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文学部内定者大集合!
文学部って本当にキャリアに強いんです

特 集

2024.02.01

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京都橘大学文学部では「キャリアに強い文学部」をキャッチフレーズに、将来のキャリア形成を支援するプログラムを実施しています。今回の座談会では、ファシリテーターにα-STATION(エフエム京都) DJの前田彩名さんをお招きし、内定を得た文学部の学生に、これまでの大学生活や就職活動から得た学びや成長をリアルな体験をもとに語り合ってもらいました。

上野 真実さん
文学部日本語日本文学科4回生
内定先:株式会社モリタ(以下、モリタ)

澄川 真華さん
文学部日本語日本文学科4回生
内定先:株式会社ソフトウェア・サービス(以下、ソフトウェア・サービス)

橋川 真奈さん
文学部歴史遺産学科4回生
内定先:株式会社阿波銀行(以下、阿波銀行)

※2023年12月にインタビューしたものです。

Q/京都橘大学に入学した理由と入学前後で感じたギャップについて教えてください

上野/高校時代から、「組織のリーダーには男性が向いている」という風潮を肌で感じていたこともあり、女性という視点から歴史を見つめ直す女性史に興味がありました。京都橘大学は女性歴史文化研究所があり、さらには「キャリアに強い文学部」を掲げているところに魅力を感じて入学を決めました。

また、高校時代と比べてより強く感じたのは、大学では自らが行動することが大事だということです。これが入学後に感じた一番のギャップです。

※女性歴史文化研究所
https://www.tachibana-u.ac.jp/research_area/general_academic/iwhc/

澄川/一つのキャンパスに様々な学部学科の学生が集まっているのが魅力です。私は日本語日本文学科ですが、サークル活動などを通じて他学部の学生とも交流し、多角的な考えに触れながら自らの知見も広げていけるだろうと思いました。

橋川/高校生の頃から日本史が好きで、とりわけ江戸時代の人々の暮らしに興味がありました。歴史遺産学科はフィールドワークが多く、実際に自分の目で見て学べるところが魅力的でした。

大学からの就職活動(以下、就活)のサポートがとても手厚かったのが良い意味でギャップに感じました。

Q/それぞれの学びついて、印象に残っている授業や先生とのエピソードがあれば教えてください

上野/全体的に体験型の学びが多いように思います。京都という土地柄を生かして社寺を訪れたり、伝統産業に従事する方から直接お話を伺ったりする機会がたくさんありました。

澄川/学外の学びとして体験できたボランティア活動です。私は京都市山科青少年活動センターで、子ども食堂や清掃のお手伝いに1年間取り組みました。時間的になかなか会えない利用者さんとは目安箱を設置して意見を交換し合うなど、間接的ではありますが交流を深めることができました。大学から出て地域の人々と関わりながら、学生だけで課題を解決できたのは大きな経験になりました。

橋川/美術史をテーマとするゼミ活動の一環で、寺院の所蔵物調査に取り組みました。持仏や掛け軸などの美術品の写真を撮ったり、法量(仏像の寸法)を測ったりと、学生主導で貴重な体験ができました。

Q/「キャリアに強い文学部」として、実際に取り組んで感じたことや学んだこと、成長したことについて教えてください

●「多読百遍(たどくひゃっぺん) ~文学部多読プログラム~」
専門書籍、教養、キャリア関連などの図書100冊を読破します。ワークシートを使った振り返りや、教員や先輩の指導を受けることで、論理的思考力など社会でいかせる力を意識的に鍛えます。

●「文学部キャリアゼミ」
課題解決型学習(PBL)や学外体験プログラムなどで協調性やコミュニケーション能力を養い、社会人としての素養を身につけます。さらに「社会人基礎力テスト」により、社会でいかせる力がどのくらいかを把握します。

●「京都プログラム」
日本文化が蓄積され、世界的にも高く評価される都市、京都。文学部での学びをベースに、京都の文化、観光や京都の企業・伝統産業とその課題を学び、アクティブな課題解決型学習を展開します。

