Interview

弓道部が掲げる目標。
チーム力を強化して、男子1部リーグ優勝、女子1部リーグ昇格へ

インタビュー

2021.05.25

凛とした緊張感が漂う弓道場。コロナ禍の影響で従来通りの活動ができない状況が続くなかでも、京都橘大学弓道部は、新たな入部希望者が増え、4月に建設された新しい弓道場で活発に活動をしています。練習中の厳かな雰囲気と練習後の和気あいあいとした雰囲気、そのギャップが印象的な弓道部。今年度、総主将を務める三谷光輝さん(文学部4回生)と女子主将の山根なつみさん(文学部4回生)に、京都橘大学弓道部の魅力や目標などについて語っていただきました。

三谷 光輝 さん
文学部歴史学科4回生。弓道部総主将を務める。
山根 なつみ さん
文学部歴史学科4回生。弓道部女子主将を務める。
※インタビューおよび撮影時のみマスクを外しています

京都橘大学弓道部プロフィール
【創部】1990年(平成2)年
【主な成績・活動】
2018年度
・関西学生弓道連盟 男子1部リーグ戦 3位
・関西学生弓道連盟 女子1部リーグ戦 4位
・京都学生弓道選手権大会 男子団体 優勝
・京都学生弓道選手権大会 女子団体 準優勝
・関西学生弓道選手権大会 男子団体 3位
2019年度
・関西学生弓道連盟 男子1部リーグ戦 2位
・関西学生弓道連盟 女子2部リーグ戦 優勝(2部残留)
・関西学連新人戦 団体優勝
・関西学生弓道選手権大会 男子団体 準優勝
2020年度
・全日本学生弓道選手権大会 団体戦男子 ベスト8

京都橘大学弓道部
WEBサイト
http://cai5.tachibana-u.ac.jp/kyudo/
Twitter
https://twitter.com/kyudotachibana
Instagram
https://www.instagram.com/ktu_kyudoubu/

Q/弓道をはじめたのはいつですか?

三谷/高校1年生のときに友人に誘われて弓道部の見学に行き、思いのほか興味が湧きました。滋賀県の高校だったのですが、県下で弓道部があることそのものが珍しく、やってみようと思いました。高校生活では、部活には所属しない予定だったので、この選択をしたという自分自身が意外でした。

山根/私も三谷さんと同じで、高校生になったときに弓道部の見学に行き、先輩たちの弓を引く姿がかっこ良くて、やってみたいと思いました。

Q/2人とも高校から弓道を始めたのですね。では、京都橘大学で弓道を続けようと思ったのはなぜですか?

三谷/高校の弓道部のあこがれていた先輩の方々が、京都橘大学に進学して弓道部で頑張っておられるのを知っていたので、私もと思いました。

山根/高校の先生が「京都橘大学が学校推薦型選抜の特技推薦・スポーツ文化部門で弓道部の生徒を募集している。チャレンジしてみては」とアドバイスしてくださったのがきっかけで調べてみました。すると、弓道部が強化クラブに指定されていて、大学のサポートが手厚く、近年は戦績も輝かしく、勢いがあることを知りました。私もここで、弓道を続けたい! と強く思い、京都橘大学に進学を決めました。

Q/京都橘大学弓道部の活動について教えてください。

三谷/部員は、男子22人、女子12人(2021年4月6日時点)です。

山根/合同練習は火、水、金、土の授業後ですが、朝、道場の掃除をした後から20時まではいつでも自由に練習できるため、各自が授業の合間に自主練習をしています。

三谷/技術的な面では、コーチが一人ひとりに丁寧に指導をしてくださいます。京都橘大学弓道部は、全体練習で筋トレや走り込みなどのトレーニングは行っていません。練習は、正しい姿勢と呼吸を心がけて弓を引き、弓道に求められる身体能力を鍛えています。

山根/入部前によく質問されるのが流派についてです。京都橘大学では、特定の流派に制限しているわけではありませんが、「正面打ち起こし」に統一しています。身体の正面で弓をかまえて、射の動作として、まず両腕を真上に挙げてから弓を引くフォームになります。私は、高校時代の流派が「斜面打ち起こし」だったので、大学に入学する前に「正面打ち起こし」を練習しましたが、自己流でやるよりも入部後に指導を受けて練習をした方が良いと感じました。もし、高校で流派が違ったとしても、そのまま入部しても大丈夫です。

Q/SNSで情報発信をして新入部員が増えたそうですが。

山根/毎年、学校推薦型選抜試験で一定数入部していますが、もっと部員を増やしたいと考えていました。以前はツイッターで試合結果のみを発信していたのですが、思うように勧誘につながらないため公式インスタグラムを立ち上げ、部活動の見学日の告知や、道具のことなどさまざまな情報を発信したところ、弓道経験者の入部が増えました。

三谷/京都橘大学の弓道部は強化クラブのため初心者は少ないのですが、やる気さえあれば大丈夫です。皆で全力でサポートします。

Q/昨年は、コロナ禍で練習が思うように行えなかったと思います。どのように部活動していたのですか?

