#TACHIBANA 探訪
学生の未来が“変わる“新拠点
新棟「アカデミックリンクス」
特 集
2021.08.03

2021年3月に、京都橘大学の新たな学びの拠点となる新棟「アカデミックリンクス」が竣工しました。アカデミックリンクスができたことで学生の学びはどのように変化するのでしょうか。学生が自由に使えるラーニングコモンズや学習支援について、経営学部経営学科の多田泰紘先生と工学部長で情報工学科教授の東野輝夫先生にお話を伺いました。
※インタビューおよび撮影時のみマスクを外しています
経営学部 経営学科 多田 泰紘 講師
<研究テーマ>
・大学における学習支援の効果検証と改善
工学部 情報工学科 東野 輝夫 教授(工学部長)
<研究テーマ>
・IoTやAIを活用した状況確認技術やスマート社会構築技術
・モバイルコンピューティング技術 など


多田/アカデミックリンクスは、「つながりと実践」をコンセプトとしています。京都橘大学の正門付近に位置していて、キャンパス内に通じるメイン導線になっているため、ほとんどの学生がアカデミックリンクスを通って目的の場所に行くことになります。また、この棟にはコモンズや学習スペース、交流スペースなどがいろいろあるので、学部学科を超えて学生同士が出会い、つながる機会がたくさんあります。
東野/また、この棟のなかには、最先端の機器やプログラミング体験エリア等を備えていて、誰もが最新のIT、AI技術に日常的に触れることができるため、文理融合の拠点といえます。上階には工学部情報工学科の教室や先生方の研究室が並び、フロア中央には、情報工学科の学生が専用で使う「iCSラボ」があります。ここでの学びを含め、情報工学科の学生もさまざまな学部の学生とつながることで新たなイノベーションを生み出すことを期待しています。



1stフロア/コモンズ1st
多田/1階から紹介していきましょう。アカデミックリンクスのエントランスを入り、エスカレーターで上階へ行くと、そこが1階になります。1階には、「コモンズ1st」があり、ここにはいつでも自由に使えるフリースペースと、予約をして使用するグループ学習ルームがあります。フリースペースには、留学に関する本や就職活動に必要な企業情報誌やビジネス書をはじめとするさまざまな雑誌が常設されており、自由に読むことができます。学生が一人で調べものをしたり書類を書いたり、学生同士が活発に情報交換をする姿が見られます。
このフロアには、学生生活や就職活動をサポートするためのアカデミックセンターやスチューデントセンター、キャリアセンターが集結しています。学生同士だけでなく先生方や職員との交流もここが拠点となります。


東野/館内のどこに何があるのかがわからない場合は、自律走行型案内ロボット「tachibo]を使ってください。行きたい場所をタッチパネル上で選ぶと、案内してくれます。


32型ディスプレイを搭載しており、タッチ操作で目的地を検索すると自動走行で目的地まで誘導。人や障害物を避けながらスムーズに走行します。
2ndフロア/コモンズセントラル、コモンズ2nd、クリエーションラボ
多田/2階には、「コモンズセントラル」と「コモンズ2nd」があります。コモンズセントラルには、自習スペースとライティングに関する学習支援が受けられるエリアがあります。学習支援エリアには、私とラーニングアシスタント(以下・LA)と呼ばれる学生スタッフが待機していて、勉強の仕方をはじめ、レポート、レジュメ、発表資料の書き方などを指導しています。現在、LAは2回生から4回生の学生19人です。彼らは、後輩のためにできることをしたいという思いで活動しています。事前にLA研修なども行っていますが、さらに「より良い対応の仕方」や「情報伝達の仕方」などの研修も予定しています。この活動を通じて社会に出たときに役に立つ実践力を養う場になってほしいと考えています。現在、学習支援を利用しているのは1回生が多いように思います。
またここで、遠隔授業を受けている学生がいたり、同じ学部の先輩が後輩に学習を指導していたりする姿も見受けられます。ホワイトボードも自由に使えるためとても便利です。