上野/この中では「キャリアゼミ」が最も自身の成長や就活に役立ったと実感しています。1回生の早い時期から社会人的な思考やディスカッションのトレーニング、自己分析に似た課題があり、将来について当事者意識をもつことができました。

澄川/私も「キャリアゼミ」でのPBLがとても力になりました。限られた予算と時間内でさびれた商店街をどのように活性化するかをグループワークで議論しました。そこでは実践的に解決策を考えるだけでなく、協調性やコミュニケーション能力も必要とされます。私は主に書記として発表資料をまとめることが多かったのですが、先生や仲間からのフィードバックにも助けられ、なんとか苦手意識のあるまとめ役を克服しようと努力しました。

橋川/やはり「キャリアゼミ」ですね。1回生のときに社会人基礎力の判定テストを受けたのですが、自分自身の得意分野や苦手分野を客観的に知ることができました。また、3回生でもう一度判定テストを受けたときにはスコアが伸びており、自らの成長を実感することができました。ほかにも論理立てて順序よく話したり、相手の立場になって物事を考えたりする力が身についたかなと思います。

Q/ほかにも「キャリアに強い文学部」などを感じたエピソードはありますか

上野/本学の文学部は全体的に向上心をもって就活に取り組んでいる学生が多いということです。キャリアゼミなどを通じて、みんなが自然と就活に意識を向けるようになったのではと思います。また、キャリアセンターに相談に行き、とてもお世話になりました。

澄川/日本語日本文学科では古典文学や近現代文学を研究する「日本語日本文学領域」と、伝統文化やアニメ・マンガを教材とする「国際日本文化領域」の2つがあります。このように幅広い領域から日本語と日本文学を学ぶことで、多角的に物事を捉える視点が養えたと思います。

橋川/文学部に限ったことではないのですが、3回生になった頃、私のゼミにキャリアセンターの方が直接来られたことがありました。エントリーシートの書き方やガクチカ(学生時代に力を入れたこと)の探し方など、具体的な就活の進め方を教えてくださり、何から始めていいのかわからなかった私にとってすごく参考になりました。そもそもキャリアセンターの存在は知っていましたが、どのように利用していいのかわからず、実際にお話を聞けたことでキャリアセンターに行くハードルがとても低くなりました。

Q/卒業研究のテーマや内容、なぜそのテーマを選んだのかを教えてください

上野/『源氏物語』の中で光源氏の求婚を拒んだ朝顔の姫君を取り上げ、姫君が結婚拒否に至った経緯を時代背景や当時の女性の価値観などから考察しようとしています。ご存じの通り光源氏は数々の女性と浮名を流しましたが、遊びの相手としてではなく、正妻として迎えられるのに朝顔の姫君は結婚を拒否しました。物語の本筋の登場人物ではありませんが、そんな大胆な行動に出た特殊性も私が魅力に感じたところです。入学当初から興味を抱き続けた女性史と古典ゼミでの学びの集大成として、この卒業論文を完成させたいと思います。

澄川/谷崎潤一郎の『細雪』における戦争の寓意についてです。私自身が三姉妹ということもあり、姉妹が登場する作品を卒業研究で扱う予定でした。作品自体は旧家の華やかな生活ぶりが描かれていて、直接的に戦争を匂わせるものはありません。しかし、執筆当初は終戦間近で、国からは「贅沢な暮らしを描いたものを世に出すな」と出版を差し止められました。そういった背景もあり、この作品と戦争は切っても切り離せないものだと思います。また、谷崎は『源氏物語』の現代語訳も手がけており、旧家の華やかな生活と平安時代の貴族の生活に共通する世界観を読み解くのもおもしろいと思います。

橋川/そもそも私は近世の人々の暮らしに興味があったので、当時の民衆の風俗が描かれた屏風を題材に取り上げることにしました。中でも、祇園祭をテーマに描かれた『祇園祭礼図屛風』は不思議なことに、ある一定期間に集中して制作されている点に気がつきました。なぜ同じ題材、同じ構図で多くの作品が制作されたのか。依頼者が朝廷の場合は、御所が構図に入るなど多少の違いはありますがほとんど同じ内容です。先行研究もあまりなく、少々苦戦していますが、せっかく京都で4年間を過ごしたので「京都といえば」という題材を卒業論文のテーマにしたいと思いました。

