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現役での高い採用試験合格率!
教員・保育士志望の学生を支える「教職保育職支援室」とは?

特 集

2022.08.04

京都橘大学の「教職保育職支援室」では、幼稚園・小学校・中学校・高等学校の教諭や養護教諭、保育士を志望する学生を、さまざまな形でサポートしています。どのようなサポートを行っているのか、教職保育職支援室で精力的に取り組まれている3人の先生方にインタビューしました。

発達教育学部 児童教育学科 佐敷 惠威子(えいこ)教授(写真 中)
担当:小学校教諭(初等教育)
教職保育職支援室長。滋賀県小学校校長、教育委員会主席参事、総合教育センター所長等を歴任
<専門分野>
音楽教育学/初等・中等教員養成/学校経営学

発達教育学部 児童教育学科 佐川 清美教授(写真 左)
担当:幼稚園教諭・保育士
京都市保育所所長、京都市保育担当課長等を歴任
<専門分野>
保育士・幼稚園教諭養成

発達教育学部児童教育学科 中村 祐之教授(写真 右)
担当:中学校・高等学校教諭(中等教育)
京都市中学校校長、教育委員会人事主事等を歴任
<専門分野>
学校経営学/中等教員養成/生徒指導

教職保育職支援室のページはこちらから
※取材は保育実習室で行いました
※撮影時のみマスクを外しています

Q/教職保育職支援室とはどんなところですか?

佐敷:一言で表すなら「学生の夢を応援する場所」ですね。幼稚園・小学校・中学校・高等学校の教諭や養護教諭、保育士をめざす学生たちが、夢を実現できるようにサポートしています。教育現場や教育行政での豊かな経験を持つ教員スタッフが、進路相談や学生支援にあたっています。

佐敷先生

学生一人ひとりに合わせたきめ細かな支援ができることが、教職保育職支援室(以下、支援室)の特長です。3回生の秋には、教諭や保育士志望の学生全員と個人面談を行います。例えば幼稚園教諭や保育士なら公立と私立のどちらをめざすのか、教員採用試験を受けるならどの自治体を受験するのかなど、それぞれの希望に合わせた対策を練り、サポートしていきます。

支援室では、採用試験に必要な筆記試験対策講座や模擬試験、面接や実技の対策などを行っています。また、必要に応じて個別面談を行い、メンタル面のサポートもしています。そのほかにも、学生たちの実習先の学校・幼稚園・保育園、地方自治体との連絡・調整など、各所との連携も密に行っています。

Q/小学校・中学校・高等学校教諭の志望者へのサポートはどのようにされていますか。

佐敷:小学校・中学校・高等学校教諭の志望者に対しては、3回生の2月から全体向けのガイダンス講座をスタートし、4月までは基礎編として、自己分析をもとに自己PRや志望動機、理想の教師像について考えるといった、基本的な面接対策を行います。

4月までは校種混合で8つのグループを作って行いますが、5月からは中学校や高等学校は教育実習がありますので、いったん別々に分かれて、集団面接や集団討論などの一次試験対策に取り組みます。

6月からは、また混合で、受験地別のグループに分かれて対策を行います。受験地によって試験内容が全く異なりますので、それぞれの志望先に合わせた準備を進めていきます。

Q/幼稚園教諭・保育士の志望者へのサポートはいかがでしょうか。

佐川:まずは3回生秋に行う面談で、公立か私立か、あるいは施設かなど、志望先をヒアリングします。その後、基礎編として面接や実技の練習を行い、そこから受験地別のグループに分かれて対策を行います。次に、試験内容別のグループに分かれて、個人面接や集団面接、集団討論といった面接対策や、ピアノ・歌唱、製作、読み聞かせ、手遊びなどの実技試験対策を進めます。また、並行してエントリーシートの添削も随時行っています。

Q/教員採用試験の合格状況について教えてください。

佐敷: 2021年度の公立小学校教員採用試験合格率は73.5%、公立幼稚園・保育士正規合格率は62.8%でした。また、私立を含む幼稚園教諭・保育士の合格率は100%と毎年高い現役合格率を誇っています。

Q/高い合格率の秘訣は何でしょうか?

