Interview

生まれ育った地域で学び、働き続けることが
私らしく幸せな人生の必要条件
大手メーカーで活躍する金子瑞歩さん(京都橘大学2023年3月卒業)

インタビュー

2024.01.31

地元の大学に通い、就職したいという希望をかなえた金子瑞歩さん。現在は、世界トップクラスの技術力とシェアを誇る電子部品メーカーの株式会社村田製作所で働いています。金子さんに京都橘大学の学生生活や、仕事のこと、今後の目標についてお話を伺いました。

金子 瑞歩さん
2023年3月、現代ビジネス学部経営学科卒業。
株式会社村田製作所に入社し、生産技術開発の部署で技術職のアシスタント業務に従事する。

株式会社村田製作所(以下、村田製作所)
圧倒的な技術力で、世界から注目を集める電子部品メーカー。スマートフォンや家電、自動車など、あらゆる製品で使用されている電子部品「コンデンサ」のシェアは世界トップ。

※2023年10月にインタビューしたものです。
※経済学部、経営学部、工学部の開設に伴い、2021年4月より現代ビジネス学部は募集を停止しました。

Q/京都橘大学を選んだ理由を教えてください

京都橘大学に進学した親戚が「面倒見のいい大学で、特に就職のサポートが充実しているからお勧めだよ」と教えてくれたからです。私は滋賀県出身で、自宅から通える大学で学び、地元で就職したいと思っていたので、京都橘大学は私にピッタリでした。将来は企業に就職するイメージを持っており、役立つ知識が身につけられる経営学科を選びました。

Q/京都橘大学に入学して良かったことは何ですか?

大学で学んだことを、社会で実践できる機会が多いことです。1回生の終わり頃から新型コロナウイルス感染症が世界に広まり、感染防止対策として人と会わないことが推奨された時でも、京都橘大学ではオンラインを駆使した授業が行われました。座学のほか、大学の生協の方に菓子売り場の改善提案をさせていただき、どんな状況でも深い学びを得られたことに、感謝しています。

また、京都橘大学の授業は先生と学生との距離が近いため、専門性の高い内容でありながらも和やかな雰囲気の中で学ぶことができ、学問への興味が尽きることはありませんでした。

Q/印象に残っている授業は何ですか?

1回生の時に受講した「たちばなアカデミー」です。この講座では、就職試験に向けて基礎力を身につけることを目標に、学内で「数学力」「実践的なコミュニケーション力」「経済時事」を学びました。特に良かったのは、他学科の学生とグループになり、京都の観光名所を世界にPRする方法を考える課題に取り組んだことで、主体性やコミュニケーション力が身につきました。講座修了後もグループのメンバーとは交流が続き、就職活動中には情報交換をするなど、4年間を通じてお互いに協力し合えるかけがえのない仲間となり、学生生活が楽しくなるきっかけをくれた講座でした。

Q/ゼミ活動では、何を専攻しましたか?

マーケティングのゼミに入りました。他には、簿記や金融、経営戦略などのゼミがありましたが、マーケティングだけが私にとってイメージの湧かないキーワードで、「分からないからこそ学んでみたい!」と思って選びました。全国の学生チームが企業に商品提案を行う「Sカレ(Student Innovation College)」に挑戦することもゼミ活動に含まれていて、自分たちで企画した商品を実際に売り、マーケティング活動を実践できることに興味を持ちました。

ゼミで学んだマーケティングの基本的な流れは、消費者が困っていることや悩んでいることを引き出す調査を行い、得た情報を元に商品のアイデアにすること。そして、試作品を作ってプレゼンテーションをし、商品化していくことをということです。

Q/「Sカレ」では、どのような商品を提案しましたか?

マグネットメーカーへ商品企画を提案することになり、私のグループは「在宅生活に役立つ磁石商品」をテーマにしました。当時はコロナ禍で会社勤めの方のリモートワークが増え、自宅でのリラクゼーションに役立つ商品があるといいと思ったことがきっかけです。最終的には、お風呂で動画などが楽しめる「お風呂で使えるスマホケース」を提案しました。

Q/「Sカレ」への挑戦で、学んだことは何ですか?

商品企画では、多くの方が協力してくださいました。リラクゼーションとは何かを知るために学内の理学療法士の先生に話を聞きに行ったり、友人や家族には試作品を使ってもらったり。どの方も私たちのために時間や労力を使い、真剣に意見してくださいました。協力者のおかげで、提案内容がリアリティのあるものになりました。

ゼミ活動に夢中になり、目標に向かい全力で励むことで達成感を得た経験から、さらなる向上心とチャレンジ精神が沸き起こりました

Sカレ2021に参加したとき

Q/英会話アプリの提案もしたそうですね

企業がすでに開発していたアプリの利用者を増やすための改善策を、グループで提案しました。最初に出てきたアイデアは、世の中に求められている商品ではなく、自分たちがほしい商品になってしまっており、それを先生から指摘されました。そこで、たちばなアカデミーで仲良くなった国際英語学部の友人に連絡をとり、話を聞くと、コロナ禍で海外に行くことができず残念がっている様子を目の当たりにし、力になりたいと心の底から思ったことが、アイデアにつながりました。

提案した内容は、アプリ内で海外旅行ができるコンテンツです。空港での出国や入国審査を経て、到着した国で現地の方と交流でき、英会話だけではなく、文化やマナーも学べるコンテンツにしました。

マーケティングを実践することで、相手のニーズに重点を置く「マーケティング志向」が身に付き、日常生活においても「相手のことを考えて行動したい!」と思うようになりました。

英会話アプリへの企画提案

Q/マーケティング志向は、どのような場面で役に立ちましたか?

