いきなり?!対戦相手は世界で活躍するオリンピック選手!
国内トップツアーに石原・久岡ペアが出場!
インタビュー
2024.06.21
KYOTO TACHIBANAスタジアム内のビーチスポーツ専用コートで、プレーの精度をあげる石原泉・久岡千夏ペア。2023年に創設した女子バレーボール部ビーチバレーボール部門はめざましい成長をとげ、プロ選手や海外選手に混じり国内トップツアー「ジャパンビーチバレーボールツアー2024」に出場。現役学生ペアで出場という快挙を果たした両選手と、江口貴弘コーチにお話を伺いました。
女子バレーボール部ビーチバレーボール部門 石原 泉さん(写真右)
経営学部経営学科4回生
JVAビーチバレーボール・オフィシャルポイントランキング 29位(2024年5月24日現在)
女子バレーボール部ビーチバレーボール部門 久岡 千夏さん(写真左)
経済学部経済学科2回生
JVAビーチバレーボール・オフィシャルポイントランキング 26位(2024年5月24日現在)
女子バレーボール部ビーチバレーボール部門コーチ 江口 貴弘さん(写真中央)
大学卒業後、アメリカ、ドイツ、イタリアなどでビーチバレーボール、インドアバレーボールの選手として活動。帰国後の10年間は、アディダスジャパン株式会社のテクニカルサービス部に所属。2009年、株式会社江口プランニングを設立。トップ選手の指導や国内・国際大会の運営、プロモーション活動に携わるなど、日本におけるビーチバレーボールの普及に力を注いでいる。
※2024年5月にインタビューしたものです
Q/2024年5月に開幕し11月まで全国各地で10大会が行われる「ジャパンビーチバレーボールツアー2024」。プロの選手と肩を並べた5月の第1戦はいかがでしたか?
久岡/どこに打っても拾われて、スパイクを決められて、自分たちの攻撃がなかなか通用しない。世界レベルと自分たちの差を感じました。だからといって落ち込んだわけじゃなく、これからも2戦、3戦とツアー大会に出るなら、プロ相手の戦略を持たないといけないことに気づいた感覚です。このままじゃさらに上にはいけないと痛感しました。
江口/初戦で当たったのが、オリンピック出場経験もあるオーストラリアを代表するペアだったんです。183センチの長身でもありましたし、ふたりとも初戦でいきなりワールドツアー級のプレーを目の当たりにしました。
石原/海外のプロ選手と戦えたことは、貴重な経験でした。スパイクの打点も、レシーブの届く範囲も、大学生のそれとは全く違うレベル。そんな状況の中でも、トスをサイドに引っ張ったり、サーブでポイントを決めたり、私たちらしい攻撃ができた場面もところどころあって。そのあたりを強化して、今まで以上に仕掛けていければ、プロ選手が相手でも良いゲームができるんじゃないかと思っています。
Q/ビーチバレーボールツアーの出場資格は、JVAビーチバレーボール・オフィシャルポイントのランキングによって得られます。久岡さんは35位から26位、石原さんは145位から29位と、約1年前のランキングと比べてかなり上昇しています。昨シーズンにさまざまな大会で活躍された証拠ですよね。
江口/2023年8月の全日本ビーチバレー女子選手権には、京都府代表として出場しました。学生の大会でいえば、関西の選手権大会で3位、全日本選手権でもベスト8という結果を残してくれました。ペアを組んで1年目で大学ベスト8は上出来だったと思います。
石原/部員が少ない分、海外で選手として活躍していた江口コーチから直接ボールを打ってもらう回数が多くて。高さもスピードも大学生のレベルではない厳しいボールで、常に練習していたのが良い結果につながったのだと思います。私は3回生からビーチバレーを始めたので「本当に大丈夫かな」って不安も大きかったけれど、試合をやってくうちにどんどん楽しくなって。関西3位になったことで自信がつきました。1年前に比べて、勝ちたい!日本一になりたい!という気持ちがより強くなりました。
久岡/全日本選手権は大学生になって初めての全国大会だったので、緊張もありました。自分が狙われて負けてしまう、というパターンを何度か経験。狙われても尻込みしないためには、何か気づきを得るまで練習するしかない。試合をイメージして自信がつくまで練習しました。
江口/どちらもビーチバレーのセンスは抜群ですが、センスの質が違うといいますか。石原は、がむしゃらに練習するというより、頭の中でロジカルに整理して、それを身体で繊細に表現できるタイプです。一方の久岡は、練習からプレーを掴んでいくタイプなので、とにかくたくさんボールをさわることが必要だと思っています。ペア結成1年目はふたりとも基礎的な練習を重ねて、週末になると遠征先の試合でいろいろ試して、また大学で練習して、の繰り返しでした。今年に入ってからはそれぞれの強みを考慮しながらボールを出すようになりましたね。苦手なことを克服する練習というより、得意なことをガンガン伸ばしていきたいといつも考えています。
Q/ペアを組んで1年が経ち、後輩が増え、何か意識が変わりましたか?