佐敷:「橘のみんなで一緒に頑張ろう」という雰囲気があり、学生たちが一丸となって取り組んでいるのが本学の良いところ。本学は温かくアットホームな校風があり、縦や横のつながりがとても強いと感じます。教員採用試験においても、同じ自治体の志望者が集まって、自主的に面接や実技の練習をしているシーンもよく見かけます。力を合わせてチーム戦として挑んでいるからこそ、高い合格率が実現できているのではないでしょうか。

Q/最近は複数の自治体を併願する学生も多いそうですね。

佐敷:複数受験をする学生が増えていることも、高い合格率につながっているかもしれません。例えば、関西と地元で併願する学生もいますし、全くゆかりのない土地で受験する学生もいます。4回生から3回生に体験談を伝える機会を設けているので、前年に複数受験をした先輩の話を聞いて、自分もチャレンジしてみようと思う学生もいるようですね。

若いうちにいろんな経験をすることは大切ですし、どんな地域でも子どもたちと向き合っていくことに変わりはないですから、選択肢が広がるのは良いことだと思います。

Q/進路が決まるまでに、不安や悩みを抱える学生もいると思いますが、どのような対応をされていますか。

佐川:幼稚園・保育園の場合は、公立か私立か悩んで相談に来る学生が多いですね。さらに、私立を志望するとなると、さまざまな特色を持つ園があるので、どこが自分に合う園なのかという悩みもあります。

ミスマッチは避けてほしいですし、自分が長く働ける園を見つけてほしいので、まずは「園見学に行って自分の目で確かめましょう」とアドバイスします。「見学は行ったけど、まだ迷っている」という学生には、「もう1回見学に行っても良いし、見学だけでなくボランティアにも行ってみたら?」と、自分が納得いくまで何度でも足を運ぶように勧めていますね。

佐川先生

中村:中学校・高等学校教諭の志望者の中には、企業に就職するか教員採用試験を受けるか、どちらの道に進むか迷いながら、並行して就活をしている学生もいるので、そういった学生の進路相談に乗ることも多いです。

教員には教員の、企業には企業の仕事のやりがいがありますので、学生が自分自身に適した道に進めるように、一人ひとりの話を聞いてアドバイスをしています。

中村先生

Q/メンタル面ではどのようなサポートをされていますか?

佐敷:自分の夢に向かって真剣に取り組んでいるからこそ、心の余裕がなくなってしまったり、どうしたら良いのかわからず不安になったりします。面接や集団討論の練習の後に、「うまくできない」と落ち込む学生もいます。そんな時には「面談をしようか」と声をかけて、じっくり話を聞くこともよくあります。コロナ禍以降は、チャットで気軽に相談できる体制も整えたので、チャットで困りごとや相談が届くこともありますね。

また、支援室には在学生だけでなく、卒業生がときどきふらっと立ち寄って話をしに来ることも多いですね。卒業生に対しては、夏期休暇期間等にサポートの時間を設けています。

Q/試験に合格した後もサポートをされているのですか?

佐敷:4回生を卒業直前までサポートする「たちばな塾」という講座を行っています。新年度の学級運営方法や子どもとの接し方といった具体的な指導のほか、卒業生の体験談を聞く場も設けています。また、支援室の教員が受け持っている「教職保育職教養講義」という授業でも、教員となる前にやっておくべきことなどを話しています。

Q/最後に、幼稚園・小学校・中学校・高等学校の教諭や養護教諭、保育士を志す人たちへのメッセージをお願いします。

佐川:私が思う理想の保育者像は「保育を楽しみ、学び続ける先生」です。子どもが大好きで、素直で優しく、遊ぶことが得意な人ならきっと向いていると思います。子どもと関わる仕事は、未来を作る仕事ですので、とてもやりがいがありますよ。

佐敷:「子どもが好き」という純粋な気持ちを、何よりも大切にしてほしいです。その気持ちを持ち続けている人が先生になって、日々、子どもたちと向き合ってほしいなと思います。もし仕事でしんどいと感じることがあっても、そういう経験を重ねてきた人ほど温かい先生になれるはず。自分の夢に向かって、ぜひ一歩踏み出してください。

中村:どんな仕事でもしんどいことや大変なことはあります。教師という仕事も決して楽ではありませんが、毎年毎年感動をたくさんもらえるとてもやりがいのある仕事です。「人間が好き」「教えることが好き」という人は、ぜひ教師をめざして一緒に頑張っていきましょう。

<ここがDISCOVERY!>

・教職保育職支援室は、教員や保育士をめざす学生たちの「夢を応援する場所」!
・一人ひとりの志望先に合わせて、きめ細かくサポートする!
・毎年、教員採用試験で高い現役合格率を実現!
・京都橘大学は温かくアットホームな校風で、教員採用試験にもチーム戦で臨んでいる!

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