飲食店でのアルバイトで役に立ちました。注文の仕方で困っているようなお客さまがいらっしゃれば質問される前に声をかけたり、お子さま連れのお客さまには料理を提供する順番の希望を伺ったりしました。お客さまの立場になってどうしてほしいのかを考えてサービスすることを意識したことで、喜んでいただくことができました。

Q/参加して良かった大学行事は何ですか?

学生スタッフとして参加したオープンキャンパスです。京都橘大学での学生生活はとても充実していたので、高校生に直接伝えたいと思い活動に加わりました。学年や学科が異なる学生や職員の方と出会い、大学内でのネットワークが広がり、学生生活がますます充実。キャリアセンターの職員の方ともこの時に出会えたことが、就職活動(以下、就活)をスムーズに進められるきっかけにもなりました。

Q/就活はどのように進めていきましたか?

3回生の5月に、オープンキャンパスで交流のあった職員の方を訪ねてキャリアセンターに行きました。就活で何をすればいいのかが全く分かっていなかったので、まずは教えていただいて、早めに行動に移したいと思っていたからです。親戚から、就活のサポートが充実していると聞いて京都橘大学に入学したのですが、想像以上で、親身になって一緒に将来を考えてくださいました。

就活を始めたばかりの頃は、ゼミで学んだマーケティングの知識と経験をいかせる商品開発の仕事に携わりたいと思っていました。キャリアセンターの職員の方にその話をすると、職種だけではなく、働き方や場所も考慮するといいというアドバイスを受けました。商品開発の仕事は全国転勤を伴うことが多く、そういう働き方をしたいと思っているのかどうか、改めて考えた時に、私は地元への愛着から京都橘大学に入学し、将来も地元で働きたいという希望があったことを思い出しました。私が本当に大切にしたい「自分らしい」働き方が何なのかを見つめ直すきっかけを作り、引き出してくださった職員の方に感謝しています。

Q/村田製作所を選んだ理由は何ですか?

地元で働きたいという思いから滋賀県内に絞り、就職先を探しました。その中で仕事内容にやりがいを感じたのが、世界的なメーカーの村田製作所でした。結婚して子どもが生まれてからも働いている女性が多いことも魅力的で、就職するからには長く働き、企業や地域に貢献したいという自分のビジョンが達成できると確信しました。

村田製作所に就職するために、キャリアセンターで先輩の就活記録を確認したり、エントリーシートの書き方指導を受けたりしました。万全の準備を行った上で選考に挑み、内定をいただきました。

Q/村田製作所では、どのような仕事に従事していますか?

生産技術開発の部署で、技術職のアシスタント業務をしています。技術関係の知識はありませんでしたが、村田製作所に入社するならば技術に携わりたいと思ったので希望を出しました。最初からできないと決めつけず、未知の世界だけれども頑張ってみようと思えたのは、京都橘大学でのゼミ活動を主体的に取り組み、成長できた経験があるからです。

現在は、村田製作所の主力製品で、スマートフォンに不可欠な積層セラミックコンデンサ製造用の設備開発に携わっています。原材料の運搬や機械への投入を自動化することで人への負担を軽減し、安全性を高める重要な仕事です。私が最初に任されたのは、設備に付けるカバーの図面作成と発注で、実物が納品されて設備に取り付けられた時は感激しました。

Q/今後の目標を教えてください

設備開発をするための設計スキルを身につけ、これからさらに積極的に仕事に取り組み、活躍したいと思っています。大学で学んだマーケティング志向をいかし、周囲の人々の気持ちを考えて行動することで職場の業務効率アップにも役立ちたいです。世界が注目する村田製作所の技術の一端を担う仕事ができて、本当に幸せです。

Q/最後に、高校生へのメッセージをお願いします

将来どこで何をしたいかは、人それぞれです。私は京都橘大学の職員の方のアドバイスで、ベストな就職先を見つけることができました。京都橘大学は、教職員の方々が学生の素質を見て希望によりそい、より良い進路に導いてくれます。

 

<ここがDISCOVERY!>

・金子さんは、講座の受講やオープンキャンパスへのスタッフ参加で、学内のネットワークを広げた!
・金子さんはゼミ活動に全力で取り組み、マーケティングを実践した!
金子さんはキャリアセンターの支援で、本当に大切にしたい「自分らしい」働き方に気づき、地元の大手メーカーに就職した!
・京都橘大学は、就職へのサポートが手厚い!

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