Interview

砂の上で夢中になってボールをつなぐ、
ビーチバレーボールの魅力を発信したい

インタビュー

2023.07.24

2022年、KYOTO TACHIBANAスタジアム内に、京都府内で初となるビーチスポーツの専用コートが完成しました。今回は、公式大会にも使用されている本格的なコートで、日々練習に励んでいる女子バレーボール部ビーチバレーボール部門に注目。日本のトップ選手の指導を担ってきた江口コーチと、コーチの期待にハツラツとしたプレーで応える、石原さん&久岡さんペアに競技の魅力を伺いました。

女子バレーボール部ビーチバレーボール部門 石原 泉さん(写真中央)
経営学部経営学科3回生
JVAビーチバレーボール・オフィシャルポイントランキング  145位(2023年6月19日現在)

女子バレーボール部ビーチバレーボール部門 久岡 千夏さん(写真左)
経済学部経済学科1回生
JVAビーチバレーボール・オフィシャルポイントランキング 35位(2023年6月19日現在)

女子バレーボール部ビーチバレーボール部門コーチ 江口 貴弘さん(写真右)
中学生から10年間、インドアバレー界で活躍。大学卒業後、アメリカに渡りビーチバレーボールのプロリーグに挑戦。帰国後、10年間アディダスのテクニカルサービス部に所属し、主にテクノロジーの訴求とスタッフ教育に従事。2009年にはエグチプランニングを設立し、トップ選手の指導や国内大会、国際大会の運営をするなど日本におけるビーチバレーボールの普及に力を注いでいる。

※2023年6月にインタビューしたものです

Q/2023年4月に創設したばかりのビーチバレーボール部門。1回生の久岡さんは江口コーチがスカウトした逸材だそうですね

江口/大学側からコーチの依頼をいただいてから、1年ほどかけて選手をスカウトするため高校を巡っていました。久岡は、ジャパン女子ジュニア選手権大会で優勝した有力選手でしたし、迷いなく声をかけました。現在は部員4名で活動しています。

江口貴弘コーチ

久岡/京都出身で、地元でずっとビーチバレーボール(以下ビーチバレー)を続けられたらいいなと考えていた時に、江口コーチから声をかけていただきました。高校3年生の時、アジアU19ビーチバレーボール選手権大会の代表になり、練習に集まったのがほぼ関東圏の人で、西日本の出身者が少なかったんです。その時から、自分は京都でビーチバレーを続け、京都からビーチバレーを広めていきたい、という気持ちが強くなりました。京都橘大学には専用コートだけでなくシャワー設備もあって最高の環境です。

Q/3回生の石原さんは、バレーボール部からの転向だそうですが

石原/小学生の時にインドアを始め、大好きなバレーボールを続けたくて京都橘大学を進学先に選びました。もともと膝に不安を抱えていて、1回生の時に怪我をして、まったくプレーができない状態になりました。2回生になり試合に出られるまでに復活したのですが、自分の中で限界を感じ始めていました。続けるべきか悩んでいる時に、ビーチバレーボール部門ができると聞き、素直に新しい世界でチャレンジしてみたい、と転向を決めました。

石原 泉さん

江口/ビーチとインドアとの違いのひとつとして、砂がジャンプの衝撃を吸収するなど、体にかかる負担が軽減されることが挙げられます。例えば、膝の靭帯が切れる、筋肉が断裂する、といった急性の怪我はビーチでは少ないと言われています。もちろんビーチを続けていく中で、徐々に肘や腰を痛めることは皆無ではありませんが、怪我をして復帰するときに、インドアからビーチに転向するケースは珍しくないかもしれません。

Q/どんなところに、ビーチバレーの魅力を感じますか。

石原/インドアは6人制なので、試合に負けたとしても責任が分散されるようなところがありますが、2人制のビーチバレーは誰かのせいにできません。すべてふたりの責任で、自分が動かないと絶対に勝てないし、自分が努力した分だけ強くなれる。練習してきたことが試合で点数になり、勝利につながるのが魅力です。

久岡/トス、レシーブ、ブロック、アタックと、すべてできるのがすごく楽しいです。あと、ペアで戦っていく上で自分が変わっていかないといけない場面が多いので、自分を成長させてくれるスポーツだとも思います。相手の望みを察する力や、状況判断する力が育つので、人との距離も縮まります。部活動以外でも、いろんな人間関係が円滑になったと実感しています。

久岡 千夏さん

江口/テニスや卓球のダブルスは、相手が打ってきた球をふたりのどちらかが返球しますが、ビーチバレーは打ってきた球をふたりでつないで1点取る、そこがほかの2人制スポーツと大きく違うところです。ふたりという最小の社会で役割分担が必要となり、お互い助け合い、高め合います。
また、ビーチバレーの選手として成長するためには“求めること”と“許すこと”の両方が必要です。日本人はミスが生じた時に「いいよいいよ、私も悪かった」と事態を収めるようなところがありますが、それでは勝てません。相手に対してもっとこうしてほしい、ここにこういうボールが欲しい、とはっきり言葉で求めることが大事です。求められたことにチャレンジして、失敗しても許し合って、次のプレーにつなげることができる石原と久岡は、相性の良いペアだと思います。

Q/今後の目標を教えてください。

石原/大学で日本一になることです!

久岡/1回生から4回生まで、4年連続で大学日本一になることです!

江口/夏場は、日本ビーチバレーボール連盟が公認した大会が毎週のように行われ、愛媛や滋賀、広島など各地の試合に出かけます。近い目標としてはふたつあって、まずは全日本ビーチバレーボール女子選手権大会が8月に大阪で行われるので、その出場権を得ること。
もうひとつは全日本ビーチという、大学の全国大会での優勝です。さらにそれらの公認試合で良い成績を積み重ね、オフシーズンとなる12月以降、アジアでのワールドツアーに参加させたいと考えています。

*大会出場時のユニフォーム規定が変更になり水着(ビキニ)着用でなくてもよくなりました。

※6月25日(日)に行われた第34回全日本ビーチバレー女子選手権の京都府代表決定戦で優勝し出場権を獲得しました!

Q/ビーチバレーボール部門に関心のある人に、メッセージをお願いします

石原/自分を成長させてくれるからといって、生活がビーチバレー一色という訳でもありません。お休みの日もありますし、勉強する時間も、バイトする時間もつくれますから、それぞれが望む充実した大学生活が送れると思います。

久岡/ビーチバレーを通して、人との向き合い方、自分の気持ちの伝え方などコミュニケーションでも学ぶことが多かったです。人と心地のよい距離感で接することができるようになりました。ビーチバレーのおかげで友人も頼れる先輩もたくさんできたと思います。

江口さん/夢中でボールを追いかけて、砂まみれになって、思い切り体を動かすことって、大人になればそうそうない経験です。目立ちたい!活躍したい!もっとボールにさわりたい!というバレーボール経験者には向いているスポーツですよ(笑)。そしてビーチバレーで培った判断力は、社会人になった時にきっと役に立ってくれるはずです。人生は大学を出てからの方がはるかに長い。ビーチバレー選手として勝利をめざしながら、人間的に成長してもらいたいと思っています。

<ここがDISCOVERY!>

・KYOTO TACHIBANA スタジアムでは関西の大学で唯一のビーチスポーツ専用コートを完備!
・2023年4月から女子バレーボール部ビーチバレーボール部門が始動!
・努力した分だけ強くなれる、自分を成長させてくれるのがビーチバレーの魅力のひとつ!
・大学日本一を達成し、来冬のワールドツアー参加が目標!

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