
スタッフレビュー
MISSION:「環状線」から脱出せよ!
頭がフル回転させられるような、濃い90分でしたね!
課題から取り組んだ方にとっては、とくに充実した時間になったのではないでしょうか。
提出してくださった回答の中には、
キルケゴールやマクルーハンが問題視していたことが
まさに現代にも当てはまることに驚いたという内容が多くありました。
福嶋さんは、
「昔からある問題が、AIの加速化によって再来している」
と指摘します。
それは、「大衆=メディア」という匿名的な力が「水平化」を生み出し、
その水平化がさらに「大衆=メディア」を生むというループ的構造になっていること。
このループ構造を、福嶋さんは東京の「環状線」と呼んでいました(なるほど!)。
自分から取りに行った(つもりの)情報が既にその構造の中にあるので、
どうしたって個人の存在は抽象化してしまう。
では、この環状線から脱出するにはどうしたらいいのか?
という問いが会場の全員の頭に浮かんだはずです。
キルケゴールは、
「個人個人が個々別々に不動の宗教性を獲得するしかない」(『現代の不安』岩波文庫)
と言っていますが、「宗教性」というのは日本の今を生きる私たちにはピンと来ませんでしたね。
そこで福嶋さんは、いろんな角度の例えから示唆してくださいました。
(自己の大衆との)ズレを大事にしてみること。
規定のルートとは別の道を行ってみること。(環状線だけに?)
そして印象的だったのは、福嶋さん自身は
「作家である自分との約束を果たそうとして生きている」
とおっしゃったことでした。
この言葉には、福嶋さんの作家としての矜持と使命感を感じたのと同時に、
「宗教性」という言葉の意味が見えてきた気がしました。
今回の講義は「時代の羅針盤を求めて――21世紀の実存」というタイトルでしたが、
その土台となる大テーマとして「どう生きるか?」ということを挙げながら、
福嶋さんはこれに対する答えよりも、この問いを持ち続けることが大事だとおっしゃいました。
さて、どうやって――?
その答えは、「放課後」で。
「こんな千本ノックなんですね(笑)」と言いながら、古典を読むのは1つの手だと教えてくださいました。
もう1つは、大衆と区別した自己を持ちながら(環状線から脱出しながら)も、他者と接触しながら「惑星的に生きる」ということ。
この言葉にはいろんな意味が込められていたかと思うので、深堀りしたい方はぜひオンデマンドで復習しましょう!
でもやっぱり、他者との対話は大事なんですね。
他者がいないと、自己の部分がわからないですもんね。
それでは次回もUkonでお会いしましょう!
受講者の声
一見すると難解に思えるテーマを、現代の言葉で分かりやすく翻訳しながら伝えてくださったのが印象的でした。古典的な思想が今の社会や日常と結びつき、新たな視点を得ることができました。
マクルーハンやキルケゴールを手がかりに、生成AIやSNSとの向き合い方を考える時間となりました。AIの「それっぽいものを作る力」を活用しながらも、自分自身が「腑に落ちる」経験を大切にしたいと感じました。「AIは本人にはなれない」など、印象的な言葉が数多く心に残っています。
「答えより問いが大切」「山手線の外に出る」「腑に落ちる体験を重ねる」。講義を通じて、自分自身がどう生きたいのかを見つめ直す機会になりました。情報があふれる時代だからこそ、自ら考え行動することの大切さを実感した、今後の人生の羅針盤となるような学びでした。
物事を見るためのレンズを、一体いくつ持っておられるのだろうと思うほど、多様な視点から時代や社会を読み解く講義でした。普段見えている世界が少し違って見えるような発見があり、「時代の羅針盤」というタイトルにふさわしい内容でした。
大学の先生のお話なのに「紙だ!」と驚きましたが、講義を聴くうちにその理由に納得しました。普段当たり前に使っているメディアを見つめ直すきっかけとなりました。
概要
「たちばな教養学校 Ukon」は、「生きる」をもっと深く味わうための対話の場※です。学ぼう、楽しもうという意欲があれば、どなたでも参加できます。第7期では「五感をみがく──心を整え、『生きる』を手入れする」をテーマに、全8回の授業を実施します。
※ 学校教育法第107条に定める公開講座
受講料
- 全8回一括申し込み
- 18,000円/8回
- 各回申し込み
- 3,000円/1回
会場
QUESTION(クエスチョン)7F「クリエイティブ・コモンズ」
〒604-8006京都市中京区河原町通御池下る下丸屋町390-2
https://question.kyoto-shinkin.co.jp
放課後として講師を交えた懇親会を実施する場合があります。
放課後の有無は、お申し込みいただいた方に別途ご案内します。
定員
各回100名
申し込みから受講までの流れ
たちばな教養学校Ukonの申し込みから受講までの流れは、以下のとおりです。
1申し込みについて
お申し込みは、イベント管理サイトPeatix(ピーティックス)から「チケット」を購入していただくことで完了します。Peatix以外のお申し込みの方法はご用意しておりませんので、ご了承ください。
※初めてPeatixを利用される方は「Peatix利用の流れ 」もご参考ください。
チケットの種類
