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情報工学科では何を学ぶ?
カリキュラムや就職先についても解説

特 集

2023.04.06

京都橘大学の副学長であり、工学部情報工学科の教授として「情報技術に強い学生の育成」に力を入れている東野輝夫先生。今回は、「情報工学とは?」「京都橘大学だからこそ学べること」についてお話を伺いました。

工学部 情報工学科 東野 輝夫 教授
<専門分野>
情報学/計算基盤/情報ネットワーク
<研究課題>
・IoTデバイス網を用いたヒト・モノの状況認識技術の創出
・AIやIoTを活用したライフデザイン・イノベーション研究

Q/情報工学とはどのような学問なのでしょうか

情報工学というと、コンピュータの学問というイメージが強いかもしれません。実際のところ、30年ほど前は「どうすればPCが早く動くのか、便利になるのか」を考え追求する学問でした。しかし、現在では「社会全体の生活を便利で豊かにしたり、ハンディキャップを持っている人をサポートできるような仕組みを作る」という学問に変化してきています。

例えば、「画面をワンクリックするだけで買い物ができるようになる」「高齢者や子どもを含め、誰もが使いやすく、操作しやすいパソコンを開発する」など、人々の生活をサポートする便利な機能の開発にも、情報工学が深く関わっています。

情報工学科では何を学べますか?

情報工学科では、コンピュータがどのように動くのかを理解し、実際にコンピュータを動かしながらプログラミング技術を身につけていきます。

簡単なプログラムを組むだけなら小学生でもできるかもしれません。しかし、同時に多数の人がアクセスしても壊れないウェブシステムや複数の計算機を連携させたシステムなどを構築しようとすれば、基本的な情報処理方式やインターネットの仕組み、計算量の見積もりなどの知識も必要で、それらを学ぶことで初めて「プロ」のプログラマーになれるといえるでしょう。

また、社会全体と密接に関わっていくためには、「社会が何を欲しているのか」「何を作れば世の中に貢献できるのか」など、好奇心を持って学び続ける必要があります。そのため、情報工学を活用し、地域や社会の問題を解決できる人材になるための教育にも力を入れています。

<POINT>
・情報工学とは、社会全体の生活を便利・豊かにしたり、ハンディキャップを持っている人をサポートできるような仕組みを作るための学問
・情報工学科では情報処理に関する幅広い分野を研究し、社会で活躍するための知識を身につける

情報工学科は就職に強いのでしょうか

もちろん、強いです! 情報工学科ではAIやデータサイエンスの知識のみならず、アプリケーション制作に必要なプログラミング能力、さらに計算機の動作原理やネットワークに関する専門的な知識が身につきます。あらゆる場面でIT技術が使われている現代において、どこでも必要とされる人材を目指せることは間違いありません。

企業で情報関連を担当している人は、専門学科を出た人ではなく「PCに少し詳しいから」「できそうだから」といった理由で任されているケースがとても多いようです。

しかし、情報技術や知識がないとどうしても限界があり、不具合などを起こしてしまうこともあります。その点、情報工学の知識や技術を習得しているということは、高いレベルで企業が必要としているスキルを持っていることになるので、就職に強いといえるでしょう。

卒業後の就職先にはどのようなものがありますか?

卒業後の進路は非常に様々です。IT企業はもちろんのこと、一般企業の情報部門や自治体、エンターテイメント、教育、金融など、どの業界・業種でも活躍することが可能です。

情報工学科では、5つのコースに分かれて専門的に学ぶので、4年間という時間の中で自分に合った進路を見つけられるでしょう。

<POINT>
・AIやプログラムの開発を支える情報技術を学べる情報工学科は就職に強い
・情報工学科は、IT業界だけでなくどの業界・業種でも活躍することができる

大学のカリキュラムについて教えてください

1回生では情報工学の基礎、2回生では各分野に共通する基幹的な知識や技術を学びます。3回生、4回生で自らの専門分野の学びを深めていき、本格的な研究開発プロジェクトや卒業論文を完成させます。

