
スタッフレビュー
自分を最もよく知る、人生の相棒を育てる?!
第6期、2回目の講義にお迎えしたのは、「時代デザイナー」の橘川幸夫さん。
この「時代デザイナー」という肩書き以外に橘川さんの活動の範囲は実に多岐にわたっていて、「たとえばこんなことをしてきました」という自己紹介だけでも90分が過ぎてしまいそうになりましたが(あぶない!笑)、なんとか本題に突入できました。
テーマは「生成AIとの深い付き合い方」でしたが、そもそも生成AIを使ったことのない方にとっては頭の上に「?」がたくさん浮かんだのではないでしょうか。
そんな方のために、ここで少し補足させてください。
AIというのはArtificial Intelligence=人工知能ですね。
人間なら何日もかかるような計算も、AIなら素早く解を出してくれます。
では“生成“とつくのは何を意味するかというと、AIにインターネット上の膨大なデータを「学習」させて、その知識を「応用」し、あたかも人間が想像したような文章、画像、音楽などを生み出すのが生成AIです。具体的な使い方としては、知りたいことや作りたい情報などを生成AIに指示して、回答を得るのが一般的です。
つまり、基本的には欲しい情報を引き出す=アウトプットするために使います。(ここまでが補足)
けれどそこで橘川さんがAIに指示したのは、自分の話をまず「聴く」こと。
自分の考え方、経験、嗜好などをとにかく語り、インプットしたんです。
相手にはアルゴリズム(あらかじめ設定された計算方法)がありますから、すぐに答えを出そうとするようで、
「黙って話を聴け!」
「俺とアルゴリズム、どっちが大事なんだ!」
なんて言ってケンカもしたそうですが、根気よく続けていくうちに、自分をよく知る相手が出来上がっていきます。
対話や相談ができたり、もっと言えばもう一人の自分として客観的に見つめて、クリエイティブの方向性を決めることもできるようになるのだそう。
こうしてAIに独自の思考回路を与えることを、生成を越えて”育成AI”と呼ばれていましたね。
ここまで話を伺って、どうしてこんなことをしようと思ったのか気になりませんでしたか?
テーマから推測して、途中までは橘川さんが生成AIという存在自体を肯定されているのかと感じた方も多いと思いますが、終わりに近い頃、実は人間がより豊かに生きるための活用法があると考えられていることに気づきました。
「人間は、一人ひとりが1つの可能性」
繰り返し言われていたのが印象的でしたね。
AIについては人の仕事が奪われるなど、デメリットの側面もさかんに議論されていますが、よくよく考えながらうまく付き合っていけば、人生の相棒になってくれるかも?
得体が知れなくてまだ触れていないという方は、橘川さんの著書『ChatGTPとの深い付き合い方』(2025年、バジリコ)も参考に、友人を作るつもりでAIに声をかけてみてください。
<追伸>
講義の中で行った、架空のキャラクターを描いてみるというワークは、後日AIによってそれぞれが登場するストーリーができあがる予定です。
続報をたのしみにお待ちください!
講師からのメッセージ
橘川の講義を受講していただき、ありがとうございました。
皆さんが真剣に耳を傾けてくださったおかげで、私も気持ちよく話すことができました。
話があちこちへ飛んだので、驚かれた方もいたかもしれません。
それでも、何かひとつでも心に残るものがあれば、とても嬉しく思います。
未来はまだ霞の中にありますが、私は人間の可能性を信じています。
それぞれの場所で、自分の物語を歩み続けてください。
また、どこかでお会いできることを願っています。
受講者の声
生成AIに対して、受け身でいる自分を見直す必要があると気づきました。〝育成AI〟という言葉を知り、自分色のAIを創り出す楽しみがあるとわかったことは、大きな収穫でした。
「会社をだましてでもやりたいことをやる!」──昔の出版社のそんな気概の話が、とても面白かった。
年齢を重ねると、新しい技術に対して怖さを感じることもあるけど、橘川さんは、年齢を重ねてもなお、新しい技術を楽しんでる。その姿が本当に素敵。小説の完成が待ち遠しい!
