YOUは何しにタチバナへ?! Episode.1 スリランカの海に眠る歴史を追って京都へ 水中考古学とCA、ふたつの夢に挑む留学生
特 集
2026.07.31

京都橘大学には、15カ国・地域から189名の留学生(2026年7月時点)が在籍し、日本全国から集まった学生たちとともに学び、充実した大学生活を送っています。世界には数多くの大学がある中で、彼ら・彼女たちはなぜ京都橘大学を選んだのでしょうか。
留学生にスポットを当てた企画『YOUは何しにタチバナへ?!』では、日本で学ぼうと思ったきっかけや京都橘大学を選んだ理由、キャンパスでの挑戦、そしてタチバナで過ごす日々のリアルな姿をインタビュー形式でお届けします。海を越えて学びにやってきた『YOU(留学生)』たちは、何を夢見て、どんな未来を描いているのか。その素顔と魅力に迫ります。

タチバナ留学生MAP
赤ピン:正規留学生 青ピン:短期留学生 フラッグ:姉妹提携校
『YOUは何しにタチバナへ?!』エピソード1に登場するのは、日本から約7,000km離れたインド洋の島国・スリランカから来日し、文学部歴史遺産学科で水中考古学を学ぶワラナクラスーリヤ パタベンディゲ ラクミナ デネス アイェシャン フォンセカさん。
「故郷の海に眠る歴史遺産を自らの手で調査したい!」そんな夢を胸に京都橘大学へ進学し、ダイビングの資格取得や水中調査に挑戦しています。その一方で、将来はキャビンアテンダントとして世界中の人を笑顔にしたいというもう一つの夢も。卓越した日本語力と持ち前の明るさで周囲を魅了し、趣味のお菓子づくりでも才能を発揮しています。
さらに、2回生の夏休みには「京都府名誉友好大使」の活動や京都経済同友会インターンシップにも参加。大学生活の一つひとつを全力で楽しみながら、自らの可能性を広げ続けています。
故郷の海に眠る歴史をひもときたい。世界中の人を笑顔にしたい。二つの夢に向かって挑戦を続けるフォンセカさんに、京都橘大学での学びや日々の生活について伺いました。
文学部 歴史遺産学科 2回生
ワラナクラスーリヤ パタベンディゲ ラクミナ デネス アイェシャン フォンセカさん(スリランカ出身)
令和8年度「京都府名誉友好大使」
※2026年7月にインタビューしたものです
Q/スリランカってどんなところ?
スリランカはインドの南東に位置する島国で、美しい海や豊かな自然、紅茶の産地として知られています。世界遺産の古代遺跡や仏教文化が息づき、多民族、多宗教が共存する国で、「インド洋の真珠」とも呼ばれています。私は海辺の町「チラウ」で育ちました。父も漁師なので、海は子どもの頃からとても身近な存在です。だから今こうして水中考古学を学んでいるのも、海とともに育ってきた経験が大きく影響していると思います。

Q/留学先の国に日本を選んだ理由を教えてください。
今、スリランカは深刻な経済危機にあって、大学に進学できても卒業後の仕事がなく、若者の失業率が非常に高い状況です。スリランカの大学に入学してすぐコロナ禍だったこともあり、不安な気持ちのままスリランカに居続けるより、留学して将来の可能性を広げたいと考えました。留学先に日本を選んだのは、日本のテレビドラマ『おしん』の影響で、日本という国に親しみがあったからです。スリランカで『おしん』は何度も再放送されている国民的人気ドラマなんですよ。着物や日本人の暮らしぶり、『おしん』の世界観すべてに興味がありました。でも実際に来てみると、日本のみなさんは洋服ですし、着物を着ているのは外国人観光客ばかり。想像との違いに驚きました(笑)。それでも実際に暮らしてみると、日本には想像以上の魅力がたくさんあって、ますます好きになりました。

Q/日本語学校に通った後、京都橘大学への進学を決めたのはなぜですか?
ずっと歴史が好きで、スリランカの大学時代も高校生にオンラインで歴史を教えた経験があります。私が育ったスリランカのチラウ地域には海も川もあり、スリランカの水中に残された遺跡を調査してみたいと思っていたんです。日本語学校に通うために暮らし始めた京都が大好きになり、大学も京都が良いと思って調べていたところ、京都橘大学で水中考古学が学べること、そのエキスパートである南健太郎先生がいらっしゃることを知り、「ここだ!」と思いました。



