クロストーク

学生 × 情報化社会 就職内定者座談会

いまのわたしたちだから考えられる!

これからの「こうなったらいいな」!

いまのわたしたち

だから考えられる!

これからの「こう

なったらいいな」!

加藤 真弥さん
国際英語学部 国際英語学科 4回生
大阪府 交野高等学校 出身
内定先:株式会社船井総合研究所
(以下、船井総研)
香川 茜さん
現代ビジネス学部 経営学科 4回生
香川県 藤井高等学校 出身
内定先:株式会社ロココ(以下、ロココ)
山道 翔也さん
現代ビジネス学部 経営学科 4回生
京都府 京都すばる高等学校 出身
内定先:京都市

※経済学部、経営学部、工学部の開設に伴い、2021年4月より現代ビジネス学部は募集を停止しました。

この先、歩んでいく道はそれぞれに違っても、とことん自分と向き合いながら内定を勝ち取った3名の学生たち。いかにして就職活動を成功へと導いたのか。今後、AI・IT技術がますます発展する中で、思い描いた未来のかたちとは。ファシリテーターにα-STATION(エフエム京都) DJの前田彩名さんをお招きし、熱意のこもったクロストークがこの日展開されました。
-皆さんが京都橘大学に入学した理由、さらには入学前後で感じたギャップについて教えてください。
加藤/もともと英語が得意だったので、1年間の海外留学制度があって、ネイティブの先生からいきた英語を学べる国際英語学部を志望しました。入学直後から、英語で劇を行ったり、英語でしか話せない授業があったりと、早い段階でレベルの高い環境に身を置けたのは良い意味でギャップを感じました。
香川/私の出身校に京都橘大学卒業の先生がいて、地域連携に積極的でボランティア活動にも盛んに取り組んでいることを知ったのが入学の理由です。意外だったのは高校時代にはなかった学習スペースがたくさんあったこと。一人ひとりの学びの場が多い印象を受けました。

山道/オープンキャンパスで在学生と交流した際、大変明るく雰囲気が良いなと感じたのがきっかけです。実際に入学すると、京都橘大学の魅力はさまざまな学部学科で繋がれるところだと思いました。一拠点総合大学だからこそ、イベントやサークル活動などを通じて、学部学科を越えた幅広い交友関係が生まれているのが特長です。
-大学生活で自身が成長したと感じる出来事や経験はありましたか?
山道/高校までは部活動に専念していたので勉強は苦手でした。でも、1回生の時にコロナ禍で外出自粛が続いたのを機に「何か一つでも学生生活で取り組んでみよう」と考え、日商簿記検定の資格取得のための勉強に力を入れ始めました。その時、学習したことが実際に検定試験の合格という形になって表れ、喜びや達成感がありました。それから学習意欲も高まり、最終的に公務員試験へのチャレンジに繋がったのだと思います。
香川/私は幼い頃から英会話、水泳、ダンス、極真空手、書道といったさまざまな習い事をしていました。その甲斐あって、人見知りが全くなく、むしろ人と関わるのが大好きでした。大学に進学後は専門演習のグループワークで自ら率先してグループをまとめるなど、楽しみながらリーダーシップを発揮することができたと思います。

加藤/授業内で積極的にプレゼンテーションやグループワークをする機会が多かったので、人前で自分の意見を簡潔にわかりやすく伝える能力が伸びたと感じています。
-「未完の大学」として絶えず発展・成長し続ける京都橘大学についてどう思いますか?
加藤/僕が入学した2019年から現在に至るまで、新しい学部や施設がどんどん増え、授業内容も大幅に改革されたように感じます。今後さらに成長する可能性を感じており、さまざまな学生に幅広い選択肢を提示できる大学だと思います。

山道/常に向上心を持って進化し続ける姿勢は、私たち学生にとって、力強い支えです。人生において挑戦はとても大切なこと。学生とともに学び、成長し続ける大学をかっこいいなと感じています。

香川/複数の学部学科を持つ大学は日本にたくさんありますが、文学部から工学部、医療系学部まで幅広い分野を学べるのは京都橘大学の魅力だと感じます。ここでなら業界・業種を問わず、あらゆる分野で活躍できる人を生み出せると思います。

就職活動を振り返る

就職活動を

振り返る

-誰しもが苦労するところかなと思いますが、自己分析や企業分析など、就職活動(以下、就活)の準備はどのように行いましたか。
香川/自己分析では自分自身の強みが何なのかを書き出したうえで、周りから見た自分はどんな人間なのかを他者からの意見として求めました。そこでマッチした部分が自分自身の本質的な強みであると考えたからです。

山道/公務員をめざすための情報収集から始めました。公務員になるためには教養や専門、作文などの筆記試験だけではなく、何度も面接を突破していかなければいけません。それを初めて知った時、「絶対に無理だ」と心が折れそうになりましたが、自分のこれからを決める今だからこそ本気になって勉強しなければいけないと考えて行動に移しました。まずは勉強の仕方すらわからなかったので、本学の公務員試験支援センターへ足を運びました。