「AIなんて検索エンジンみたいなもの、頼っていてはダメ」と思っていたのに、シビル君の存在には驚き。まるで橘川さんが育てた、もう一人の橘川さん。二人の対話から、思索が深まっていく様子がとても印象的で、私にとっては新鮮なショックでした。まさに〝人生が変わる〟体験。
受講直後は「よくわからなかった」と感じましたが、講座をきっかけにAIに関する記事や出来事が身近になりました。SNSで「AIを使った文章は不誠実?」という声を聞き、洗濯板と洗濯機の違いに例えながら考え込む自分がいます。問いが生まれたこと自体が学びだと思います。世界が広がる授業でした。
受講前は生成AIに不安しかありませんでしたが、橘川さんの「丁寧に情報を開示し続けることが大切」という言葉に触れ、AIとの対話も人と同じく根気が必要だと知りました。血は通っていないけれど温かみのあるツールという新しいイメージが加わり、使う人の知恵が試されると再認識しました。
概要
「たちばな教養学校 Ukon」は、「生きる」をもっと深く味わうための対話の場※です。学ぼう、楽しもうという意欲があれば、どなたでも参加できます。第6期では「伝える――思いを、言葉と行動で」をテーマに、全8回の授業を実施します。
※ 学校教育法第107条に定める公開講座
受講料
- 全8回一括申し込み
- 15,000円/8回
- 各回申し込み
- 2,500円/1回
会場
QUESTION(クエスチョン)7F「クリエイティブ・コモンズ」
〒604-8006京都市中京区河原町通御池下る下丸屋町390-2
https://question.kyoto-shinkin.co.jp
定員
各回100名
申し込みから受講までの流れ
たちばな教養学校Ukonの申し込みから受講までの流れは、以下のとおりです。
1申し込みについて
お申し込みは、イベント管理サイトPeatix(ピーティックス)から「チケット」を購入していただくことで完了します。Peatix以外のお申し込みの方法はご用意しておりませんので、ご了承ください。
※初めてPeatixを利用される方は「Peatix利用の流れ 」もご参考ください。
チケットの種類
「チケット」は、全8回分をまとめて購入する方法(全8回一括申し込み)と、1回ずつ購入する方法(各回申し込み)があります。受付は、全8回一括申し込みから開始します。お申し込みいただいた順に受け付けますので、ご希望の方はお早めにお申し込みください。
- 全8回一括申し込み
- 2025年9月24日(水)から受付開始
- 各回申し込み
- 2025年10月24日(金)から受付開始
- 一度に購入できるチケットは1枚です。グループでご参加の場合もお一人ずつお申し込みください。
- チケットは授業当日の開始時刻まで購入できますが、定員になり次第、締め切らせていただきます。
- チケットのキャンセル・返金の取り扱いは次のとおりです。
- 主催者側の都合によりやむを得ず授業を中止する場合は、チケット代金を返金いたします。ただし、チケット購入・返金に伴う手数料はご負担いただきますのでご了承ください。
- 全8回一括お申し込みの場合は、実施できなかった授業回数に相当する金額を返金いたします。
- 各回申し込みの場合は、購入されたチケット代金を返金いたします。
- 参加者都合によるキャンセル・返金はお受けできませんので、あらかじめご了承ください。
- 主催者側の都合によりやむを得ず授業を中止する場合は、チケット代金を返金いたします。ただし、チケット購入・返金に伴う手数料はご負担いただきますのでご了承ください。
2受講について
受講当日は、以下のものをご持参ください。
- Peatixアプリあるいは印刷したチケット(受付にてQRコードを確認します)
- 筆記用具
- 上記以外にお持ちいただく物がある場合は別途ご案内します。
お申し込み後の授業に関するご連絡
