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留学で身についたのは「自分で楽しさを生み出す力」!
国際英語学部1期生 座談会

特 集

2021.03.01

2017年4月に開設した国際英語学部。その1期生として卒業を控える3人の4回生に、大学で過ごした4年間を振り返ってもらいました。留学の思い出や学部・学年を超えた仲間との思い出、これからの意気込みなど、多様な経験と熱い想いをお伝えします。

<国際英語学部国際英語学科 4回生>
下川 直人さん
留学先:ニュージーランド
辻野 飛翔(つばさ)さん
留学先:イギリス
福本 明里さん
留学先:マレーシア
※2020年12月に取材。インタビューおよび撮影時のみマスクを外しています

(左から)福本さん、下川さん、辻野さん

Q/京都橘大学の国際英語学部を選んだ理由を教えてください。

福本:高校生のとき、大学に行くか留学に行くか迷っていました。兄弟みんなが国際系の中学・高校に進み、私だけが英語に携わっていない環境で中学・高校を過ごしてきたので、海外で学びたい想いもありました。出身が名古屋なのですが、姉が京都の大学に行っていたこともあって、大学で学ぶなら京都がいいなと思って大学を探していたときに京都橘大学を見つけました。国際英語学部の資料に載っていた学部長のアンガス先生(国際英語学部長アンガス,ノーマン先生)に惹かれて、一度話を聴きに行こうとオープンキャンパスに行ったのがきっかけでした。1年間の留学プログラムがカリキュラムに入っているのが魅力的で、模擬授業もとても楽しかったので、ここで学びたいと思って受験しました。

下川:私 は「英語」を学べることに絞って進学を考えていました。はじめは経営を学びたいと考えていましたが、塾で教えてもらっていた英語の先生がおもしろくて、そこから英語にハマりました。そして、通塾中にたまたまスマホで京都橘大学の案内を見て、アンガス先生が着物を着て「京都で国際」という紹介に惹かれました。調べると、新設される学部で1年間の留学があるとわかり、行くしかないとここに決めました。英語を話したかったので「京都」という環境と「留学プログラム」が自分の想いとマッチしました。

福本:京都は海外からの観光客が多く訪れているからね。

辻野:私は、大学を決めるにあたり、「英語が学びたい、留学がしたい」という思いがブレずにありました。1年間の留学も魅力でしたが、新設で、学部の1期生として入学できることが魅力的でした。高校までは与えられた環境で取り組むことが多かったですが、大学は自分たちでつくっていけるのではと感じました。また、私は滋賀出身ですが、実家から通える範囲がいいとも思っていました 。通学に時間を取られたくなかったので。

下川:3人とも、軸はしっかり「英語」「留学」とブレていなかったですね。

辻野:アンガス先生の影響も大きかった!

福本:オープンキャンパスで学部長のアンガス先生に会って話ができる機会がきちんとあって、学部長の先生だけど親しみやすくて、素敵だなあと思いました。

Q/京都橘大学や国際英語学部について、入学前のイメージや、入学後にそのギャップがあれば教えてください。

下川:入学前も入学後も、わくわくしていました。

福本:大学という環境も新しいし、全部が新しい。国際英語学部の1期生だからというのではなく、何事も新しかったので、どんなことにも頑張って取り組んでいこうと思っていました。

辻野:入学前は、大学生は余裕があって遊んでいるというイメージがありました。

下川:でも、私たちは毎日英語。思った以上に英語にふれる機会が多く、週6 で「EAP」※というオールイングリッシュの授業があることには驚きました。

※EAPは、留学に向けてリーディング・ライティング・リスニング・スピーキングの4技能をオールイングリッシュで統合的に学ぶ授業です。

辻野:英語コミュニケーション学科※の先輩はいたけれど、まったくカリキュラムは違ったので、カリキュラムのことでは相談できなくて。わくわくする一方で大変なことが多かったですね。