石原/今春、新入部員として来てくれた1回生の4人は個性豊かで、みんなワイワイ明るいです。でも、どのペアでもうまくいかなくて気が落ちる時はあるので、それが練習全体の雰囲気に影響しないよう心がけています。ちょっとでも良いプレーが出たら徹底して褒めますし、失敗したら「もうちょっとこうすれば、絶対にできるよ」って、意識して声をかけています。
江口/石原と久岡はペアを組んで半年ほどで大学の選手権大会に出ましたから、昨シーズンはすべてが手探りだったと思います。試合を重ねるごとに、石原が理解したことを久岡に伝えて「もっとああしよう、こうしていこう」とふたりの会話、戦略が増えていきました。この半年で雰囲気、レベル、意識がグンとあがった気がしています。先輩ペアのプレーはもちろんコートの外の礼儀ある振る舞いも、1回生たちは見習ってくれていると感じます。
Q/石原さんは今秋にヨーロッパの大会に出る予定があるとか。前例のない挑戦ですね。
石原/国内の大会で顔見知りになったプロの選手から「ペアを組みませんか」と声をかけていただいて。全日本選手権が終わった9月あたり、1ヶ月ほどヨーロッパで過ごす予定です。自分の力が海外でどれだけ通用するのか知りたくって、両親とも相談してお誘いをお受けすることにしました。
久岡/ビーチバレー歴1年でプロの選手に誘われたことも、海外という知らない世界に挑戦することも、すごいなと思います。自分を含め後輩にも努力次第でそういうチャンスが巡ってくるかもしれないと期待が膨らむ、チームにとってもめちゃくちゃありがたい出来事だと思います。泉さんはまさに私のお手本。「泉さんだったら、こうするかな」って、いろんな場面で自然と考えるようになりました。自分勝手なこと、ちょっとズルいことを思いついたとしても、「泉さんだったら絶対しないよな」って考えなおしています(笑)
Q/選手、コーチとして今後の目標は?
石原/今シーズン目指すのはもちろん、大学日本一。後輩たちにも入賞をめざしてもらって、6人全員で表彰台にのぼりたいと思います。
久岡/このまま怪我することなく、日本一になりたいです!
江口/試合になるとコーチは助言できませんし、コートの外で見守るしかない。練習においてはできる限り、スキルという引き出しを教えますけれど、どの試合でどの引き出しを開けるのか決めるのは選手自身。戦略を立てるのも、考えて行動に移すのも選手です。石原・久岡ペアはすでに覚悟もあるし、自分たちで考える力を身につけています。競技をやっている以上、日本一を目指すのは当然ですが、ビーチバレーを通して本当に身につけてほしいのは自分で問題を解決する力です。いつか社会に出た時に、共にコートで過ごした時間が彼女たちを助けてくれるように。問題が発生した時に目先にとらわれず、本質に立ち戻って考え、解決できる能力を身につけてもらえたら嬉しいです。
<ここがDISCOVERY!>
・オリンピック級が集う「ジャパンビーチバレーボールツアー2024」に挑戦
・トップレベルの環境で経験を積み、新しく入部した後輩と共にチーム力を底上げ
・石原さんはプロ選手とペアを組み、ヨーロッパの大会に遠征が決定
・ビーチバレーボールを通して問題を解決する力が身に付く
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