五感をみがく──心を整え、「生きる」を手入れする
第7期2026年8月7日(金)19:00~20:30
無意識をのぞきこむ――森山大道と写真
大竹 昭子(作家)

スタッフレビュー

スタッフレビュー

人の記憶になる記録。

Ukon第5期に、「『遺品談話室』のこと」をテーマに登壇いただいた大竹さんですが、
今回は全く違った切り口でしたね。

戦後日本を代表する写真家・森山大道について、
著書である『写真があってよかった―森山大道伝―』をなぞりながら、
大竹さん自身が見た森山大道という人物像に触れられた気がしました。

事前課題に、
「昔撮った写真を取り出し、撮ったときと違うことが思い浮んだら
書きだしてみてください。」という内容が出ていましたが、
回答の中に
「(中略)写真って、何のために撮るんでしょうね?」
と書かれた方がいらっしゃいました。

これは、今回の講義で欠かせないテーマだったかと思います。
そして、誰よりもその答えを探し求めながら撮り続けたのが森山大道だったと、
大竹さんは語られました。

大竹さん自身、写真というものに夢中になった経験があって、
のめりこむほどに疑問が浮かんできたそう。
「自分が撮ったのか、カメラが撮ったのか、
あるいは被写体が撮らせてくれたのかよくわからない。
写真と人の間には、常に謎が存在している。」
という言葉が印象的でした。
撮れば撮るほど、大海に浮かんでいるような寄る辺なさを感じる――
この感覚を大竹さん自身が体験したことが、
森山大道という人の解像度を上げたのではないでしょうか。

意図的に撮ろうとするのではなく、
自分の身体をセンサーのように使いながら、
眼の前に起こった現象を、記録的に“写し”続けた人。
振り返るとそれはそのまま、
人の営み、人の生というものに伴走する記憶(アーカイブ)として集大成される。

森山が成したことを、その文脈を深く理解できる人は、
大竹さん以外にはいなかったのではないかと思い知った気がしました。

写真って、不思議なものですね‥‥。

それでは次回もUkonでお会いしましょう!

講師からのメッセージ

いまやだれでも写真を撮るし、息をするくらい当り前のことですけれど、写真を語ろうとすると意外にムズカシイのです。今回のレクチャーではその困難さに挑戦するのに、「無意識」という概念を導入してみました。写真を見るたびにあぶり出されるこれまで意識していなかった「自分」。「私」のなかにいる多くの「他者」。「私」を縛っていたものを解いてくれる力が写真にはあるんです。そう気づきながらも、私が写真ではなく、書くほうを選択したのはなぜか?受講後のアンケートにも、そこが知りたい、というお言葉がありました。
ひとつには考えるのが好きだからでしょうね。言葉を介さずに考えることは出来ないですから、言葉へのこだわりが強かったのです。でも、撮りながらだって考えられるはずです。その路線でいかなかったのはなぜか?きっと写真を続けるのは大変そうと察知して日和ったのでしょうね。ですから、写真と文章の両輪をまわしながら進む人のことを尊敬しています。

受講者の声

森山大道の生涯と、写真という存在との関係を深く考察した内容で、納得させられる話がたくさんありました。普段何気なく撮っている写真が、実は自分の人生と深く結びついているように感じられました。「無意識を意識する」という言葉には、まさに目から鱗でした。

「写真とは何か?」という問いに、答えはあるのでしょうか。 森山大道は、その答えにたどり着いたのでしょうか。 授業を通して、そんなことを考え続けていました。

"写真とは何か?"という問いについて改めて考えさせられました。 私は絵を描く者ですが、これまで写真は「目に見えるものを写すもの」だから、絵よりも手軽な表現なのではないかと思っていました。しかし、それがずいぶん浅い捉え方だったことに気づかされました。

大竹さんはなぜ写真ではなく文章のほうに進まれたのかを聞いてみたくなりました。どんな部分が一番迷うのかなぁと想像していました。

森山大道を通して、写真と無意識の不思議な関係について考えさせられました。写真は自分の記録や記憶そのものだと思っていましたが、それだけではない奥深さがあることに気づかされました。今日のお話を聞いて、ものの見方が少し変わった気がします。

名前しか知らなかった森山大道。生涯に渡って写真に対して実直に向き合っている姿勢に圧倒されました。

概要

「たちばな教養学校 Ukon」は、「生きる」をもっと深く味わうための対話の場です。学ぼう、楽しもうという意欲があれば、どなたでも参加できます。第7期では「五感をみがく──心を整え、『生きる』を手入れする」をテーマに、全8回の授業を実施します。
※ 学校教育法第107条に定める公開講座

受講料

全8回一括申し込み
18,000円/8回
各回申し込み
3,000円/1回

会場

QUESTION(クエスチョン)7F「クリエイティブ・コモンズ」
〒604-8006京都市中京区河原町通御池下る下丸屋町390-2
https://question.kyoto-shinkin.co.jp
放課後として講師を交えた懇親会を実施する場合があります。
放課後の有無は、お申し込みいただいた方に別途ご案内します。

定員

各回100名

申し込みから受講までの流れ

たちばな教養学校Ukonの申し込みから受講までの流れは、以下のとおりです。

1申し込みについて

お申し込みは、イベント管理サイトPeatix(ピーティックス)から「チケット」を購入していただくことで完了します。Peatix以外のお申し込みの方法はご用意しておりませんので、ご了承ください。

Peatixお申し込み方法[PDF]