山根/3密を避けるために、感染対策を行いながら練習を行っていました。8月頃までは部員を3チームに分け、練習時間を2時間として、交代で弓道場を使用しました。8月以降は、午前と午後に分かれて練習し、秋頃からは、さらに感染対策を行いながら全体で練習を行いました。その後、弓道場の建て替えがあったので、体育館で午前と午後に分かれて練習しました。体育館は、ほかのクラブも使用するので、調整しあいながら練習をつづけました。

三谷/新弓道場での練習が始められるようになったのは3月31日です。新しい弓道場で、気持ちも新たに練習をしています。ただ、4月より発令されている緊急事態宣言のため、2グループに分かれ、試合に向けて短時間の練習をしています。

Q/弓道部の主な年間行事を教えてください。

三谷/春は新入生歓迎会を行っています。今年も開催は無理かもしれません。5月から8月は京都学生弓道選選手権大会をはじめ全国選抜大会など競技会のシーズンになります。夏休みの期間には、合宿や部員たちでBBQをしたりと親交を深めています。9月からはリーグ戦などが始まり、11月には東西・王座決定戦があります。また上回生の引退納射を行っています。1月には全国ニュースでもよく紹介される京都の「三十三間堂大的(おおまと)全国大会」などがあります。

山根/「三十三間堂大的全国大会」は、全国から成人を迎える人たちが振り袖や着物、弓道着で参加し、三十三間堂で弓を引く大会です。私と三谷さんが参加したときは、女子が振り袖に色袴、男子は着物や弓道着で参加しました。大会参加者は、男子は約600人、女子は約700人が参加して、三谷さんは2位、私は3位でした。技術を競う大会というよりは新成人を皆でお祝いする意味合いが強く、華やかな大会です。この大会もコロナ禍で2021年は開催できなかったのでとても残念でした。

三谷/この大会だけでなく、昨年は夏頃まで公式戦が中止になり、悔しい思いをしました。ただ、状況はみんな同じなので、私たちとしては少しずつできることからやっていこうと思っています。

Q/三谷さんは総主将として、山根さんは女子主将として心がけていることを教えてください。

三谷/もっと強くなっていくのに欠かせないチーム力の向上を心がけています。そのために、先輩から後輩への技術指導を丁寧に行うようにしています。また、練習は厳しいですが、練習以外の時間は学年を超えて何でも話せる雰囲気も大切にしています。

山根/私は、常に部員全員のモチベーションを高めることを心がけています。

Q/弓道を通じて学んだことを教えてください。

三谷/継続する大切さを学びました。毎日、練習を続けることで確実に力がつき、それがモチベーションにつながります。この一連の流れは弓道だけでなく、何事にも通じることだと思います。また、先輩、後輩の上下関係のことや礼儀作法も学びました。これらは自分を高めるだけでなく、社会に出たときに役に立つことだと実感しています。

山根/弓道は、同じ動作を繰り返します。シンプルだからこそ、心身のコンディションなど昨日と今日の違いがよくわかります。その中で、良い結果を出すために身体のどこの力を入れ、どこの力を抜くのかなど試行錯誤しながら正しいフォームを身につけ、力をつけていくことが弓道のおもしろさです。私は弓道を通じて、一つのことを掘り下げるおもしろさを学びました。弓道に出合えて良かったです。

Q/今後の目標を教えてください。

三谷/男子の目標は、1部リーグ優勝です。1部リーグに昇格したのは4年前のことで、現在まで準優勝や3位という結果が続いています。優勝校を分析するとチーム力が強いと感じますので、チーム力の向上をめざして優勝を勝ち取りたいと考えています。

山根/女子の目標は1部リーグ昇格です。私たちもチーム力と技術の向上に務めたいと思います。

Q/京都橘大学弓道部にあこがれる高校生に向けてメッセージをお願いします。

三谷/どのような競技でも同じかもしれませんが、弓道はやる気があれば必ず上達できる競技です。これまで弓道をしたことがなくて不安があっても、皆でサポートします。一緒に切磋琢磨して頑張りましょう。

山根/大学と高校では、学業面も生活面もすべてが変わります。私は、大学で部活動に本気で取り組んできたことでさまざまな体験ができて人間関係が広がり、視野も考え方も成長したと思います。初心者も経験者も大歓迎です。皆で、弓道を通じて成長しましょう。

<ここがDISCOVERY!>

・男子は1部リーグ優勝。女子は1部リーグ昇格をめざしている!
・京都橘弓道部は、正しい姿勢で弓を引くことで弓道に必要な身体能力を鍛えている!
・初心者でも、流派が違う経験者でも、全力でサポート!
・2021年4月から新しい弓道場へ!

Relative