※人間発達学部英語コミュニケーション学科は、2017年4月より募集を停止しています。

福本:1日に出される課題の量がとても多かった! 毎日取り組むことが前提で課題が出されるので、こつこつと進めないとものすごい量の課題がたまっていきました。2回生で留学に行くまで、ずっとそれが続きました

Q/1回生の間は英語漬けだったのですね。

福本:本当に忙しくて、課題や勉強面ではいつも必死でした。国際英語学部は学年全員の仲が良いので、おかげで何とか頑張ってこられました。また、総合教育課の職員の方や英語コミュニケーション学科の先輩方とのつながりにも救われていたように思います。総合教育課の職員の方は、本当に親身になって考えてくれました。

辻野:職員や先輩から受けたサポートは、思っていた以上でしたね。

Q/縦と横のつながりが強いのですね。当時は、新しい学部へ入学する不安などありましたか?

下川:「英語で授業」を受けることには、不安がありました。

福本:入学して授業が始まるまで、どんな感じなのか、周りもどんな人なのかは不安でしたね。

辻野:勉強については、スタートラインは一緒なので、あまり不安はありませんでした。

下川:私は福岡から来て、知り合いも友人 もいなかったこともあって、友人づくりが不安でした。浪人していたというのもあったので。

福本:打ち解けたきっかけは、入学してすぐの新入生セミナーでしたね。初対面で2泊3日。日中は大学で活動し、京都市内の旅館に泊まりました。そこで一気に仲良くなりました。最終日には、ゼミで分けられたグループで英語での創作劇をしました。テーマをくじ引きで決めて、テーマに沿って、セリフなども自分たちで考えて。その活動が友人をつくるきっかけにもなりました。

Q/留学について教えてください。留学先や現地でのエピソード、留学前と留学後で成長したと思うこと、学んだことなどはありますか?

辻野:イギリス留学前に、ビザを取るためにIELTS(アイエルツ)を受けないといけなくなったのが大変でした。

福本:2人は、留学先では、語学コースに入ったか、正規授業を受けたのかどちらだった?

辻野:英語の授業と正規授業を並行して受けていましたよ。私が通ったイギリスのチチェスター・カレッジ※は、現地の学生が大学に行く準備をする学校だったから、あまり苦労することはなかったかな。大学での正規授業もマーケティングや金融関係だったから予備知識で何とかなりました。苦労したのは、教育制度の違いで、正規授業を受けている学生が17、18歳だったから精神年齢のギャップがあって、苦しみました。

※イギリスのカレッジは、16歳から18歳を中心とした大学進学のためのコースや職業関連の科目を学ぶ教育機関です。

福本:辻野さんとは、頻繁ではないけどお互いに連絡を取りあっていたので、この話は聞いていました。「頑張ろう!」と励まし合っていました。

下川:私は、基本的に留学中は日本人と関わりあわないようにしようと思っていました。留学先の希望を出せるので、希望者が1人もいなかったニュージーランドに決めました。やはり1人で行ってよかったと思っています。ただ、夏休みに入った直後に出発したのですが、南半球は冬でした……。

福本:ニュージーランドは大学付属の語学学校でしたね。私は、マレーシアの大学で、英語の授業と、留学期間後半の半年間は、正規授業を受けました。将来に活きる授業を受けたいと思って、ホスピタリティの授業を受けることに決めました。マレーシアは多民族国家で、中東系や韓国の学生などアジア系の学生が多かったです。ラマダンなども経験しました! 日本ではあまり経験できないことなので、「他民族が共存しているなあ」と実感した機会でした。

辻野:東南アジアの学生は団結力があったのですね。イギリスでは、個人の主張が強くて。いい面でもあり、日本人としては苦労した面でもありましたね。授業では、ディスカッションが始まると口げんかのようになることがよくありました。

