Interview

フィールドワークで学んだ知識と技術を活かし
歴史遺産と今を生きる人をつなげる
卒業後は、自治体の文化財担当に

インタビュー

2023.03.30

文学部歴史遺産学科での学びを活かし、2023年春から京田辺市役所 事務職員 文化財担当として働き始める江本迪香さん。文化財を守り、人をつなげる仕事に就きたいという夢を叶え、内定を決めました。どんな想いや努力があったのか、大学生活を振り返ってもらいました。

江本 迪香さん
文学部歴史遺産学科4回生
学生広報スタッフ

※2023年2月にインタビューしたものです。
※インタビューおよび撮影時のみマスクを外しています

Q/地元を離れ、京都橘大学を選んだ理由を教えてください

高校生のときに、日本史がすごく好きになり、歴史ある京都で学びたいと思うようになりました。そこから歴史を深く学べる大学を調べて、京都橘大学の文学部歴史遺産学科のことを知りました。 “様々なフィールドワークを実施”というワードに心惹かれてオープンキャンパスに参加して、実際に先輩や先生のお話を聞いて志願を決めました。

Q/期待していたフィールドワークを実際に体験していかがでしたか?

歴史遺産学科の授業は本当に楽しかったです。学外に出るフィールドワークの授業が多いのが特徴です。大仙陵古墳(仁徳天皇陵古墳)の古墳を訪れたり、比叡山延暦寺の改修工事のバックヤードを見学したり。遺跡や史跡も興味をもっています。歴史そのものが好きなので、仏像やお寺を見てまわりました。三十三間堂が印象に残っています。以前に訪れた場所もありましたが、建立された時代背景のお話を聴きながら見ると、知っているつもりだった文化財の新しい視点に気づくことができました。フィールドワークで出合うすべてが新鮮で、もっともっと深く知りたいと思うようになりました。

Q/公務員として文化財に携わりたいと思い始めたのはいつごろでしたか?

1回生の夏から3回生まで続けた、京都市役所の文化財に携わるアルバイトの影響が大きいですね。事前準備から遺跡の場所がどこにあるのか発見するための下調べ、そして実際の発掘調査など、職員の方たちが地域の人のために注力されている様々な業務を間近で見て、憧れるようになりました。エンターテイメントやメディアにも興味があったので、そちらの世界ものぞいてみようと企業のインターンシップにも行ったこともありましたが、「やっぱりこっちじゃないな」と実感。文化財に携われる公務員に絞って、就職活動を進めました。

Q/就活で大変だったことはありましたか?

用意しておいた文面を読むのは得意ですが、就職活動の面接は苦手意識がありました。面接の練習でも言葉が出なくなるくらい、受け答えの場で緊張してしまいます。思いもよらない質問にも対応できるように面接までにどうにか慣れておこうと、YouTubeなどでよく見かける「100の質問」を参考に練習しました。たくさんの質問をしてもらい、柔軟に答えられるように練習をしました。それにもかかわらず、面接本番で緊張しすぎて言葉が何も出てこなくなるという失敗をしてしまいましたが、四つ目で内定をいただくことができました。就活を振り返ると、様々な人と関わる公務員の仕事では、いつでも冷静に受け答えできるかが大切だったのだと思います。

Q/就活で気持ちがくじけそうな時、どうやって気持ちを立て直しましたか?

三つの自治体で不合格になった時は、さすがに「自分は求められる人材ではないのではないか」と落ち込みました。でも次に面接を受ける予定の自治体も決まっていたので気持ちを切り替えて臨みました。社会人として数年後には成長を遂げ、「この案件に関して聞くなら江本さん」と言われるような人材になろうと働くイメージを膨らませ、自分を奮い立たせました。

Q/どんな仕事に携わりたいですか

私の配属は、考古学分野なのか文化財行政なのかは未定なのですが、将来的にはまちづくりと組み合わせて、文化財を広めていく活動に携わりたいと考えています。例えば、古墳群が出土した時に公園として整備して、そこにパネルなどを設置して人と文化財をつなげるような。誰もが使えるパブリックスペースで地域の文化財に触れられる環境をデザインしたいです。京都橘大学には文化財行政に詳しい先生もいらっしゃるので、文化財行政関連の授業は役に立つと思います。

Q/課外活動にも積極的に参加されたそうですね

生協学生委員会、学生広報スタッフ、高校でいう生徒会のような学生自治会に参加しました。2022年度の入学式では在学生代表の祝辞を述べさせてもらい、「まわりの人との出会いを大切にしてください」とお伝えできたことは、良い思い出です。

2022年度入学式・学生自治会執行委員長として学生代表のあいさつ

Q/学生広報スタッフとしては、どんな活動をしましたか?

学生広報スタッフに参加したのも、文化財を広報する力をつけたかったから。文化財そのものにすごく魅力があっても、広報する力が弱いとその魅力が伝わらないなと感じたことがあったからです。将来、文化財担当になった時に活かせるスキルがつくのではないかと思い参加しました。

コロナ禍を乗り越え、これからの新しい時代を切り拓くすべての人にエールを送ろうと始まった「応援ソング・プロジェクト」は印象に残る活動のひとつです。シンガーソングライターの河口恭吾さんをお招きし、作詞・作曲、ミュージックビデオを河口さんとプロジェクトメンバーと一緒に制作しました。また、ミュージックビデオでは京都橘学園の学生・生徒が集まり撮影に臨みました。

応援ソングプロジェクトのメンバーと

また、TACHIBANA THANKS-DAYなどのイベント告知では、マイクを持って集客に奮闘しました。本当は緊張しやすいので人前に出ることは苦手なのですが、仲間が一緒だと思えば、苦手意識も克服できました。

Q/歴史遺産学科に興味を抱く、高校生に向けてメッセージをお願いします

歴史遺産学科は男女比が半々くらい。歴史、美術、お寺や仏像などが好きな仲間と出かけるフィールドワークは、どこか社会見学のような雰囲気です。文化財の現場で、専門家でもある先生方のお話を聞きながら鑑賞できる授業はめちゃくちゃ楽しいと思います。 あと、私は大学での行事が好きなこともあり課外活動に参加しすぎて、就職活動も重なった時期は卒業論文にかける時間が思っていた以上に捻出できなかったので、何事もやり過ぎには注意かと(笑)。アルバイトと部活動、そのほかの課外活動、そして、正課の授業。どれも大切で、大学時代にしかできないことなので、思い切りやりつつもタイムマネジメントは大切です。無理せず、自分のスタイルをみつけてみてください。「楽しむ気持ち」を忘れずに。

 

<ここがDISCOVERY!>

江本さんは歴史遺産学科での学びも課外活動も充実した大学生活を送った!
江本さんは応援ソングプロジェクトでも中心となって活動した!
歴史遺産学科のカリキュラムには、充実のフィールドワークを展開!

撮影:学生広報スタッフ 岩間 健汰

 

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