医療を支える縁の下の力持ち!
「ここで働きたい」を叶え、診療情報管理士として活躍する青木菜奈さん(京都橘大学2021年3月卒業)
インタビュー
2022.06.06
2021年4月より、大阪医科薬科大学病院で診療情報管理士※として勤務されている京都橘大学OGの青木菜奈さんにインタビューしました。診療情報管理士の仕事や京都橘大学での学びなどについて、お話を伺いました。また、同病院の診療情報管理士で青木さんの先輩の金森ひろ子氏に、仕事の魅力ややりがいなどについて語っていただきました。
青木 菜奈 さん
大阪医科薬科大学病院 医療総合管理部 診療情報管理室
2021年3月 現代ビジネス学部経営学科(現・経営学部経営学科)卒業
※インタビューおよび撮影時のみマスクを外しています
※「診療情報管理士」とは
診療録(カルテ)などに記載の診療情報の管理・分析・活用を業務とし、医療の安全や質の向上、病院の経営管理を支える高度な専門職です。本学では、経営学科(2021年4月より経済学部と経営学部)に、診療情報管理士の資格取得課程を設置しており、必要な科目の単位修得により、3回生後期に受験資格を得ることができます。
Q/診療情報管理士とはどのようなお仕事ですか?
診療情報管理士とは、主に患者さんの病状や治療の内容などが記されたカルテの管理をする仕事です。それ以外にも、例えば入退院など患者数のデータ入力、医療費に関するデータ(DPC)の分析、病院経営のための資料作成など、仕事は多岐にわたります。カルテやデータをしっかり管理することは、患者さんへのスムーズな診療につながるだけでなく、診療報酬を適切に管理することで病院の健全な経営にも役立ちます。病院における「縁の下の力持ち」のような役割ですね。
1年が過ぎ、先輩方に教わりながら仕事をする中で、ようやく診療情報管理士の業務の全体像が見えてきたように思います。個人情報を取り扱うことも多いので、常に慎重に業務を行なうように心がけています。
Q/一日の仕事の流れと、業務の中で工夫されていることを教えてください
出勤後は、まず一日の自分の予定やほかのスタッフの予定などを確認します。午前中は、入退院患者数や外来患者数のチェック、カルテの確認やデータ入力、報告書の作成などを行います。その合間に、患者さんからのカルテ開示希望があれば対応します。午後も同じようにデータの入力や確認作業を行いますが、必要に応じて病棟や手術室、ICUなどに出向いたり、医局で医師の先生たちと話をしたり、会議に出席することもあります。
昨年入職してから、仕事の中で気づいた問題点を上司に報告したり、複雑な作業のマニュアルを作成したりなど、常に改善できる点はないかと考えながら仕事をしています。特に医療関係職という仕事上、ちょっとしたミスでも大きな事態につながってしまいかねないと、いつも気持ちを引き締めています。
Q/診療情報管理士をめざされたきっかけは何ですか?
子どもの頃から「病院で働きたい」という夢があったのですが、高校生の時は、実際にどのような医療関係職があるのかよく分かっていませんでした。大学を調べる中で、京都橘大学では、医療関係を含む様々な資格を取得できることを知り、「ここならきっと何か見つけられるはず!」と思い、京都橘大学を選びました。そして、大学1回生の時のクラス担任の先生が、診療情報管理士の資格課程を担当されていて、診療情報管理士という仕事を知りました。
その後、学内であった資格取得講座の説明会に行き、仕事の内容を詳しく知って、自分に向いているのではないかと感じました。病院経営を陰で支える役割が自分の性格に合っていると思ったのです。
診療情報管理士の資格は専門学校でも取得できますが、最近では、四年制大学卒業以上の資格取得者しか採用しないという医療機関も多いと聞いています。診療情報管理士としての高度な専門知識だけでなく、幅広く深い教養を持った人材が求められているそうです。京都橘大学の経営学科では、PBLなどの授業で、実社会の課題を多角的に学ぶことができます。大学の授業と資格取得の勉強は大変でしたが、分野を超えた学びができたことは、今後仕事を続ける上で、必ず活きてくると思っています。
Q/資格をとるための勉強はどのようにされましたか?