Q/文学部での学びや大学生活を通して、自身が学んだことや成長したなと感じる出来事や経験について教えてください

上野/文学部での学びからは、論理的に筋道を立てて考えることが身につきました。文学について理論を展開するにしても、その根拠や思考回路を示さなければ説得力がなく、ただの感想になることを日々のレポート課題や授業中の発表から感じました。

また、大学生活ではすぐに行動するようになったところが成長したなと思います。親元を離れて一人暮らしを始めたことが大きいのですが、料理も洗濯も自分がやらないと誰もやってくれません。何ごとも積極的に自分で行動しなければ、望み通りの結果を得ることはできないと学びました。

澄川/ゼミでは自分の考えを発表したり、ほかの人の意見を聞いて考察したりする機会がとても多かったので、そこが自分自身の成長につながったと思います。また、発表に対してはゼミの仲間や先生からフィードバックをもらえるので、自分自身の持ち味や伸びしろをそのたびごとに実感することができました。3回生のときの発表では、作品の読解力を友人にほめられてとても自信がつきました。逆に他作品との比較分析は苦手意識があったので、そこに気づけた点も良かったと思います。

橋川/大学生活を通して自分から行動を起こせるようになったと感じています。今までは自分が疑問に思うことがあっても人任せにしていましたが、それだとなかなか成長にはつながらず、「もう少し自分を変えてみたい」と考えたのがきっかけです。大学生になってからは率先して意見を述べたり、意識してリーダーを引き受けるようになりました。

Q/未完の大学として絶えず発展・成長し続ける京都橘大学をどう思いますか

上野/すごく素敵なコンセプトだと思います。ずっと成長し続けるという点で卒業後も気にかけたくなるし、京都橘大学の卒業生であることを誇りにも思えます。また、自分自身も成長し続けて在学生の見本となれる人間になりたいなと思わせてくれます。

澄川/本学の歴史を見ても、時代のニーズに合わせて成長してきた大学という印象です。女性歴史文化研究所の設置や新たな学部学科の開設など、京都橘大学の良さを残しつつ、常に変化する世の中で発展し続けていってほしいです。

橋川/大学も私たちと一緒に成長していることを感じられ、とても親近感が湧きます。大学の発展・成長に置いて行かれないように、私自身も頑張ろうという原動力になります。

Q/就活について、意識し始めたのはいつ頃からですか

上野/2回生の春から意識し始めました。キャリアゼミはもちろん、学内に掲示してあるキャリアセンターのポスターを見て意識づけられたのかなと思います。

澄川/2回生の夏からです。2回生から参加できるインターンシップのお知らせが大学から届くので、「じゃあ、行ってみようかな」と意識するようになりました。

橋川/3回生の春からです。先ほども申しましたが、ゼミにキャリアセンターの方が説明に来られたのが良いきっかけになりました。

Q/自己分析や企業分析はどのようにしていましたか。何か自分なりに工夫したことや苦労したこと、頑張ったことはありますか

上野/自己分析の手法の一つとして、キャリアセンターの方に教えていただいたモチベーショングラフを作成しました。これは過去の自分に起きた出来事や体験を振り返ってモチベーションの起伏をグラフ化するというもので、私の場合はそれに伴う感情やなぜそう感じたかを書き込むようにしました。これが自己分析だけでなく、自己PRの作成にもすごく役立ったと思います。

また、企業分析においては主に「業界地図を見る→マイナビやリクナビを見る→企業のウェブサイトを見る」の流れを繰り返すようになりました。中でもキャリアセンターから配布された就活手帳をよく活用していました。手帳の中に企業分析のページがあって、会社の規模や代表者のお名前、自分が感じた会社の魅力をびっしりとメモに書き込みました。後から見返すと自分が魅力に感じた点が似てきますので、どういう軸で企業を選びたいのかがわかるようになりました。