福本:日本ではあまり経験できないですね。みんな譲り合うものね。

下川:海外では「言ったもの勝ち」。みんなが発言するから、私も負けたくない!と。自分の意見をしっかり出さないと、意見を折れなければいけなくなります。

福本:自分の意見を必ず求められますよね。

下川:静かにはならないでおこうって。いい意味でうるさく、授業では、わからなくても手を挙げたり話したりしていました。

福本:私も、自発的に行動しないと、得られるものが少ないと思っていたので、自分から声をかけにいくことを大事にしていました。
私が留学したマレーシアの居住先はホームステイでなく寮でした。スピーキング力を伸ばしたかったので、共用スペースを使う人全員に自分から声をかけて仲を深めていきました。その中でも中華系マレーシア人の友人は、日本文化やジブリ作品が大好きでよく話をしましたね。仲良くなるまで時間のかかった人もいましたが、ずっとあいさつを続けていたら、ある時、相手から声をかけてくれるようになり、一気に仲良くなれてうれしかったです。

辻野:もともと、留学先では、できるだけ日本人と行動をともにしないでおこうと決めていました。留学して3カ月くらいの頃に、カレッジで留学生のボランティアをしているグループに出会い、そこで77歳のおじいちゃんとも友人なりました。クリスマスや年越しのときにも招いてくれて、会話することで英語も伸びましたね。
私はクリスチャンではないけれど、グループの人たちがクリスチャンで、一緒に教会にお祈りに行くなど、文化やキリスト教を知る機会にも恵まれました。

下川:どこの国に留学しても、どうしても自国の人とかたまってしまいますね。そう、辻野さんのいうとおり、大きく歳の離れた方と「友人だ」と、日本ではあまりいわないけれど、英語なら親しみをもっていえるよね。

辻野:その77歳のおじいちゃんと会ったときや、メールするときは、「hello my friend」って、あいさつしますね。

Q/留学先で、カルチャーショックはありましたか?

下川:バスのストライキがあって、バス通学だったから待っていてもバスが来なくて。2時間遅れで大学に行って、先生にいったら「よくある。ありがとう」といわれました。それがちょっとポジティブなカルチャーショックだったかな。

福本:バスに関することでいうと、発着の時間が決まっていないことや、運転手の方の休憩などの都合でよく違うルートを走ることもよくありましたね。

辻野:日本に帰国したときに、電車が時刻通りに来る!と逆に驚きました。

Q/いろいろな文化のなかで過ごす経験をして、活かされていると思うことはありますか?

下川:多様な文化を受け入れやすくなりました。

辻野:固定観念がなくなったわけではないけれど、何をするにもそこにとらわれなくなりましたね。集団に埋もれずに生きようと思いました。

福本:否定から入ることはなくなりました。もともと、受け入れていたほうだと思いますが、抵抗は少なくなりました。そして、自分から行動することの大事さを知りました。

Q/留学後の学びにおいては、変化を感じたことはありますか?

辻野:英語学習をしっかり積み重ねて留学し、留学中にその英語で学びを深めていって、それぞれの専門分野を学ぶ。留学後は、専門性が高くなったままさらに学んでいくという感じで、うまくシフトできたように感じます。

下川:私は翻訳を専攻して学んでいます。留学後にTOEIC®の得点が思ったよりも伸びなかったのが悔しくて、勉強して800点を取りました。

福本:いい意味でも自分のしたいことを優先するようになりました。また、いろいろな道があることがわかり、型にはまらなくてもいいか、と考えられるようになったことも大きな変化です。

Q/学部での学び以外で、大学生活の中で思い出に残っていることはなんですか?