資格課程科目を担当されている経済学部の橋本昌浩教授は、病院で診療情報管理士として勤務されていた経験があり、どうすれば学生が資格試験に合格するかを研究し、授業で実践されている先生です。資格の勉強は、まず授業時間中にその内容をしっかりと理解し、家に帰ってから復習して覚え直すことを心がけました。授業では、現職の診療情報管理士や医師の方などが来られて授業をしてくださるので、いいモチベーションになりました。
Q/大学生活や学びの中で印象に残っていることはありますか?
授業では、他学部や学科の人たちとのグループワークで学ぶ機会もあり、それまで自分にはなかった考え方やアイデアを吸収することができました。いろいろな考えの人とコミュニケーションをとりながら、自分にはどんな役割ができるのかを考えたことは、今でも役立っています。
京都橘大学には様々な学生がいて、授業以外にも学内の食堂などで、医療系の分厚い本を開いて勉強をしている人や、資格についての話をしている学生に出会います。そんな人たちを見て、「私も頑張らなくちゃ」と励まされることも多かったです。
Q/大阪医科薬科大学病院を就職先に選んだ理由を教えてください
3回生の夏に、2週間の実務実習を大阪医科薬科大学病院でさせていただきました。その時の職場の雰囲気がとてもよく、「ここで働きたい」と強く思いました。実際にこちらで仕事するようになり、福利厚生なども整えられていて、とても働きやすい職場だと感じています。また、地元の高槻市で働きたいという気持ちも大きかったので、大阪医科薬科大学病院を選びました。
なお、私の所属する診療情報管理室の室長は、京都橘大学特別兼任教授(健康科学部臨床検査学科非常勤講師)の上田英一郎先生です。こんなところにもご縁が!と驚いています。
Q/最後に、高校生に向けてメッセージをお願いします。
私は京都橘大学に入学したことをきっかけに、診療情報管理士という仕事に興味を持ちました。認定試験に合格できるのか、不安になったこともありましたが、先生に相談に乗ってもらったり、分からないところを教えてもらったりして、仲間と励まし合いながら頑張ることができました。
京都橘大学には、いろいろなことにチャレンジできる環境が整っています。そして8学部15学科の学生が集うキャンパスでは、価値観や考え方の異なる仲間と出会い、つながることができます。ぜひオープンキャンパスに参加してみてください。
コラム:職場の先輩より
大阪医科薬科大学病院
診療情報管理士 副参事 金森ひろ子氏
最近の医療職の現場においては、多職種協働ということがさかんにいわれるようになりました。診療情報管理士として、医師や看護師、薬剤師などの医療従事者や、その他の医療事務関連職など、様々な職種の人と連携・協働する場面も増えています。その中で大切なのは、チームの中で円滑に業務ができるコミュニケーション能力。そして、技術の進歩や制度の変化に対応できる適応力と向上心です。
京都橘大学で幅広く教養を学びながら、資格取得のための勉強もしっかりして来られた青木さんは、病院実習の時も熱心に学ばれていて、採用に迷いはありませんでした。入職されてからの一年間、自分なりに工夫をしたり、問題点を見つけたりしながら、大きく成長されています。
診療情報管理士の仕事は、医療の高度化・複雑化に伴って、今後、ますます期待が高まる職業です。だからこそ、今の向上心を持ち続けて、長くこの職場で働いていただきたいと思っています。
<ここがDISCOVERY!>
・青木さんは京都橘大学での学びを経て、小さい頃からの自分の夢を実現させた!
・京都橘大学では、医療関係を含む様々な資格取得をめざせる!
・京都橘大学では、現職の診療情報管理士や医師が授業をしてくれる!
・京都橘大学のキャンパスでは、価値観や考え方の異なる仲間と出会いつながることができるので、コミュニケーション能力が高められる!
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