Interview

準優勝の春から上々の勢いで秋季リーグ戦へ。
元日本代表ヘッドコーチ番平新監督と高みに挑む女子バレーボール部インドア部門

インタビュー

2025.08.22

女子バレーボール部インドア部門 キャプテン/セッター
清水 茉央さん

経済学部経済学科4回生


女子バレーボール部インドア部門 副キャプテン/アウトサイドヒッター
桂木 瑠月さん

経営学部経営学科4回生


女子バレーボール部インドア部門 副キャプテン/データアナリスト
藤原 佑季さん

文学部日本語日本文学科書道コース4回生


女子バレーボール部 監督
番平 守さん

ダイエー・オレンジアタッカーズ、久光製薬スプリングスのコーチ、2005~2008年には女子バレーボール日本代表のコーチを務め、北京オリンピックに同行。その後、興国生命ピンクスパイダース(韓国)の監督、芦屋大学の女子バレーボール部の監督として指導。2025年4月から京都橘大学の女子バレーボール部監督に就任。

2025年5月、京都橘大学の強化クラブのひとつである女子バレーボール部インドア部門が「関西大学バレーボール連盟春季リーグ戦(女子1部)」で準優勝!選手はもちろん、今年就任した番平新監督やトレーナー、データ分析を行う学生アナリストなど、選手とスタッフが気持ちをひとつに。さらなる高みをめざす女子バレーボール部についてお話を伺いました。

※2025年7月にインタビューしたものです

清水/キャプテンでセッターをしています。去年の成績をベースに最初に立てた目標は「6位以上」でしたが、「そんな低い目標なの?もっと上を目指せるんじゃない?」と言ってくださって。そこから「3位以内」さらに「優勝」が最終目標になっていきました。3月に実施した関東遠征で自信をつけて、春季リーグ戦の優勝に手が届くのではと思っていましたが、結果は準優勝。勝ち続けることの難しさを痛感した大会でした。

桂木/副キャプテンでアウトサイドヒッターです。私も監督から「優勝できるチームだよ」と言われたことで、自分たちの実力を再認識できたことが嬉しかったし自信になりました。リーグを戦っていく中で、今までなかった手応えが感じられたし、「試合をやりたい!」という気持ちが強くなって、すごく楽しかったです。一方で、優勝できたはずなのに準優勝、という悔しさも残る大会でした。

藤原/副キャプテン、そしてデータ分析をするアナリストをしています。番平新監督が就任され、初めての公式戦だったので、正直いうと不安を抱えながらの開幕でした。春季はどこの大学も新しいチーム編成になるので、対策を考えるのが難しかったです。最終戦まで、苦しい試合もありながら自分たちのベストは出せたかなと思っています。

番平/Vリーグやプロの選手を指導していた頃、なにより重視したのは勝敗でしたが、現在はそれよりも社会に出る前の彼女たちへ『人としてどう成長できるか』ということにフォーカスしたいと考えています。もちろん勝ち負けは大事ですけれども・・・!
選手たちの想いと、私が考えていることと相互に理解し合えるように、就任してからの短期間でいろんな話ができるよう心がけました。今は、学生と監督という立場を臆することなく、自分が本当に正しいと思うことを自由に発言してくれています。 彼女たちには、自分自身で考えて行動を起こせる人になってもらいたい。問題が起こった時、私がすぐ答えを与えることは簡単です。それで解決できたとしても、すぐに同じ場面が訪れた時、同じように立ちすくんでしまう…。ですので、自分なりの答えを探し、行動で示す習慣をつけてもらいたいです。ダメだ!という時に次の一手を考えられることが、人間の成長に繋がると思っています。

清水/練習メニューや、月ごとの目標など、これまで自主的に行なってきたことは、番平監督がいらしても自分たち主体でやりたいと考えていたのですが、それを聞き入れてくださって感謝しています。私たちの意見を尊重してくださる方だと感じています。

桂木/試合の雰囲気で自分がいっぱいになった時、番平監督の的確なアドバイスで落ち着くことができます。試合中は誰よりも喜んで、誰よりも声を出して応援してくださって、チームをすごく盛り上げてくださる存在です。

藤原/試合中にベンチを飛び出し、選手に止められることもあるくらい熱い方です(笑)

清水/まさか自分がキャプテンをやることになるとは、全く思っていなかったので、投票で決まった時は正直びっくりしました。ですが選ばれたからにはやるしかない!と挑戦することを決めました。言葉で意思を伝えることが得意ではないので、行動で示していけたらと思っています。何事にも手を抜かず全力で挑めば、チームメイトもついてきてくれると信じています。チームづくりで大切にしているのは、やはり主体性。何ごともやらされるのではなく、自ら選んでやろうとする気持ちを育てたいです。