加藤/これまでの人生イベントを書き起こし、友人の協力を得て課題解決力や行動力に自身の強みがあると発見しました。
また、内定先の業界に興味を持ったきっかけになったのが、2回生の時に参加したオフィス機器メーカーのインターンシップです。そこでは「社名変更するにあたって新たな社名を学生に周知するにはどうすればいいか」「家庭用ではなく業務用のオフィス機器を学生層に売り込むにはどうすればいいか」という経営課題の解決に取り組みました。僕たちのグループは「学生アパートにコピー機などを持ち込んで、月額で利用できるサブスクリプションサービスを展開する。そこで印刷した紙の裏面に新たな社名を刷り込んで認知度を向上する」という解決策を打ち出しました。その時の体験がコンサルティング業界に興味を持つきっかけになりました。
-内定先として選んだ理由、魅力を教えてください。また、内定に至るまでの経験や苦労したエピソードなどありますか。
香川/内定先のロココの魅力は、日常生活に不可欠なITに注力しているところです。もともとエンターテイメント業界志望だった私にとって、ロココが織り成すIT×エンタメというサービスがとても魅力的に映りました。
苦労した点でいうと、20社以上にエントリーしていたので毎日のように面接をこなし、その度に異なる志望動機を伝えなければいけなかったこと。もっとスケジュール管理をきちんとしておけばよかったと思います。

山道/高校時代に地域経済を学んだのをきっかけに、地域の人々の生活をよりよいものにする地方創生に興味を持つようになりました。中でも、京都市は僕自身が22年間生まれ育った街。世界的にも有名な観光地がある一方で、過度なインバウンドによる観光公害も発生しています。そこで、地域住民にとっても暮らしやすく、観光客にとっても「また訪れたい」と思える街づくりに貢献するため、僕は京都市職員を志望しました。
キャリアセンターに通い続け、アドバイスを受けながら学習を進めたのですが、試験本番の3ヵ月前でさえ合格ラインに達しておらず、本当に心がくじけそうになりました。それと並行して金融機関を中心に民間企業への就活も行っていたので、慌ただしい状態が3ヵ月ほど続きました。でも、一緒に公務員をめざす仲間と励まし合えたこと、万が一、公務員試験に合格しなくても、この経験は今後の人生にきっと役立つと考えて最後までやり遂げることができました。

加藤/内定先の船井総研は日本経済の基盤となる中小企業を中心に、一つの分野に特化してその業界に精通したコンサルタントになれる環境があるように感じました。そして自分の強みである課題解決力や行動力をいかせるのもコンサルティング業界であり、内定先の船井総研であると考えています。
僕は自主的に1年間休学し、今年3月までカナダに留学していたので、実際の就活には少し出遅れてしまいました。しかし、2回生の早い段階で志望業界を決められたこと、企業分析にじっくり時間を掛けられたことで、本当に入りたい企業に内定をいただくことができました。それに加えて、留学先でさまざまな国籍を持つ人たちと密にコミュニケーションを取れた経験が、面接での自信や受け答えにいかされたのではと思います。
-就活で印象に残っている出来事や経験、言葉などはありますか?
香川/とある不動産会社の人事部の方から、「ここ最近で出会った学生さんの中で一番印象に残っています」といっていただいたことがありました。私自身はとても緊張しやすいタイプですが、それがあまり表情には出ず、誰とでもナチュラルに会話を楽しめるところが評価されたのかなと思います。このひと言をいただいたおかげで自分自身の長所や個性をきちんと伝えることができたとうれしく感じ、就活に対する不安も解消されていきました。

加藤/オフィス機器を扱う商社の面接の一環で、お客さんにペンを売るというロールプレイングを行いました。このような体験は初めてのことでしたし、消費者が求めるわかりやすいニーズだけでなく、言葉のキャッチボールによって潜在的なニーズをいかにして引き出すかがとても勉強になりました。

山道/ずっと野球ばかりしていて勉強に縁のなかった僕が、「公務員試験に挑戦する」と言い出した時、家族はとても驚きました。でも、否定的な意見を一切言わず、どんな時でも「頑張れ」と応援してくれました。試験勉強中は何度もくじけそうになりましたが、挑戦できる環境を作ってくれた家族にはたいへん感謝しています。
-就活を通して成長したなと思うところはありますか?
加藤/就活を通して常に「自信があるようにふるまう」ということを心掛けていました。どれだけいい志望動機や経験を持っていても、それが態度に見えなければ説得力に欠けると思います。この心掛けによって、緊張感のある面接や予想外の質問に対しても堂々と受け答えできるようになりました。

山道/僕も加藤さんと似たようなところにはなるのですが、「自信を持ってありのまま勝負する」ということを意識するようになりました。公務員試験に挑戦する中でかなり学習を積んできましたし、それが自信となってどんな場面でもありのままの自分を出せるようになりました。

香川/自己分析によって改めて自分自身の長所や強みを再認識し、それをきちんと自分の言葉で伝える能力が身についたと思います。また、回数を重ねるごとに面接で柔軟に受け答えできるようになったのも、私自身が成長できた部分であると感じています。

