
スタッフレビュー
本当の「自然さ」って?
日々、植物に向き合い続けている川原さんから、
好きなだけではなくて、怖さも感じる」
という言葉が出てきたのは意外でした。
そして、植物という存在が無限に増殖し、
変幻自在で、個体の概念がなく、結合可能であること、
(ほぼ)不老不死ということに、本当に驚きましたね!
まさに人間を超越した生命体なのだなと思いました。
「寿命がない生物なら、ケアしなければ」
「弱ったときに所有者の責任とか、ただ捨てておきますとは言えない」
という言葉から、植物だけでなく人や自分に対してとても誠実な人だなと感じました。
同業者の反対を押し切りながら、“プランツケア” と“グリーフケア” をはじめた川原さん。
「僕は植物に操られているかもしれません」と言われたとき、
確かにそうなのかも? と思ってしまいました(笑)。
「園芸は人間中心主義から来る、自然破壊だ」と他ならぬ川原さんが言うのですから。
この思想の面でも、国内外から注目されていることがわかりました。
川原さんはこのことを前提にした上で、
「人が自然から感じる“自然”とは何か?」
という問いを深めます。
この部分、日本人の私たちの感性が得意とするところだと思いませんでしたか?
事務局スタッフの私は、茶道の先生から聞いた話を思い出しました。
武野紹鴎が、弟子の千利休を試そうとして庭の掃除を命じます。
利休が庭に行くと、すでに完璧に掃き清められていました。
利休はしばらく考えてから、木を一本揺らして庭に葉を舞い落としました。
それを見た紹鴎は、利休の才を認めたということです。
(この話は、紹鴎が利休であるバージョンも広く知られています)
「自然さとは何か?」
――この問いに唯一の正解があるわけではないけれど、
向き合うことが人生を深めてくれるかもしれません。
それでは次回もUkonでお会いしましょう!
講師からのメッセージ
植物は人を凌駕した超越的生命である。こう宣言するところから本講義をはじめさせてもらいました。唐突な発言に会場の誰もが驚きを隠せない様子でしたが、講義が進むにつれて腑に落ちた表情へと変わっていったのが印象的でした。人は長い歴史のなかで、植物という“超越“を飼い慣らす「園芸」という文化を発展させてきました。そして庭園やいけばなに代表されるように、日本のなかで京都という土地はその中心であり続けました。そんな京都の皆さんにとっては、忘れていたことを思い出したという感覚だったのではないでしょうか。自然中心でも人間中心でもない、自然と人のよりよい関係のお手本は京都のそこかしこで見つかるはずです。
受講者の声
植物を買っては枯らしてしまう、そんな日々を当たり前に受け入れてきました。「植物には寿命がない」と知り、その感覚が揺さぶられました。自分の都合で物事を見る視点を見直すきっかけになりました。
植物は本来もっと強い存在のはずなのに、いつの間にか逆転しているように感じていました。その前提を揺さぶる話が重なり、印象に残りました。動けないからこそある感覚の鋭さに触れ、もう少し知りたいと思いました。
話のひとつひとつには納得しながらも、どう受け止めればよいのか、すぐには整理できませんでした。庭に宿る人の手の仕事を思い浮かべつつ、自然と人の関係について、あらためて考えを巡らす機会になりました。
自然と人の関係について、これまで抱いていた違和感が、少し言葉になるような時間でした。手を加えた森や田畑もまた人の営みの中にあり、「自然」という捉え方は相対的なものかもしれないと感じました。考えを深めるきっかけになりました。
人がつくり出した「自然らしさ」を、私たちは自然として楽しんでいるのかもしれません。そもそも人もまた自然の一部であるとすれば、人の手が加わったものも自然と捉えられるのではないか――そんな感覚が残りました。
概要
「たちばな教養学校 Ukon」は、「生きる」をもっと深く味わうための対話の場※です。学ぼう、楽しもうという意欲があれば、どなたでも参加できます。第7期では「五感をみがく──心を整え、『生きる』を手入れする」をテーマに、全8回の授業を実施します。
※ 学校教育法第107条に定める公開講座
受講料
- 全8回一括申し込み
- 18,000円/8回
- 各回申し込み
- 3,000円/1回
会場
QUESTION(クエスチョン)7F「クリエイティブ・コモンズ」
〒604-8006京都市中京区河原町通御池下る下丸屋町390-2
https://question.kyoto-shinkin.co.jp
放課後として講師を交えた懇親会を実施する場合があります。
放課後の有無は、お申し込みいただいた方に別途ご案内します。
定員
各回100名
申し込みから受講までの流れ
たちばな教養学校Ukonの申し込みから受講までの流れは、以下のとおりです。
1申し込みについて
お申し込みは、イベント管理サイトPeatix(ピーティックス)から「チケット」を購入していただくことで完了します。Peatix以外のお申し込みの方法はご用意しておりませんので、ご了承ください。
※初めてPeatixを利用される方は「Peatix利用の流れ 」もご参考ください。
チケットの種類
「チケット」は、全8回分をまとめて購入する方法(全8回一括申し込み)と、1回ずつ購入する方法(各回申し込み)があります。受付は、全8回一括申し込みから開始します。お申し込みいただいた順に受け付けますので、ご希望の方はお早めにお申し込みください。
