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#TACHIBANA 探訪
楽しければ楽しいほど上達する。英語や中国語などの多言語学習のラーニングコモンズスペース「Tachibana English Community」

特 集

2020.05.15

「英会話を上達したい」「韓国語をもっと学びたい」。このように考えている人は多いのではないでしょうか。京都橘大学では、そんなニーズに応えるためのラーニングコモンズ「Tachibana English Community(以下・TEC)」があり、ネイティブスピーカーの先生や留学生とコミュニケーションをとることができます。国際英語学部のコネリー,クリストファー先生に、TECでの取り組みや学生たちの様子をはじめ、今後の取り組みなどについてインタビューしました。

国際英語学部 国際英語学科 コネリー,クリストファー助教
<専門分野>
英語教育
<研究テーマ>
・英語習得に対する音楽の影響

Q/TECとは、どのような場所ですか?

TECは、言語学習を目的としたラーニングコモンズで、学部に関係なく誰でも利用できるスペースです。PCスペースは、eラーニングの学習に活用され、オンライン通話を使った英会話の練習が可能です。ほかにも、個人学習室、グループ学習室があり、貸出用書籍も置いています。

また、TECでは、学生の英会話力向上や多言語に興味をもってもらうために「Chatter Lunch Box」という取り組みを行っているのですが、これは特にユニークな試みだと思います。

Q/「Chatter Lunch Box」について教えてください。

週5日、平日のお昼休みにランチを食べながら、楽しく、気軽に外国語でコミュニケーションをとる集いです。ネイティブスピーカーの先生や留学生と学生が外国語でいろいろな話をします。週4日は、先生方が交代で英語を担当して、週1日は本学の留学生が中国語や韓国語などの母国語を担当します。

学部学科、回生など関係なく誰でも参加OK。国際英語学部だけではなく、留学を希望しているさまざまな学部学科の学生なども参加しています。今のところ最も多いのは1・2回生の学生です。1人で参加する学生も多く、ここで新しい友人ができることも多いようです。

また、皆が楽しく話ができるように、1グループは12人までと決めています。人数が多いときは、何グループにも分かれることもあります。

ここでは先生は教えるのではなく、皆が気持ち良く話ができるような雰囲気づくりに徹しています。学生によって英会話のレベルが違うので、言葉に詰まった人がいると、ほかの学生が「知っている単語で言ってみたら?」とアドバイスをしたりしています。学生同士のアドバイスももちろん英語なのですが、学生の主体性を養うという意味で、とても良いことと感じています。

「Chatter Lunch Box」の様子

Q/「Chatter Lunch Box」では、どのようなテーマで話をするのですか?

通常の授業とは違うため、テーマは何でもOKです。これまでのテーマの中で最も盛り上がったのは恋愛です。ある女子学生が1人の男子学生に「彼女はいますか?」という質問をしました。すると彼は「いません」と答えたので、皆、ビックリ。もちろん私も驚きました。「カッコいいのに、なぜ、いないの?」と参加している学生が聞くと、彼は「振られるのが怖いから、彼女をつくったことがない」と答えました。そこから恋愛論が始まって、皆、積極的に意見を交わしていました。あまりに盛り上がって、お昼休みの時間が終わってからも話し続けていたほどです。

Q/とても楽しそうですね。 ほかに「Chatter Lunch Box」に参加して、
英会話力が向上した学生のエピソードがあれば教えてください。

当時、2回生だったS君の話をしましょう。最初、彼は一人で参加してくれました。少し恥ずかしがり屋の彼は、1回目で圧倒されてしまったようで、ほとんど話せなかったようです。そのため、その後はずっと不参加でした。あるとき、S君に「なぜ、来ないの?おいでよ」と話しかけてみたら、彼は「英会話が得意じゃないので、ついていけないのが気になる」と答えました。「大丈夫。慣れたらわかるようになるから。待ってるよ」と誘ったところ、勇気を出して来てくれました。そこから参加しているうちに、やがて会話についていけるようになり、自然に話の輪に入れるようになりました。その後、オーストラリア留学に行くことになり、現地に到着してからはラインで近況を伝えてくれました。しっかりとした英文で、しかもスラスラ書けるようになっていることが手に取るようにわかりました。帰国した彼に会ったときは、本当にスムーズに英会話ができるようになっていて、私自身もビックリしたほどです。授業に加えてTECでの交流も、彼の英会話上達の手助けになっていたのかなと思います。