さぁ、ここからは未来の話。

さぁ、ここからは

未来の話。

-普段の生活の中でAI・IT技術のすごさを感じるのはどんな瞬間ですか?
山道/僕自身も車を運転するのですが、インターネットや人工知能の活用で完全自動運転の実用化がすぐそこまで来ているのはすごいことだと思います。

香川/飲食店でアルバイトをしているので、バーコードをかざしただけで瞬時に情報が反映される今のレジにはありがたみを感じています。私が勤務しているのはファストフードのチェーン店ですが、レジを通して各店舗の売り上げがコンピュータで一括管理されています。レジや券売機の売り上げなどが瞬時に管理システムに登録されるので、通信技術による機械同士の連携もすごいなと感じるところです。
加藤/身近な人工知能として今話題になっているChatGPTですが、会話形式で誰でも簡単に気になるところやわからないところを質問でき、すぐにその答えが返って来るところにAI・IT技術の成長を感じます。僕自身が英語を勉強している身ですのでChatGPTと英語で対話することもありますが、まるで人間が書いているかのように文章がナチュラルで、文法的な誤りも見られません。たまに日本語で質問すると返答に時間を要することがありますが、英語だとまさに瞬時に答えが返ってきます。
-AI・IT技術がますます発展し、これからも加速する情報化社会の中で、自身が思う「こうなったらいいな」という未来のことを教えてください。たとえば、デジタル・AI技術を活用した新しい商品開発、企業経営の在り方、社会インフラの整備など、皆さんがそれぞれの内定先で実現したいこと、挑戦してみたいことについてアイデアを教えてください。
加藤/船井総研は、住宅やクリニック、インフラから小売業までさまざまな業態の中小企業のDXコンサルティングに従事しています。これまでの実績として、AI技術を用いて不動産と顧客のマッチングニーズを高めたり、EC物流における配送効率の最適化を図ったりといった成功事例が挙げられます。近年のIT業界のトレンドに従来のプログラミングを一気に簡略化したローコード・ノーコードという手法がありますが、この技術を用いれば特別な知識がなくても簡単にITシステムやアプリケーションを開発・導入し、経営課題の解決に繋げることができるのではないかと感じています。実際に日本にはDX化が進んでいない中小企業がたくさんあり、まだまだ業務の効率化や利益の向上を追求できる余地があると思います。
山道/行政職ともなれば、マイナンバーカードなどの個人情報を扱う機会が増えるため、情報管理を徹底して行わなければいけません。どれだけAI・IT技術が発展しても、市民の方が安心して日々の生活を送れるように、そういった心掛けを忘れてはいけないと思います。その一方で僕は、京都の観光公害をAI・IT技術を駆使して解消できないかと考えています。その一つの解決策が、情報の「見える化」です。たとえば現在京都市では、観光地の混雑状況をAIで解析したり、京都駅の市バスターミナルの様子をライブ配信したりしています。それに加えて路線が多く、複雑な市バスの乗り方やマナーなどを動画で公開し、継続的に啓発活動を行う必要があると思います。

香川/内定先のロココではIT×エンタメをコンセプトに、ファンクラブの会員管理やライブ・コンサートチケットの抽選・配席、顔認証による入退場システムなど、ITソリューションを通じてエンターテイメント業界をサポートしています。そこで提案したいのは、イベントやコンサートの全電子チケット化です。紙チケットの場合だと、もぎるだけでも複数人のスタッフが必要ですし、電子チケットにすることで人手不足の問題も改善されると思います。また、ロココが得意とする顔認証システムを導入すれば、チケットの転売を防ぐことも可能です。
-今後の目標やこれから自分が歩むキャリアの「こうしていきたいな」を教えてください。
香川/就活の軸として一度もぶれることなく「成長できる環境にあるかどうか」を掲げてきました。自分自身の強みである明るい性格とリーダーシップを内定先でも存分に発揮して、若いうちからキャリアアップをめざしていきたいと思います。その意味では、若手でも力を発揮できるロココにおいて、唯一無二の存在になりたいと考えています。

山道/常に挑戦・成長し続けるのが目標です。公務員は日々の業務が最も重要だと思いますので、何ごとにもしっかり責任を持って、まじめに真摯に取り組んでいきたいと思います。また、いずれは自分自身の経験を広く発信し、少しでも何か困っている人を助けられるようになりたいと考えています。

加藤/まずは社会人に求められる基礎的な能力を伸ばしていきたいです。その中で特に20代のあいだは「常にしんどい選択」をすることで自分自身のスキルや市場価値を高めたいと思います。たとえば、一見意味がなさそうだったり、遠回りに見えたりする業務であっても前向きにとらえ、全力で取り組んでいくのが目標です。そういったさまざまな経験は、後からになっていきてくるもの。僕が1年間休学して身につけた英語力も、入社してすぐには役立たないかもしれませんが、自分の強みの一つとして磨いておけば今後のキャリアの選択肢も広がっていくと思います。