福本:たくさんありますが、学部内なら学生だけで企画したパーティです。1回生の終わりと、留学前、帰国後と、これまで3回開催しました。どんどん参加する人数が増えて、帰国後は、学部のほぼ全員が来てくれました。特に国際英語学部は少人数だからできたことだと思います。

下川:テニス部での活動です。卒業生の人ともつながりがありますね。

福本私は、1回生から続けているオープンキャンパスの学生スタッフとしての活動も思い出深いです。学生スタッフになったきっかけは、高校生のときに行ったオープンキャンパスがおもしろかったことが大きく、また、先輩が声をかけてくれたこともあり、やってみたいと思いました。
オープンキャンパスは、学科の先輩や後輩と集まれるいい機会でした。4回生になって、統括を任されました。運営していく上で、他学部とつながれるのがうれしかったです。大学が楽しいなと思える一つの理由でもありました。ぜひ後輩の皆さんにも参加してほしいです。

下川:先輩との交流会も楽しかったですね。先日行われた、入学前に大学生活や学びについて知ることができる「スクーリングセミナー」にも先輩学生として参加しましたが、楽しかったです。

福本どの活動も、学部が好きだからこそできることですね。学部の雰囲気や先生方のアットホームさ、大学の楽しさ、大学でできることの幅広さを高校生に伝えたいという想いで、スクーリングセミナーもオープンキャンパスも活動していました。

辻野:私はオリター※の活動ですね。

※新入生に早く大学生活に慣れてもらえるようにサポートする先輩学生のこと。

福本オリターの活動には、私も参加していました。4月に行われた2泊3日の新入生セミナーを10人のオリターで準備を始めました。3日間で、新入生同士が仲良くなるために、交流できる企画を考えましたね。

辻野:企画の運営は主に私たち先輩学生が行います。自分たちでいろいろなことをやって、失敗も苦労もあったけど、新入生セミナーを終えたときに、新入生から「先輩がいて心強い」と思ってもらえたことがうれしく、やってよかったと感じました。
オリターになった同回生10人は、個性があってぶつかるときもありました。今、4回生になって笑って話せるようになりましたけどね。

福本:本当にその時は、まとめるのが大変でした。私はオリターのリーダーをしていて、みんなのやりたいことを組んでいく段階で、ある企画ができないという問題が出てきました。代案を考えたり、調整したり本当に大変でした。

辻野:私は大学が好き過ぎて、卒業間際の最近でも活動し続けていますね。先日、国際英語学の学生が企画した英語スピーチコンテストが行われました。毎年恒例で行われるのですが、今回、初めて全学年がそろった年でした。企画していた3回生に頼まれて、コンテストに出場しました。そうしたら、終わった後に、アンガス先生が涙ぐんでいたんですよ。初めて全学年がそろい、国際英語学部で伝統が生まれたのがうれしかったらしいのです。学部で行う企画も、ぜひ後輩にも取り組んでほしいなと思います。

Q/京都橘大学国際英語学部をめざす高校生に、大学や学部の魅力とメッセージをお願いします。

下川:総合大学なので、いろいろな学部の人と話せるのが魅力です。私個人としては、「TEC」※が好きで、4回生だけど毎週来ています。それから、アンガス先生と話せるかもしれない! と思って……。

※TEC(Tachibana English Communityの略)とは、言語学習を目的としたラーニングコモンズで、学部に関係なく誰でも利用できるスペース。PCスペースは、eラーニングの学習に活用され、オンライン通話を使った英会話の練習が可能です。ほかにも、個人学習室、グループ学習室があり、貸出用書籍もあります。

福本:私は、「何でも自分でやってみよう」「参加してみよう」と行動した先に楽しいことが広がっていて、大学のことも深く知ることができました。後輩の皆さんもこれから入学される皆さんも、自分の行動力で、もっと大学が好きになれると思います。

辻野:私は4回生になって学部の授業数が減ってもよく大学に来ているので、本当にこの環境が好きなんだと思っています。学生が主体となって取り組める環境が準備されている。それが京都橘大学の魅力です。

<ここがDISCOVERY!>

・国際英語学部は個性的な学生が多くいるが団結が固い!
・国際英語学部1期生の3人は京都橘大学が大好き!
・国際英語学部の新入生は、英語漬けの毎日!
・京都橘大学では、学生がやってみたい!と思うことにチャレンジできる環境がある!

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