※初めてPeatixを利用される方は「Peatix利用の流れ 」もご参考ください。

チケットの種類

「チケット」は、全8回分をまとめて購入する方法(全8回一括申し込み)と、1回ずつ購入する方法(各回申し込み)があります。受付は、全8回一括申し込みから開始します。お申し込みいただいた順に受け付けますので、ご希望の方はお早めにお申し込みください。

全8回一括申し込み
2026年3月11日(水)から受付開始
各回申し込み
2026年4月17日(金)から受付開始
  • 一括申し込みの方には、後日オンデマンド授業の配信があります。
  • 一度に購入できるチケットは1枚です。グループでご参加の場合もお一人ずつお申し込みください。
  • チケットは授業当日の開始時刻まで購入できますが、定員になり次第、締め切らせていただきます。
  • チケットのキャンセル・返金の取り扱いは次のとおりです。
    • 主催者側の都合によりやむを得ず授業を中止する場合は、チケット代金を返金いたします。ただし、チケット購入・返金に伴う手数料はご負担いただきますのでご了承ください。
      • 全8回一括お申し込みの場合は、実施できなかった授業回数に相当する金額を返金いたします。
      • 各回申し込みの場合は、購入されたチケット代金を返金いたします。
    • 参加者都合によるキャンセル・返金はお受けできませんので、あらかじめご了承ください。

2受講について

受講当日は、以下のものをご持参ください。

  • Peatixアプリあるいは印刷したチケット(受付にてQRコードを確認します)
  • 筆記用具
  • 上記以外にお持ちいただく物がある場合は別途ご案内します。

お申し込み後の授業に関するご連絡

  • お申し込み後の授業に関するご連絡は、Peatixにご登録のメールへ行います。「@peatix.com」「@tachibana-u.ac.jp」からのメールを受信できるよう設定してください。
  • イベント参加にあたってご不明な点がありましたら、お気軽にお問い合わせください。

受講時の注意事項

  • 各回開始時刻の30分前に開場する予定です。それ以前のご入場・受付はできませんのでご了承ください。
  • 座席は全席自由席です。
  • 会場にクロークやロッカーはありません。手荷物は少なめでご来場の上、ご自身での管理をお願いいたします。
  • Ukonの授業は、オンデマンド配信用に収録します。ご出席の方はカメラに映る可能性がありますので、ご了承のうえご参加ください。
  • 会場内の飲食については「ふたの閉まる飲み物」に限りお持ち込みいただけます。
よくある質問

Peatixを利用したことがありません。電話での申し込みや、現地支払いで参加できないでしょうか。

恐れ入りますが、お申し込みはPeatixサイトからのみ受け付けています。以下のページを参考に、お手続きをお願いします。

Peatixお申し込み方法[PDF]

PC操作が苦手な方は、周りの方にお尋ねいただくなどの方法をご検討ください。Ukon事務局にご相談いただければ、できる限りお手伝いさせていただきます。お気軽にご連絡ください。

グループで参加します。チケットをまとめて購入することはできますか?

複数人分をまとめてお申し込みいただくことはできません。恐れ入りますが、お一人ずつお申し込みください。

申し込み後にキャンセルはできますか?

原則として申し込み者の都合によるキャンセルはお受けできません(返金は致しかねます)。やむをえない事情がある場合は、 Ukon事務局までご相談ください。

学生割引などはありますか?

学生割引などの割引制度はご用意していません。

「オンデマンド授業」とは何ですか。

Ukonで開講する対面授業は、収録・編集した上で別途オンデマンド配信を行っています。これを「オンデマンド授業」(有料)と呼んでいます。オンデマンド授業は、こちら[オンデマンド授業一覧]からお申し込みください。

対面授業に申し込みをした場合、オンデマンド授業を視聴することはできますか。

恐れ入りますが、オンデマンド授業の視聴を希望される場合は、別途お申し込みください(有料)。なお、対面授業を「全8回一括申し込み」でお申し込みいただいた方には、オンデマンド授業を無料で視聴いただけます(対面授業がすべて終了してから、約半年後の配信を予定しています。視聴できる期間は、半年間です。)。

子ども連れでの参加も大丈夫でしょうか。

中学生以下のお子さまは無料で受講できます。その場合、保護者の同伴が必要です。
また、静穏な環境の保持にご協力をお願いします。

授業日までに準備しておくことはありますか?

事前課題が出されることもあります。提出は任意ですが、取り組んでいただくとより一層授業を楽しめることと思います。

授業を録音・録画・撮影することはできますか。

授業を録音・録画・撮影することはご遠慮ください。

講師プロフィール

大竹 昭子(作家)

1950年東京生まれ。1980年代初頭にニューヨークに滞在、文章を書きはじめる。著書に『NY1980』『間取りと妄想』『須賀敦子の旅路』『出来事と写真』(共著)『迷走写真館へようこそ』など。「カタリココ文庫」を個人出版。今年6月に『写真があってよかった。森山大道評伝』(新潮社)を刊行予定。

学頭コメント

学頭・河野通和

Ukon第5期で「遺品談話室のこと」を語ってくださった大竹さん。(おもしろかったですねぇ)。その卓抜な着眼点、細やかな言語感覚、対話における連想力には常々感服してきましたが、この度、路上写真のカリスマ森山大道さんの評伝を6月に上梓の予定です。散歩の達人でもある大竹さんが、一体どんな森山像を描くのだろう? できたてホヤホヤの本の話を聞くのが今から楽しみです。