Interview

全国の猛者が集う関西学生サッカー1部リーグで力戦奮闘!
橋詰監督と“挑越”し続ける京都橘大学サッカー部

インタビュー

2024.09.17

人工芝のグリーンが鮮やかなKYOTO TACHIBANAスタジアムのピッチで、朝7時から練習に励むサッカー部。2023年の関西学生サッカーリーグ2部で上位に食い込み、2024年からは念願の1部でプレーしています。強化クラブ認定直後の2016年は13人だった部員も大幅に増えて現在は94人。周囲の大きな期待を力に変え、さらなる高みを目指す橋詰監督と中野キャプテンに、今の心の内を伺いました。

※2024年7月にインタビューしたものです

サッカー部 監督 橋詰 広太郎さん
京都橘高校出身。愛知東邦大学卒業後、2011〜2016年は京都橘高校の保健体育科非常勤講師、全国的な強豪校で知られるサッカー部のコーチとして高校生の指導に尽力。2016年、京都橘大学のサッカー部が強化クラブに指定されるタイミングで監督に。関西学生サッカーリーグ3部チャレンジリーグ(現4部)からスタートし、8年後の歳月を経た2024年、創部以来初めてとなる1部昇格を果たした。

サッカー部 キャプテン 中野 晃弥さん 経営学部経営学科4回生

Q/2024年4月から1部リーグに参入し、新たな時代に突入した京都橘大学サッカー部。2016年は3部、2018年に2部B、2020年に2部A、そして今年からは念願だった1部へ。その軌跡が着実にチームの成長を物語っていますね。

橋詰/結果だけを並べると、すべてがスムーズだったように見えますが、実際はそんなことはなくて。例えば2018年の2部Bリーグの時、入れ替え戦で負けてしまうと降格決定という位置で戦った時は、本当に苦しかったです。その窮地をどうにか乗り越えた時、チームとして成長したというか自信がついたと思います。2部リーグに3年ほどいましたが、振り返ると順位を少しずつ上げながら昇格することができました。絶対に順位を落とさないという意志をスタッフも選手も共有し、懸命に戦ってくれたと思います。

中野/京都橘大学に入学した時、第一に掲げた目標が、1部リーグ昇格だったので心底嬉しかったです。それと同時に、それまでトーナメント戦で対戦してもほとんど勝ったことのない格上チームと戦う立場になり、結果を出していけるのか不安も正直感じました。自分たちより格上という意識を取り払って「きっとやれる」という気持ちに切り替えるには、試合までの準備をしっかりするしかない。準備を怠らずやりきることで、戦うメンタルが追いついてきた感じです。

橋詰/昨シーズンまでは1部リーグのチームとトーナメントなどで戦う時、思いきり体当たりする感覚でしたが、昇格した今はそれでは戦い抜けないと感じています。リーグ戦という長く厳しい1年を前にして、選手が不安を感じるのは当たり前のこと。初めての1部リーグ、勝とうが負けようがどの試合にも学ぶべきものがあるはず。もちろん負けるとテンションは下がりますし、勝てば次もやってやる!という気運になります。そんな浮き沈みをコントロールし、チームというひとつの生命体をまとめていくのが僕らの仕事。優秀なスタッフやマネージャーにも支えられ、今のところ選手たちは前を向いて毎試合を迎えていると思います。

Q/チームをまとめていくキャプテンとして、チームを率いる監督として、心掛けていることはありますか。

中野/京都橘高校でもキャプテンをさせていただいていたのですが、高校と大学はかなり違いがあって。高校の時は選手権全国出場とか優勝とか、みんなが同じ目標だけを見ていたので、 気持ちをひとつにしやすかった。でも大学にはサッカーだけではなく、他の夢を追っている選手もいます。練習に対してのモチベーション、意識の差がどうしても出てしまう。どのように率いればみんなの気持ちを同じ方向に向けていけるか、今も探し続けている途中です。1番気にかけているのは、強く指図するだけでは離れていく選手がいると思うので、その選手に合ったコミュニケーションの取り方を見極めて、アプローチすること。橋詰監督は選手との境界線がないというか、チームの真ん中にいてくださるフレンドリーな方なので、どんなことも相談しやすいです。