藤原/リーグ中の場合だと、相手チームのデータをもとに分析して、ミーティングで資料を提示しながら、相手に対して自分たちはどう攻撃するのか、相手の攻撃に対して自分たちはどう対処するのか、双方向で考えます。各選手のプレーを集めた動画を共有することで、できるだけ早く、正確なデータを提供できるように努めています。

清水/アナリストが1番、相手チームのことをわかっているんじゃないかな。分析して、対策やアドバイスをもらえるのはすごくありがたいです。

桂木/試合中に相手がどのコースを打ってくる回数が多いとか、狙うなら今はこのコースがいいとか、その場ですぐ活かせるデータを伝えてくれるのですごく助かります。分析データからは、自分でも気づいていなかった、強みも弱点も客観的に見えてくるんですよ。

桂木/気持ちの余裕を失うことなく、周りを見る力を養いたいです。自分のことだけじゃなく、下級生たちも持っている力を発揮しやすい環境づくりをしていきたいです。

清水/自分自身の課題は、女子バレーボール部に所属する選手ひとりひとりと直接コミュニケーションを取ることでしょうか。チームとしては、春季リーグ戦や西日本インカレを通して課題が明確になったので、それを1つずつ克服していって、春季リーグ戦以上の成績、優勝を目指せる体制をつくっていきたいと思っています。

藤原/対戦するかもしれない他大学の注目選手の動画を整理して、「この選手の動画が見たいです」と言われたら、できるだけ早く共有していきたいです。不調でプレーに迷いが生じている選手には、調子の良い時の動画を集めて渡したりすることも。データを活用することによって、秋季リーグ戦までに、全体のプレーの質をあげていきたいです。

番平/春季リーグ戦はほぼスターティングメンバーを固定していたのですが、途中で怪我人が出てしまって、それが最終的に響いたかなと思っています。ですのでスターティングメンバー同様、控えのメンバーのレベルアップができれば、関西でどこにも負けないチームになれると思います。

この夏の2か月をどう過ごすかによって、秋季リーグ戦の結果が大きく変わると思っています。一人ひとりのプレーの幅を広げる場所はコートだけじゃないと思っていて。いろんなことをいろんな角度から経験することで、パフォーマンスが変わるはずです。チームアクティビティや新しいトレーニングなど、何かコミュニケーションを持てる場を提供して、メンバーの新しい関係性が見つかればいいなと思っています。

藤原/自分が出したデータが選手にきちんと伝わって、それが試合に現れて勝てた時に、アナリストとして一番のやりがいを感じます。自分も選手と一緒に戦っている!と感じられるところが魅力ですね。アナリストとしてやりたいことをどんどん追求していける環境が、京都橘大学には整っています。女子バレーボール部ではアナリストを随時募集していますので、気軽に見学にきてください!

桂木/学生の主張を受け入れてくださる番平監督だけでなく、永田コーチも松田トレーナーも世界で戦ってきた方ばかり。オリンピックに出場した選手から「頂点にのぼりつめるのは時間がかかるけど、追われる立場になって落ちるのは一瞬だよ」と、実体験から得る言葉を直接お聞きできるのは、とても貴重な経験ですよ。

清水/高校の間は、トレーニングなどやらされていると感じることがあると思うんですが、大学では自分で考えてプレーすることが中心。自ら考える力が身につくし、バレーボール以外の面でもすごく成長できると思います。京都橘大学は、スポーツも学業も、やりたいことがある人はチャレンジできる環境が整っているので、ぜひのぞいてみてください。

番平/永田和美コーチ(元バレーボール女子日本代表)も、松田篤実トレーナー(株式会社 Bright Body)も、バレーボールが大好きだから、楽しいから、今までキャリアを積んできた。そんなスタッフが経験談も踏まえながらサポートすることによって、勝ち負けだけにこだわらない付き合い方が見えてくるんだと思うんです。バレーボールは球体で、どこから見ても円ですけれど、視点が変わるといろんな見え方ができます。バレーボールを通して、新たな自分を発見してもらえたらと思っています。

写真提供:tomo_cmr(instagram)

〈ここがDISCOVERY!〉

  • 番平新監督は北京オリンピックの女子日本代表のコーチも経験!
  • 勝敗だけにこだわらず人間的成長を支え促すのがカレッジスポーツの魅力!
  • 自ら選んでやろうとする気持ち『主体性』を育てることがチーム作りの核心!
  • 自主性を重んじる新チームの飛躍を支えるのはアナリストの分析!
  • 元日本代表プロ選手だった永田コーチや松田トレーナーの経験談が刺激に!

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