Q/水中考古学という学問の魅力を教えてください。
水中考古学を専門的に学べる大学、そして南先生と出会えたことは本当に幸運でした。南先生はどんなことでも話せる、とても身近な存在です。授業の遺産調査実習として水中調査に参加できるほか、南先生の研究プロジェクトに学生も関わる機会が多く、フィールドワークは毎回ワクワクします。水中考古学の魅力は、陸上では見ることのできない景色に出会えることです。水中では遺跡と魚などの生物が共存していて、とても美しい世界が広がっています。沖縄で亀と一緒に泳ぎながら調査したことは忘れられない思い出ですし、夏休みに予定している滋賀県大津市の坂本城跡の調査も今から楽しみです。京都府北部の舞鶴の冠島近郊で発見された階段状の岩にも興味があり、いつか現地調査に参加したいと思っています。
また、水中の遺跡は人類の歴史だけでなく、巨大地震や津波の痕跡を知る手がかりにもなります。陸上に比べて保存状態が良いものも多く、新たな発見につながる可能性を秘めています。ユネスコは基本的に発見された場所で調査、保護する方法を優先していますが、私は一部を博物館などで保存する方法も必要ではないかと考えています。大きな災害で水中環境が変化しても記録を残せますし、ダイビングができない人にも遺跡を見てもらえるからです。だからこそ私は、水中遺跡を研究し、その価値をより多くの人に伝えていきたいと思っています。


Q/京都橘大学での生活を通して、新たに挑戦していることはありますか?
京都橘大学に入学してから、水中考古学だけでなく国際交流にも挑戦するようになりました。令和8年度の「京都府名誉友好大使」に選ばれたのも、そのひとつです。
留学生サポートの窓口となる国際系事務課の職員のみなさんは、私たちの名前をちゃんと覚えて声をかけてくださいます。授業やアルバイト、奨学金のことなど何でも相談できる存在で、「京都府名誉友好大使」に挑戦する背中を押してくださったのも職員のみなさんでした。「京都府名誉友好大使」は、京都府と母国、地域をつなぐ架け橋として活動する京都府内の大学で学ぶ留学生の代表です。2026年度は12大学から10名が選ばれ、そのうち4名が京都橘大学の留学生です。毎月持ち回りで母国の文化を伝える活動を行っており、初回となる8月は私が料理教室を担当します。スリランカを代表するソウルフード、「コットゥ」と、「ワタラッパン」というプリンを披露する予定です。実は料理とケーキ作りが好きで、普段はほとんど自炊しています。どんなに忙しくても夜間のアルバイトがない日にはデザートを作ります。同じ団地に住む方や友人、知人にお裾分けして喜んでもらうのが何より楽しみです。得意のチョコレートケーキは絶品ですよ。スリランカの文化を伝えたり、手づくりのお菓子を振る舞ったりして、人に喜んでもらえる瞬間がとても好きです。



Q/将来の夢について、どんなことを考えていますか。
卒業論文は、海に沈んだ沈没船をテーマにしたいと考えていて、卒業までに南先生とできるだけいろんな海でたくさん調査したいです。スリランカにも沈没船はたくさんあるので、いずれ帰国して、水中調査で得た知見をスリランカの大学で教えることができたらと思っています。スリランカとインドを結ぶ最短距離はわずか約30キロ、かつて陸続きだった歴史があります。陸橋が架かっていたと言われていて、世界遺産に認定されたシギリア王宮跡とも関連しているその橋についてもじっくり調査したいですね。
そして、今は水中考古学の研究ともうひとつ、日本航空(JAL)で働きたいという別の夢に向かっても活動しています。以前、スリランカ行きの飛行機に乗る際、トラブルで外資系航空会社に搭乗できなかったのですが、困っている私をJALのスタッフの方が助けてくださって無事に帰国することができました。そのときのJALの機内サービスやホスピタリティの素晴らしさに感動して、人の役に立てるキャビンアテンダント(CA)の仕事に憧れるようになりました。今年の夏休みには、キャリアに関する正課科目の一環として、経済同友会が主催するJALのインターシップに参加します。羽田空港での実践的な就業体験ができるプログラムで、日本人学生を含む多くの応募者の中から選抜していただきました。留学生としてこのような貴重な機会をいただけたことをうれしく思っています。今回の経験を通して多くのことを学び、将来に生かしたいです。

Q/海外留学を夢みる後輩たちに、どんなことを伝えたいですか?
まず自分は何を勉強したいのかしっかり考えて、目標を見つけて、そこに向かって頑張ってほしいと思います。日本に来る留学生の中には、できるだけ早く就職することを目指し、日本語学校を卒業した後、大学ではなく専門学校へ進学する人も多くいます。でも私は、大学で学ぶことには大きな価値があると実感しています。将来の可能性の幅が広くなるし、大学で経験したことは、今後の人生できっと役に立つはずです。頑張った分、4年後の自分は人生をもっと楽しめるようになっていると思います。京都橘大学に来てやりたいことがどんどん増えて、一日24時間では足りないですが、疲れてしまうことはまったくありません。起こることすべてが楽しい毎日です。
歴史のある京都の地で、そして、タチバナで一緒に学びましょう!!

ココから来ました!スリランカ!



〈ここがDISCOVERY!〉
- 故郷スリランカの海底遺跡を研究するため来日
- 京都橘大学で日本では珍しい水中考古学を学ぶ
- 京都府名誉友好大使としてスリランカ文化を発信
- JALインターンシップに参加しCAの夢にも挑戦
- 「やりたいことがどんどん増える」タチバナで可能性を広げる毎日を
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