インタビュー当日にLAをされていた学生にもお話を聞いてみました。

「京都橘大学には、新入学生の学習に関する悩みを解決したり、より良い大学生活を送るために上級生がサポートするピアサポートという取り組みがあります。ピアサポートで、先輩に手厚く支えていただいた経験があり、LAの募集を見てすぐに応募しました。LAとして皆の役に立つことで、恩返しができていると感じています」(国際英語学部 国際英語学科4回生 品川桃香さん)。
「僕も、ピアサポートで先輩にさまざまな相談にのっていただきました。学内に頼りになる先輩がいると思うと心強いもの。先輩のような存在になりたいと考えてLAになりました」(国際英語学部 国際英語学科2回生 山村悠真さん)。
多田/コモンズ2ndには、長テーブルと1人用テーブルがあるため、個人もしくはグループでの学習時に使うことができます。ここでも、遠隔授業を受けていたり、個人で勉強していたりと、学生それぞれが思い思いに勉強している姿がみられます。そして、コモンズ2ndに隣接してクリエーションラボがあります。


東野/クリエーションラボには、3Dプリンターや大判プリンター、レーザーカッターなどの工作機械があります。情報工学科の授業で使用するだけでなく、全学科の学生も自由に使用できます。例えば、文学部の学生が歴史上の人物を模したマスコットを考えたとしましょう。3Dプリンターを使えば簡単にできるため、情報工学科の学生のアドバイスやサポートを受けて作ることもあるのではないでしょうか。
多田/自分で考えたキャラクターを実際に作ることができると楽しいですね。各学部でキャラクターを考えて3Dプリンターで製作して、コンテストをしてもおもしろいですね。
東野/今はデータを入力するだけで、そのようなことが簡単にできてしまう時代です。学部を超えて学生がつながると予想外の楽しいことができるのではないでしょうか。

ソフトウエア上で設計した外形を
レーザーカッターで切断します

3Dプリンター/
樹脂を用いて、パソコン上で設計した3次元
モデルを立体物として再現する立体印刷機
3rdフロア/イノベーションラボ、シューティングスタジオ、アクティブラーニングスタジオ
多田/3階のアクティブラーニングスタジオには、可動式の丸テーブルがあり、必要に応じてつないだり離したりと自由なスタイルで学習ができる場所となっています。授業での共同学習やプレゼンテーションに使える場所です。アクティブラーニングスタジオの近くには、2階のコモンズセントラルに通じるらせん階段があります。行ったり来たりが楽にできるため、授業や講演で使用しながら移動して…といったような使い方もできると思います。


東野/同じフロアにあるイノベーションラボでプログラミング体験ができ、シューティングスタジオで映像制作ができるようになっています。ここでさまざまな体験をして、アクティブラーニングスタジオでプレゼンテーションを行うといった流れが自然にできるフロアになっています。



ここは、すべての学部の学生がいつでも自由に使え、誰もが最新のIT、AI技術に日常的に触れることができます。例えば、シューティングスタジオには最新の映像制作機器が設置されているため、学生のアイデアをもとに映像を制作し、学内外に向けて発信することが手軽にできます。SNSの影響で、映像による情報発信の意義を誰もが知っています。キャンパスライフを切り取ったようなさり気ない映像に、抽象的なイメージの映像を組み合わせるだけでも斬新な世界観を表現することができますから、すべての学部の学生がシューティングスタジオを使って、学部PR映像を制作して発信するようになればおもしろいのではないかと思います。その際、情報工学科の学生が他学部の学生のサポートをすることで協働関係ができ、互いに「こんな技術があるのか」「そんな発想があるのか」といった発見もあると思います。


特殊なプレートに光を反射させ、その映像を空間に再結像し浮かび上がった映像をフィンガージェスチャーアルゴリズムによって空中でボタン操作ができる「未来型空中操作システム」
東野/アカデミックリンクスでさまざまな出会いを経験した学生は、社会に出たときに「○○を作りたい」「商品説明を社内で映像化したい」といった、ちょっとしたニーズがあったときに「やったことがあります」と応えることができると思います。それは案外、社会で頼りにされる要因になるのです。そういう意味でも、多くの学生にアカデミックリンクスでさまざまな経験をしてほしいと考えています。


MOVIE
<ここがDISCOVERY!>
・アカデミックリンクスには、学習支援を受けられるスペースや、就活、個人やグループで学習可能なスペースがたくさんあり、すべての学生が使用できる!
・3Dプリンターやエアタッチディスプレイ等、誰もが最新のAI、IT技術に日常的に触れることができる環境がある!
・アカデミックリンクスでは、教職員や学生同士の垣根を越えたさまざまな出会いと経験が待っている!
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