橋詰/中野が言ってくれたように、僕自信は指導者という目線ではないかもしれません。選手たちの表現とか表情とかを見ながら一緒になって、自分も日々学ばせてもらっています。その気持ちは、監督になった初年度から変わっていないですね。ただ1部リーグに上がって、チームとしてのあり方みたいなものは変わったかも。 注目度も高まり、より一層自分たちの強みを表現できる立場になったので、チームの歴史を塗り替えられるよう挑戦し、理想を越えていきたいですね。

Q/チームのあり方といえば、サッカー部は「すべての人に感動と勇気を与え、誰からも愛されるチーム作り」をクラブ理念に掲げておられます。地域の人ご招待したイベントなども毎年開催していますね。

橋詰/2024年7月7日も、KYOTO TACHIBANAスタジアムでの1部リーグのホームゲームに子ども向けのイベントを組み込んで、地域の方にたくさん来ていただきました。企画からチラシ配り、SNS発信、当日のおもてなしもすべて選手たちが主体で行います。大学でサッカーをしてプロサッカー選手になれる選手はひと握り。いざ企業の就職活動をしていく過程で、選手から「自分の長所ってなんですか」なんて聞かれることがあるんです。22年間も生きてきて、サッカー以外の自分の長所がわからないなんて思わせたくない。アイデアを出し合い、誰を巻き込みたいのか考え、大学の職員の方々と一緒になってイベントを実現すれば、新しい自分が見つけられのではないかと思っています。

中野/普段なにかと、地域の方にご迷惑をかけてしまっていることもあると思うので、プレーで恩返しできたらなと。頑張っている姿を届けて、大人の方には仕事や生活のエネルギーに変えてもらえたら。サッカー少年たちには、最後までボールを追いかけ、どんな状況でも諦めない姿を見てもらいたいです。

Q/監督にとってチームをまとめる中野キャプテンは、どんな存在ですか。

橋詰/実は2部リーグを戦う中で、彼にはチームのために慣れないポジションを担ってもらったんですけど、くじけず向き合ってくれて本当に感謝しかありません。今シーズンは思う存分サッカーを楽しんでほしいと、彼が希望するポジションでプレーしています。サッカー部としては初めてJリーグチームから練習参加に来てほしいと、いうオファーをもらいましたし、今後の試合でも彼らしいプレーを前面に出してくれることを期待しています。

Q/最後に、京都橘大学のサッカー部に興味を持っている人へ、メッセージをお願いします。

中野/KYOTO TACHIBANAスタジアムを拠点に毎日練習できる、理想的な環境が整っています。以前の土のグラウンドの時は、雨が降った後に選手たちでスポンジを手に整備したりしていたので、そこから比べるとまさに雲泥の差。人工芝を敷き詰めた美しいピッチを見るたけで、モチベーションが上がると思いますよ。

橋詰/創部9年目というのは学生リーグに登録している大学の中でも非常に若いクラブです。伝統ある強豪校でプレーすることはもちろん素晴らしいことですが、実力があれば自分の力をフルで発揮できるのが橘の魅力だと思います。1部リーグに上がったばかり、クラブとしての歴史を一緒に作って、新しいことにチャレンジできる場所だと思います。

<ここがDISCOVERY!>

・橋詰監督は強化クラブになった2016年に監督就任
・2024年春“挑越”を掲げ関西学生サッカーリーグ1部リーグで力戦奮闘!
・京都橘大学サッカー部員が主体となった地域の皆様や子どもたちとの交流イベントも大好評!
・サッカー+αの自分の長所を見つけられる場所

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