでご来場の上、ご自身での管理をお願いいたします。
- Ukonの授業は、オンデマンド配信用に収録します。ご出席の方はカメラに映る可能性がありますので、ご了承のうえご参加ください。
- 会場内の飲食については「ふたの閉まる飲み物」に限りお持ち込みいただけます。
よくある質問
Peatixを利用したことがありません。電話での申し込みや、現地支払いで参加できないでしょうか。
恐れ入りますが、お申し込みはPeatixサイトからのみ受け付けています。以下のページを参考に、お手続きをお願いします。
PC操作が苦手な方は、周りの方にお尋ねいただくなどの方法をご検討ください。Ukon事務局にご相談いただければ、できる限りお手伝いさせていただきます。お気軽にご連絡ください。
グループで参加します。チケットをまとめて購入することはできますか?
複数人分をまとめてお申し込みいただくことはできません。恐れ入りますが、お一人ずつお申し込みください。
申し込み後にキャンセルはできますか?
原則として申し込み者の都合によるキャンセルはお受けできません(返金は致しかねます)。やむをえない事情がある場合は、 Ukon事務局までご相談ください。
学生割引などはありますか?
学生割引などの割引制度はご用意していません。
「オンデマンド授業」とは何ですか。
Ukonで開講する対面授業は、収録・編集した上で別途オンデマンド配信を行っています。これを「オンデマンド授業」(有料)と呼んでいます。オンデマンド授業は、こちら[オンデマンド授業一覧]からお申し込みください。
対面授業に申し込みをした場合、オンデマンド授業を視聴することはできますか。
恐れ入りますが、オンデマンド授業の視聴を希望される場合は、別途お申し込みください(有料)。なお、対面授業を「全8回一括申し込み」でお申し込みいただいた方には、オンデマンド授業を無料で視聴いただけます(対面授業がすべて終了してから、約半年後の配信を予定しています。視聴できる期間は、半年間です。)。
子ども連れでの参加も大丈夫でしょうか。
中学生以下のお子さまは無料で受講できます。その場合、保護者の同伴が必要です。
また、静穏な環境の保持にご協力をお願いします。
授業日までに準備しておくことはありますか?
事前課題が出されることもあります。提出は任意ですが、取り組んでいただくとより一層授業を楽しめることと思います。
授業を録音・録画・撮影することはできますか。
授業を録音・録画・撮影することはご遠慮ください。
講師プロフィール
1962年北海道生まれ。1990年に歌集『シンジケート』でデビュー。歌論集『短歌の友人』で伊藤整文学賞、『鳥肌が』で講談社エッセイ賞、歌集『水中翼船炎上中』で若山牧水賞を受賞。歌集『ラインマーカーズ』、近刊に『近現代短歌』『迷子手帳』『蛸足ノート』『満月が欠けている』など。
穂村さんの短歌評にはいつも唸ってしまいます。「見渡せばガラスの小部屋に入る夫全身煙に包まれたくて」――下の句が効いていて、喫煙所に入る夫を眺める「アイロニカルな眼差しが表現されている。喫煙者の気が知れないのだ」と。日常のささいな光景。つい今しがた、微苦笑させられたばかりの一例です。