「チケット」は、全8回分をまとめて購入する方法(全8回一括申し込み)と、1回ずつ購入する方法(各回申し込み)があります。受付は、全8回一括申し込みから開始します。お申し込みいただいた順に受け付けますので、ご希望の方はお早めにお申し込みください。
- 全8回一括申し込み
- 2026年3月11日(水)から受付開始
- 各回申し込み
- 2026年4月17日(金)から受付開始
- 一括申し込みの方には、後日オンデマンド授業の配信があります。
- 一度に購入できるチケットは1枚です。グループでご参加の場合もお一人ずつお申し込みください。
- チケットは授業当日の開始時刻まで購入できますが、定員になり次第、締め切らせていただきます。
- チケットのキャンセル・返金の取り扱いは次のとおりです。
- 主催者側の都合によりやむを得ず授業を中止する場合は、チケット代金を返金いたします。ただし、チケット購入・返金に伴う手数料はご負担いただきますのでご了承ください。
- 全8回一括お申し込みの場合は、実施できなかった授業回数に相当する金額を返金いたします。
- 各回申し込みの場合は、購入されたチケット代金を返金いたします。
- 参加者都合によるキャンセル・返金はお受けできませんので、あらかじめご了承ください。
- 主催者側の都合によりやむを得ず授業を中止する場合は、チケット代金を返金いたします。ただし、チケット購入・返金に伴う手数料はご負担いただきますのでご了承ください。
2受講について
受講当日は、以下のものをご持参ください。
- Peatixアプリあるいは印刷したチケット(受付にてQRコードを確認します)
- 筆記用具
- 上記以外にお持ちいただく物がある場合は別途ご案内します。
お申し込み後の授業に関するご連絡
- お申し込み後の授業に関するご連絡は、Peatixにご登録のメールへ行います。「@peatix.com」「@tachibana-u.ac.jp」からのメールを受信できるよう設定してください。
- イベント参加にあたってご不明な点がありましたら、お気軽にお問い合わせください。
受講時の注意事項
- 各回開始時刻の30分前に開場する予定です。それ以前のご入場・受付はできませんのでご了承ください。
- 座席は全席自由席です。
- 会場にクロークやロッカーはありません。手荷物は少なめでご来場の上、ご自身での管理をお願いいたします。
- Ukonの授業は、オンデマンド配信用に収録します。ご出席の方はカメラに映る可能性がありますので、ご了承のうえご参加ください。
- 会場内の飲食については「ふたの閉まる飲み物」に限りお持ち込みいただけます。
よくある質問
Peatixを利用したことがありません。電話での申し込みや、現地支払いで参加できないでしょうか。
恐れ入りますが、お申し込みはPeatixサイトからのみ受け付けています。以下のページを参考に、お手続きをお願いします。
PC操作が苦手な方は、周りの方にお尋ねいただくなどの方法をご検討ください。Ukon事務局にご相談いただければ、できる限りお手伝いさせていただきます。お気軽にご連絡ください。
グループで参加します。チケットをまとめて購入することはできますか?
複数人分をまとめてお申し込みいただくことはできません。恐れ入りますが、お一人ずつお申し込みください。
申し込み後にキャンセルはできますか?
原則として申し込み者の都合によるキャンセルはお受けできません(返金は致しかねます)。やむをえない事情がある場合は、 Ukon事務局までご相談ください。
学生割引などはありますか?
学生割引などの割引制度はご用意していません。
「オンデマンド授業」とは何ですか。
Ukonで開講する対面授業は、収録・編集した上で別途オンデマンド配信を行っています。これを「オンデマンド授業」(有料)と呼んでいます。オンデマンド授業は、こちら[オンデマンド授業一覧]からお申し込みください。
対面授業に申し込みをした場合、オンデマンド授業を視聴することはできますか。
恐れ入りますが、オンデマンド授業の視聴を希望される場合は、別途お申し込みください(有料)。なお、対面授業を「全8回一括申し込み」でお申し込みいただいた方には、オンデマンド授業を無料で視聴いただけます(対面授業がすべて終了してから、約半年後の配信を予定しています。視聴できる期間は、半年間です。)。
子ども連れでの参加も大丈夫でしょうか。
中学生以下のお子さまは無料で受講できます。その場合、保護者の同伴が必要です。
また、静穏な環境の保持にご協力をお願いします。
授業日までに準備しておくことはありますか?
事前課題が出されることもあります。提出は任意ですが、取り組んでいただくとより一層授業を楽しめることと思います。
授業を録音・録画・撮影することはできますか。
授業を録音・録画・撮影することはご遠慮ください。
講師プロフィール
1981年京都市生まれ。批評家。京都大学大学院文学研究科博士課程修了。著書は『世界文学のアーキテクチャ』『復興文化論』『ハロー、ユーラシア』『感染症としての文学と哲学』『思考の庭のつくり方』他多数。最新の著作は『メディアが人間である』(blueprint)。
コロナウイルスの感染拡大に続き、いまや生成AIや量子コンピュータが急速な勢いで展開しています。この先、私たちの社会のみならず、価値観はどのように変化していくのでしょう? 文学という営みを歴史的に、グローバルに問い直し、併せて近未来の時代精神の行方や見取り図を描こうとする氏の知的探査からは目が離せません。