さらに本学科は、工学部建築デザイン学科のデザイン系科目、経済学部、経営学部の社会学系科目をクロスオーバー科目として受講できるので、新たな視点や発想が生まれるなど、幅広い教養や知識が身につきます。

他大学と違うポイントがあれば教えてください

本学では、1回生から「少人数クラス制」スタイルをとっています。PCの使い方や学習に関することなどを、少人数単位のクラスでサポートすることで、学生が不安感を持ったり、つまずいたりしないように工夫しています。

学生が直面する悩みや疑問は、自分で考えると数時間かかるものもあります。ですが、クラス担当教員に相談すれば十数分で解決するようなこともあるので、気軽に質問できる環境を整えています。

東野先生はどのような授業を担当されていますか?

私は、インターネットの仕組みなどネットワークに関する授業とアルゴリズムに関する授業を担当しています。これは選択必修科目ですが、ぜひ学んでほしいと思っています。

先ほどもお話ししたように、プログラミングスキルのみならず、専門的な情報技術の知識があるかどうかが、プロフェッショナルとアマチュアの大きな違いです。

単純にプログラムが組めたとしても、ネットワークの知識が理解できていなければ、何かしらのネットワークのトラブルが起こっても対応できない可能性があります。そういったことがないようにするためにも、計算機やネットワークの基礎的な仕組みを学ぶことが大切です。

・京都橘大学の情報工学科では、必修科目の授業を中心に、工学部建築デザイン学科のデザイン系科目や経済学部、経営学部の社会学系の科目などを他学科の学生と連携して幅広く学ぶことができる
・1回生からクラス制をとっており、気軽に質問できる環境が整っている
・東野先生はインターネットの仕組みなどネットワークに関する授業とアルゴリズムに関する授業を担当している

京都橘大学の情報工学科はどのような人に向いていますか?

情報工学科に向いているのは、論理的な思考が得意な人です。例えば「手品の種を作ることが楽しいと思える人」のように、実際に手品ができなかったとしても、物事の処理を頭の中で論理的に考えていくことが好きな人はきっと楽しく学べるでしょう。

情報工学科の入試には数学I・Aと数学II・Bが課されている場合が多いのですが、それはアプリやシステムを作る際に数学的な基礎知識をもとに物事を論理的に考えていかなければならないからであり、微積分や三角関数を知らないとアプリやシステムを作れないという訳ではありません。

また、好奇心が旺盛な人にも向いています。情報技術を活用して新たな仕組みを作ったり、どうすれば生活が便利になるかを考えつくためには、常に新しいことに敏感であり、アンテナを張っておくことが求められるからです。

倍率はどれくらいでしょうか

2022年度実績だと、一般選抜前期A日程で2.5〜3.5倍です。スタンダード、数学特化などから選べます。詳しくは、入学試験要項をご確認ください。

<POINT>
・論理的思考を持った人や、好奇心旺盛な人が情報工学科に向いている
・京都橘大学の情報工学科の倍率は一般選抜前期A日程で2.5〜3.5倍(2022年度)

これから情報工学科を目指す学生に一言お願いします!

これは、情報工学に限らずですがその分野や学問が「好き」と思えるかどうかは重要です。もちろん、明確に「好きだ、面白い」と思うことがあればよいのですが、「なんとなくインターネットやパソコンが好きだな」「悪くないな」と思える人にきてほしいなと思います。

高校生までは、一週間を通して様々な科目の授業を受けます。しかし、大学では興味のある分野に絞って学んでいくため、「あまり好きではないな」と思いながら続けていると、気が滅入ってしまいますよね。だから、なんとなくのイメージでもよいので「どれだけやっても飽きない」と思う分野を見つけてみてください。

<ここがDISCOVERY!>

・京都橘大学の情報工学科では、情報技術の基礎を学び、活躍するための知識を学べる!
・IT業界をはじめとして様々な業界・業種でも活躍することができる!
・1回生から少人数クラス制を取り入れているので気軽に質問できる環境が整っている!
・論理的思考を持った人や、好奇心旺盛な人が情報工学科に向いている!

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