- 全8回一括申し込み
- 2026年3月11日(水)から受付開始
- 各回申し込み
- 2026年4月17日(金)から受付開始
- 一括申し込みの方には、後日オンデマンド授業の配信があります。
- 一度に購入できるチケットは1枚です。グループでご参加の場合もお一人ずつお申し込みください。
- チケットは授業当日の開始時刻まで購入できますが、定員になり次第、締め切らせていただきます。
- チケットのキャンセル・返金の取り扱いは次のとおりです。
- 主催者側の都合によりやむを得ず授業を中止する場合は、チケット代金を返金いたします。ただし、チケット購入・返金に伴う手数料はご負担いただきますのでご了承ください。
- 全8回一括お申し込みの場合は、実施できなかった授業回数に相当する金額を返金いたします。
- 各回申し込みの場合は、購入されたチケット代金を返金いたします。
- 参加者都合によるキャンセル・返金はお受けできませんので、あらかじめご了承ください。
- 主催者側の都合によりやむを得ず授業を中止する場合は、チケット代金を返金いたします。ただし、チケット購入・返金に伴う手数料はご負担いただきますのでご了承ください。
2受講について
受講当日は、以下のものをご持参ください。
- Peatixアプリあるいは印刷したチケット(受付にてQRコードを確認します)
- 筆記用具
- 上記以外にお持ちいただく物がある場合は別途ご案内します。
お申し込み後の授業に関するご連絡
- お申し込み後の授業に関するご連絡は、Peatixにご登録のメールへ行います。「@peatix.com」「@tachibana-u.ac.jp」からのメールを受信できるよう設定してください。
- イベント参加にあたってご不明な点がありましたら、お気軽にお問い合わせください。
受講時の注意事項
- 各回開始時刻の30分前に開場する予定です。それ以前のご入場・受付はできませんのでご了承ください。
- 座席は全席自由席です。
- 会場にクロークやロッカーはありません。手荷物は少なめでご来場の上、ご自身での管理をお願いいたします。
- Ukonの授業は、オンデマンド配信用に収録します。ご出席の方はカメラに映る可能性がありますので、ご了承のうえご参加ください。
- 会場内の飲食については「ふたの閉まる飲み物」に限りお持ち込みいただけます。
よくある質問
Peatixを利用したことがありません。電話での申し込みや、現地支払いで参加できないでしょうか。
恐れ入りますが、お申し込みはPeatixサイトからのみ受け付けています。以下のページを参考に、お手続きをお願いします。
PC操作が苦手な方は、周りの方にお尋ねいただくなどの方法をご検討ください。Ukon事務局にご相談いただければ、できる限りお手伝いさせていただきます。お気軽にご連絡ください。
グループで参加します。チケットをまとめて購入することはできますか?
複数人分をまとめてお申し込みいただくことはできません。恐れ入りますが、お一人ずつお申し込みください。
申し込み後にキャンセルはできますか?
原則として申し込み者の都合によるキャンセルはお受けできません(返金は致しかねます)。やむをえない事情がある場合は、 Ukon事務局までご相談ください。
学生割引などはありますか?
学生割引などの割引制度はご用意していません。
「オンデマンド授業」とは何ですか。
Ukonで開講する対面授業は、収録・編集した上で別途オンデマンド配信を行っています。これを「オンデマンド授業」(有料)と呼んでいます。オンデマンド授業は、こちら[オンデマンド授業一覧]からお申し込みください。
対面授業に申し込みをした場合、オンデマンド授業を視聴することはできますか。
恐れ入りますが、オンデマンド授業の視聴を希望される場合は、別途お申し込みください(有料)。なお、対面授業を「全8回一括申し込み」でお申し込みいただいた方には、オンデマンド授業を無料で視聴いただけます(対面授業がすべて終了してから、約半年後の配信を予定しています。視聴できる期間は、半年間です。)。
子ども連れでの参加も大丈夫でしょうか。
中学生以下のお子さまは無料で受講できます。その場合、保護者の同伴が必要です。
また、静穏な環境の保持にご協力をお願いします。
授業日までに準備しておくことはありますか?
事前課題が出されることもあります。提出は任意ですが、取り組んでいただくとより一層授業を楽しめることと思います。
授業を録音・録画・撮影することはできますか。
授業を録音・録画・撮影することはご遠慮ください。
講師プロフィール
1981年東京生まれ。園芸家、華道家、植物専門店REN代表、創業1919年園芸店4代目、欧州国際認定フローリスト。著書に『植物哲学──自然と人のよりよい付き合い方』(講談社選書メチエ)、『プランツケア──100年生きる観葉植物の育て方』(サンマーク出版)。
「生まれかわれるなら木になりたい」と語ったある長老の言葉を聞いて、グラリと世界観が揺らぎました。近年の植物研究の成果を知るにつけ、植物は人知を凌駕する「超越的生命」だとする川原さんの「植物哲学」にも頷きます。手入れされた自然とともにある京都の地で、園芸家という実践を通した氏の知見をゆっくり伺うのは楽しみです。