澄川/私も上野さんと同じくキャリアセンターの方に自己分析をサポートしていただきました。就活をどこから始めていいのかわからなくて相談に行ったところ、「今まで自分が何を経験してきたか」「そこでどう感じたか」を質問形式で聞いてくださり、何気なく会話しているうちに自己分析のメモができていたという感じです。

一方、企業分析はキャリアセンターの方の勧めもあって、たくさんインターンシップやセミナーに参加して比較検討を行いました。自分に合うと感じた企業に対してなぜそう思うのかを熟考し、それに該当する同業他社を見ていくことで開拓しました。自己分析も企業分析も時間をかけて考え抜くと、その中で揺るがない何かが見つかります。たとえば私だったら、医療を通して人々の健康を支えたいという一つの点が見えてきました。それが自己の核だったり、望んでいる企業の条件だったりするのだと思います。

橋川/自己分析は、今まで友人に褒められて嬉しかったことを振り返って考えました。自分がこうだと思い込んでいる自己像よりも、他者から見られている私のほうが客観的だと思えたからです。その中で友人に「相談しやすい」といわれたことがとても嬉しく、自己PRにも取り入れました。

また、企業選びについては私の出身地が徳島県でしたので、地元に帰って地域に貢献したいという想いが強くありました。地方公務員も考えましたが少しスタートが遅かったため、一般企業で地元に直接貢献できる金融業界に絞り込みました。でも、実際にインターンシップに参加すると、その場にいるのは経済学部や経営学部の学生が中心。文学部の私は金融業界に対する知識がほとんどなく、一緒にインターンシップを受けた他大学の学生に企業研究や業界研究のやり方を聞きながら勉強しました。

Q/学生時代に力を入れたことは何ですか

上野/まず一つが図書館司書の資格取得です。図書館司書にはカウンター業務があり、利用者からの問い合わせに臨機応変に対応します。授業の中では実際に学生同士でシミュレーションを行うのですが、相手の要望を分析するという点でヒアリング力が身についたと思います。そして、もう一つがアルバイトの経験です。私は1回生の頃からホテルのフロント業務に携わり、ご利用されるお客さまの7~8割が海外の方でした。生活圏も価値観も違うお客さまの応対でコミュニケーション能力が磨かれましたし、スタッフ間で発生する課題の解決力も養われたと思います。

澄川/学生同士で「助けあい」や「コミュニティづくり」に取り組む生協学生委員会の活動です。私は新入生にパソコン操作を教える部署でリーダーを務めました。企画のために10ヵ月前から計画的に準備を進めたり、イベント当日に新型コロナウィルスに感染したスタッフの補充を行ったりと、リーダーとして臨機応変な対応が求められました。

橋川/大学祭実行委員会での活動です。私はその中で企画パートの責任者を担当しました。企画パートは運動部の学生たちと協力し、野外ステージの企画運営を行うというもの。パートのメンバーが90人近くいたので意見をまとめるのが大変で、あれこれと工夫しながらステージを作り上げました。

Q/就活で印象に残っている出来事や経験、言葉などはありますか

上野/就活の方向性や自己PRの作成に悩んでいたとき、両親がかけてくれた「いつでも帰ってきてええからね」という言葉です。とくに私は一人暮らしだったので、いつでも居場所があることで物事を前向きに考えられるようになりました。

澄川/最終面接で「趣味について自由に話してください」といわれたことがありました。そのとき私は趣味の読書について好きな作家や好きな作品のことを詳しくお話しさせていただきました。就活中は何かと自分を良く見せたいと思いがちですが、本当に素直に会話を楽しめた瞬間でした。たまたま面接官も読書家でその場がすごく盛り上がりました。最後にその面接官から「本を読むのはいいことだよ。これからも続けてください」といわれたことがとても嬉しかったです。