Q/「Chatter Lunch Box」は、英語に親しみたい学生の拠点になっているようですね。
では、「Chatter Lunch Box」で、先生が心がけておられることを教えてください。

Chatter Lunch Boxに参加している学生の名前や回生、個性を覚えるようにしています。また、「間違ってもいいよ。どんどん話をしよう」という姿勢を大切にしています。そして、ここでは先生ではなく、友人のように接しています。

また、誰でも最初は緊張すると思うので、緊張をほぐすようにさり気なくサポートしています。英会話を上達するには、学生自身が「もっと話したい」と前向きな気持ちになることが大切です。Chatter Lunch Boxに来ることそのものに抵抗を感じないように、私もほかの先生も「Welcome」の気持ちを大切にしています。

Q/「Chatter Lunch Box」の今後の展開を教えてください。

英語のテストで、高得点を取れるからといって英会話ができるとは限りません。積極性や表現力など伝える力があれば、テストの点数に関係なくコミュニケーションができるのが英会話のおもしろいところです。そのためいろいろなレベルの人たちがいるグループでの会話は、一人ひとりの気づきの場になると思います。これを継続しながらも、今後は、同じレベルの人だけでグループを組む曜日を設けることも考えています。英会話上達の秘訣は、知っている単語や言い回しを使って、伝えることが近道。Chatter Lunch Boxは、その近道を楽しみながら歩くきっかけになる貴重な時間になります。今後も、工夫して盛り上げていきたいと思います。

国際英語学科の授業の学びの様子
学生一人ひとりに優しく声をかけるコネリー先生。

Q/コネリー先生は、日本語がとても上手ですね。先生ご自身について教えてください。

私の出身はスコットランドです。2001年に初めて日本にやって来ました。きっかけは、大学4回生のときに、友人から「日本の学校で英語の先生になれるプログラムがある」と聞き、興味をもちました。そのプログラムを通じて日本に来たのが2001年だったわけです。1年間の滞在だったのですが、友人がたくさんでき、日本の文化や気候風土が大好きになり、ずっと日本にいたいと考えて滞在を延長し、振り返ると20年が経っていたのです。私にとって日本は、人が親切で安全で、本当に良い国。興味の尽きない素晴らしい国で、あっという間の20年でした。

日本語は、来日後にできた日本人の友人との付き合いの中で覚えました。日本語は、簡単な言語ではありません。特に、尊敬語、謙譲語、丁寧語など相手や場所によって使う言葉を変えるのが難しい。英語は、相手が誰であっても同じ表現ですから戸惑いました。

Q/コネリー先生から見た京都橘大学の魅力などを教えてください。

京都橘大学の授業では、少人数のクラスでわかるまで対応でする環境があるのが、学生にとって大きなメリットになっていると感じます。

また、「皆で学生のために」という共通の思いで先生同士が連携しているのはこの大学ならでは。この連携でとても良い空気が生まれていて、学生にも伝わっていると感じます。だからでしょうか、学生も穏やかで優しく、親切な人が多いです。そして、キャンパスがきれいなのも気に入っています。私は京都橘大学に来て、毎日、Happyです。

ここがDISCOVERY!

・京都橘大学には、ネイティブスピーカーの先生や留学生とコミュニケーションをとることができる「Tachibana English Community(TEC)」がある!
・TECでは、平日のお昼休みにランチを食べながら外国語でコミュニケーションをとる集い「Chatter Lunch Box」が開催されており、学部学科・回生を問わず誰でも参加できる!
・「Chatter Lunch Box」のトークテーマは「勉強」「趣味」「恋愛」などさまざま!
・コネリー先生は、日本にたくさんの友人がいて、日本が大好き!

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