- お申し込み後の授業に関するご連絡は、Peatixにご登録のメールへ行います。「@peatix.com」「@tachibana-u.ac.jp」からのメールを受信できるよう設定してください。
- イベント参加にあたってご不明な点がありましたら、お気軽にお問い合わせください。
受講時の注意事項
- 各回開始時刻の30分前に開場する予定です。それ以前のご入場・受付はできませんのでご了承ください。
- 座席は全席自由席です。
- 会場にクロークやロッカーはありません。手荷物は少なめでご来場の上、ご自身での管理をお願いいたします。
- Ukonの授業は、オンデマンド配信用に収録します。ご出席の方はカメラに映る可能性がありますので、ご了承のうえご参加ください。
- 会場内の飲食については「ふたの閉まる飲み物」に限りお持ち込みいただけます。
よくある質問
Peatixを利用したことがありません。電話での申し込みや、現地支払いで参加できないでしょうか。
恐れ入りますが、お申し込みはPeatixサイトからのみ受け付けています。以下のページを参考に、お手続きをお願いします。
PC操作が苦手な方は、周りの方にお尋ねいただくなどの方法をご検討ください。Ukon事務局にご相談いただければ、できる限りお手伝いさせていただきます。お気軽にご連絡ください。
グループで参加します。チケットをまとめて購入することはできますか?
複数人分をまとめてお申し込みいただくことはできません。恐れ入りますが、お一人ずつお申し込みください。
申し込み後にキャンセルはできますか?
原則として申し込み者の都合によるキャンセルはお受けできません(返金は致しかねます)。やむをえない事情がある場合は、 Ukon事務局までご相談ください。
学生割引などはありますか?
学生割引などの割引制度はご用意していません。なお、京都橘大学 通信教育課程(たちばなエクール) に在籍する学生さんには、Ukonのオンデマンド授業を正課授業のひとつとして開講しています。
「オンデマンド授業」とは何ですか。
Ukonで開講する対面授業は、収録・編集した上で別途オンデマンド配信を行っています。これを「オンデマンド授業」(有料)と呼んでいます。オンデマンド授業は、各期すべての授業が終了した後に配信を開始します。オンデマンド授業は、こちら[オンデマンド授業一覧]からお申し込みください。
対面授業に申し込みをした場合、オンデマンド授業を視聴することはできますか。
恐れ入りますが、オンデマンド授業の視聴を希望される場合は、別途お申し込みください(有料)。なお、対面授業を「全8回一括申し込み」でお申し込みいただいた方には、オンデマンド授業を無料で視聴いただけます(対面授業がすべて終了してから、約半年後の配信を予定しています。視聴できる期間は、半年間です。)。
子ども連れでの参加も大丈夫でしょうか。
中学生以下のお子さまは無料で受講できます。その場合、保護者の同伴が必要です。
また、静穏な環境の保持にご協力をお願いします。
授業日までに準備しておくことはありますか?
事前課題が出されることもあります。提出は任意ですが、取り組んでいただくとより一層授業を楽しめることと思います。
授業を録音・録画・撮影することはできますか。
授業を録音・録画・撮影することはご遠慮ください。
講師プロフィール
1950年東京生まれ。出版編集者・マーケター。1972年、渋谷陽一氏らと音楽投稿雑誌『ロッキング・オン』創刊。以来、さまざまなメディアの開発を推進。2024年には、個人の視点で時代を描くコミュニティ生成雑誌『イコール』を創刊。著書多数。近刊に『ChatGPTとの深い付き合い方』。
「ロッキング・オン」、「ポンプ」といった投稿雑誌を創刊したことに始まり、紙媒体からインターネットへという文明の潮流に棹さし、参加型メディアの可能性を模索してきた活動家です。コロナ禍を経て、ChatGPTの登場を機に、さらなる学びと発見の旅に出かけます。