橋川/面接の際に笑顔でいることを心がけていたせいかもしれませんが、「お客さまに好かれるタイプだね!」と声をかけていただいたのが一番印象に残っています。今後、銀行員としてお客さまと関わる上でとても嬉しい言葉でした。

Q/「キャリアに強い文学部」の取り組みが就活でいかされたことがあれば教えてください

上野/やはりキャリアゼミで培われた社会人的思考力、論理的に話す力がいかされたと思います。面接で自己アピールするにしても、その論拠であったり具体的な事例がなければ面接官には伝わりません。ですからこの能力を身につけられたのは、とても強みになったと思います。

澄川/キャリアゼミで何度も経験したグループワークです。企業のほとんどがインターンシップにグループワークを取り入れており、いつでも瞬時に役割分担や自分の立場を判断することができました。誰かと一緒に何かをするということは、協調性はもちろんですが自分にいま何を求められているのかを理解しなければなりません。授業で何度も取り組んでおいて良かったと思います。

橋川/2回生の頃、授業の一環で参加したインターンシップがとても役に立ちました。早い段階でひと足先に体験できたので、就活生としてインターンシップに参加するハードルがとても低くなりました。

Q/「これは共感してもらえるのでは!」と思う“就活あるある”があれば教えてください

上野/説明会や面接前に限って電車が遅延していたり、オンラインの通信環境が悪かったりしたことです。「よりによってこんなときに!」ということが何度も連続して起きるのが就活だと思います。普段から余裕をもって行動するようにしていましたが、そうでなければきっと間に合わなかっただろうなと思います。もちろん電車が遅延したときも、通信環境が悪かったときもすぐに相手先に連絡して、自分のペースが乱れないように注意しました。

澄川/スケジュール管理がたいへんなことです。たとえば、インターンシップに参加したいと思ったら、早めに行きたい日を押さえておかないと満席になってしまいます。でも、その日はどうしても授業を休まなければなりません。授業の出席は単位の取得に直接関わってきますので、それを見越して「ほかの講義はぜんぶ出るぞ!」と調整していました。

橋川/オンライン面接の本番直前に自分だけのZoomルームを作成して写りを確認していました。部屋の中で一番明るい場所や背景がごちゃごちゃしていない場所を選んだり……。皆さんもやっていたのではないかなと思います。

Q/これから就活される在学生へのアドバイスをお願いします

上野/就活は「準備が100%」ということです。スケジュール管理や会社までの交通手段、オンライン面接もそうですが、どれだけ準備したかによって自信や余裕が生まれてくるものだと思います。

澄川/「等身大の自分で臨んでほしい」ということをお伝えしたいです。やはり面接はどうしても良く見せたいだとか、大きく見せたいだとか思いがちになりますが、相手は採用のプロですからどれだけ取り繕ってもバレてしまいます。等身大の自分を素直に出すほうがいいのかなと思います。

橋川/「絶対にここに入社したい!」という強い意志を示すことが一番かなと思います。私自身、文学部の学生があまり受けていない企業から内定をいただけたので、やはり強い気持ちが相手に通じたのだと思います。

Q/内定先のどんなところに魅力を感じて選んだのか。大学での学びをどのようにいかしていけそうか、という観点で教えてください

上野/就活を意識し始めた2回生の頃は、文学部=出版・広告業界なのかなと漠然と考えていました。しかし、自己分析を進めるうちに、人とコミュニケーションを取りながら提案や課題解決に取り組みたいと思うようになり、営業職という職種を志望するようになりました。その中でも社会に必要不可欠で、多くの人に貢献できる医療業界が選択肢として浮かびました。私が内定をいただいたのは歯科医療に関わる総合商社ですが、口の中の健康が健康的な人生の根底にある点で魅力を感じました。

また、大学での学びでは、身についた論理的思考力が営業職にいかせると思います。どれだけ良い商品を提案しても、根拠や説得力がなければお客さまは納得してくれません。筋道を立てて話すことは、社会人として身につけておかなければならないスキルだと思います。

澄川/企業研究を重ねていくと、直感的に自分にとって「いいな」と思える企業がわかるようになります。私の場合は圧倒的に医療業界でした。ひと言に医療業界といっても医療機器メーカーや商社など複数の企業があります。私が内定をいただいた株式会社ソフトウェア・サービスは、高齢化や人材不足でひっ迫する日本の医療業務の効率化という点で医療全体の質を向上し、より多くの人の健康を支えられると感じました。

採用されたのはコンサルタントSEという職種で、これは技術職ではなく、病院に電子カルテを導入する際にサポートする部隊です。チームで協力しながら働ける環境なら、これまでグループワークで培った経験もいかせるのではと思いました。

橋川/高校生の頃は、「もう地元に帰ることはないかもな」と考えていました。でも、離れてみてこそわかる地元の良さを実感し、生まれ育った徳島県にもう一度帰って貢献したいと思うようになりました。とりわけ地方の金融業界は地域経済を支える基盤であり、内定先の阿波銀行が私の第一志望でした。1次面接のときからずっと入社の意志を強くアピールしたことが、しっかり面接官にも伝わったのかなと思います。

本来は自分の気持ちや考えを言語化するのは苦手なほうでした。しかし、本学での学びによって鍛えられたと思います。たとえばゼミでは、研究対象の書物から自分なりに問題点を見つけ出し、20分間必ず発表しなければなりません。もちろんその後は質疑応答の時間があり、自分自身も仲間の発表に対して必ず質問するのがルールです。そんなゼミでの鍛錬によって、面接時の思いがけない質問にも焦らず受け答えできました。

経済・経営を学んだ学生に比べれば金融業界の知識は少ないほうですが、歴史に興味のあるお客さまとはすごく会話が弾むと思います。銀行員はお金を扱う仕事ですから、信頼関係をいかに構築するかがポイントです。何か共通の話題があれば、とても強みになると思います。

Q/就活を通して成長したなと思うことは何ですか

上野/価値観が変わり、視野が広がったと思います。当初は出版業界や広告業界を中心に就活していましたが、自己分析や企業研究を進めていくうちに「自分自身で選べる道はたくさんある」と感じるようになりました。それと同時に、集団面接などで他の就活生のガクチカなどを聞くことで視野がさらに広がりました。

澄川/人に伝える力が成長したと思います。文学部では一つの作品と向き合って、思慮深く読解していくプロセスがあります。このプロセスを経験することで物事を自分の中で嚙み砕き、それを自分の言葉で説明する力が身につきました。初対面の方に等身大の自分を知ってもらうのは、思っていた以上に難しいことです。コミュニケーション能力はもちろん、物事を言語化する力も必要だと実感しました。

橋川/何かに失敗したときや自信をなくしそうになったとき、「何とかなるだろう」と切り替えられるようになりました。今までも落ち込むタイプではなかったのですが、やはり就活中はふとネガティブになる瞬間があります。そんな切り替えの早さも私にとっては成長だと思います。

Q/今後の目標やこれから歩むキャリアの「こうしていきたいな」を教えてください

上野/社会人としての能力だけでなく、資格の取得といった実務的なスキルを向上させていきたいです。私は責任や裁量権のある立場で働くほうがやりがいをもてるタイプです。最終的には管理職などに就き、職場の皆さんと一緒にやりがいをもって働くことが目標です。

澄川/常に思慮深く物事を考える経験を通して培われた力を、社会に出ても大切にしたいと思います。仕事や人との関わりの中で、常に思慮深く相手の立場を考えて信頼関係を築いていきたいです。

橋川/まずは会社に「採用して良かった」といってもらえる人材になりたいです。その上でお客様から、「橋川さんなら任せられる」「ぜひ担当してもらいたい」といっていただけるように努力したいと思います。

<ここがDISCOVERY!>

・京都橘大学は1年次から社会人基礎力を養うキャリアゼミがある!
・文学部キャリアゼミではグループワークを通じて協調性や自主性が身につく!
・文学部の授業やゼミの中で論理的思考力や読解力が身につく!
・京都橘大学のキャリアセンターで手厚いサポートを受けられる!

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